なんとなく、神経質な人のほうが、あたまが良いような気がする。
いわゆる「切れ者」には、神経質な人が多いのではないか。
というのはほんとうに「気のせい」みたいで、どうやら実情は、逆のようですね。
実験によると、神経質なひとのほうが記憶力がむしろ悪く、あたまの回転もちょっとわるいのだそうです。
のんびりやさんに比べると、神経質な人は神経の連結が遅い、という結果になった。
理由としては「どうでもいいことに囚われて無駄に疲労してしまう」ということのようです。
この結果によれば、「あたまが悪いから神経質になった」というよりは、「神経質な性格が能力に制限をかけている」ともいえます。
だから一概には……、と、考えかけて、ふと思った。
いやいや。
やっぱり「あたまが悪いから神経質になった」で、正しいのではないか。
「どうでもいいことに囚われる」ということじたいが、あたまのわるい証拠でもありますものね。
「いまいちばんたいせつなこと」よりも、よけいなことの順位をあげてしまう。
よって、しなければならないことを自分で勝手に増やして、気にすることも勝手に増やして、勝手にマルチタスク化して、むだに疲れて、さらにあたまが鈍る。
悪循環ですなあ。
じぶんでも、自覚があるんですよね。
まあもともと賢いほうではなかったけど、短気になってイライラすると、一足飛びで超絶バカになれる。
認識をまちがう、認知が歪む、意識がかたよる。
へんなことを、本気で考えるようになってしまう。
いろいろと考えてしまうのは、バカだからだ。
お釈迦さんもそう言ってますね。悩みが多いのは馬鹿だからです、と。
インドの古いことばで「moha」というのが「馬鹿」の語源なんだそうです。
なにが重要で、なにが正しいのかわからない人のことを、mohaという。
なにが重要で、なにが正しいのかわからないから、よけいな悩みが増える。
いまべつに考えるべきことではない、どうでもいい、よけいなことばかり、ぐずぐず考えてしまうのだ。
そしてじぶんの考えに拘泥して、身動きがとれなくなっていく。
まさに、mohaでありますなあ。
実験によれば、神経質な人よりも、のんびりやさんのほうが神経の連結が速い。
つまり、かしこい。頭が良い。
……と、いうことではですね。
「のんびりやさんになれば、あたまがよくなる」
ということなのかもしれませんよね。
ガキのころから、ばかみたいに、ばかのまねをさせられて、早く寝ろ、早く起きろ、早く学校行け、早く食え、時間内に早く答えよ、早く早く、は、は、は、やはくぅうう〜〜、ばっかり言われて育ったから、日本人全員が、みんな神経質になってしまいました。
いや、全員バカになってしまった。
だからかもしれないけど、最近ちょっと難しいことをGoogleで検索すると、海外のサイトでないと見つからないことが増えた。
日本のネットも、徐々にバカになりつつあるのかな。
いそぐのをやめれば、ちょっとは賢くなれるかもしれませんね。
そこで思ったのが、インド音楽を聞けば、すこしは賢くなれるんじゃないか。
シタールとかタンプーラとかの音を聞くと、肩こりが治る人もいるのだそうです。
神経の緊張がゆるんで、おおらかになれる。
つまり、のんびりやさんになれる。
つまり、賢くなれる。
……かも、しれない。