あたまが熱くなって、足が冷える。
自律神経の調子がわるいと、いつもそんな感じになります。
で、動悸とかフラツキ、息苦しさも出ます。
自律神経の失調にはリラックスが大事と、よく言われます。
では、リラックスってなに?
リラックスとは脱力で、とくに上半身のチカラを抜くことが大事です。
……ということを、よく聞きます。
また武道や気功系では「上虚下実」といって、上半身はちからを抜き、下半身や、丹田という下腹のあたりには力を入れておいたほうが良いというようなことも、よく聞きます。
「中心は緊張させて、端っこは力を抜きなさい」ということも言われる。
そこで実際に、クビ、肩、腕などのちからを抜いてみるのです。
そしたらなんと、自律神経失調症が治った!
……というのは、聞いたことがありません。
「それは、力を抜いているつもりでも、じつは全然抜けていないからですよ」といって、怒られる。
そして「脱力って、力を入れるよりも難しいんですよ」などということも言われる。
脱力は、難しい。
じゃあ「難しいこと」をしないと、治らないのか?
もしかしたら「上虚下実」とか「中心緊張」いうことじたいが、ウソなんじゃないのかな、と思うことがあります。
というのもですね、肩とか首のちからを抜くよりも「脚のちからを抜く」ほうが、自律神経の調子が良くなるんですよね。
そして、いわゆる丹田のちからを抜くというのも、同じく調子が良くなります。
「足腰はしっかり」「軸はしっかり」「中心はしっかり」これを守るがゆえに、手足もアタマも顔も肩も、ちからが抜けないような気がする。
むしろ、
「肩とか首とか顔とか、べつに力を抜かなくてよいですよ」
「それよりも、脚と腰のちからを抜きましょう」
のほうが、じつは全身がふわーっとゆるむんですよね。
で、足先もあったかくなって、自律神経も落ち着いてくることが多いです。
筋トレをしよう。
ジョギングで、鍛えよう。
ヨガをちゃんとしよう。
そういうことを決心し、1週間以上継続すると、具合が悪くなることが多いのです。
自律神経がおかしくなって、のぼせて、手足が冷えて、よけいに動悸が出るようになる。
思うにこれは、疲労というよりも、無意識に「常時緊張」になってしまっているような気がするのですよね。
強く、固く、がんばろう。
そういう意識があると、とくに「脚」に力みが出るようになるみたいなのです。
そして下腹部や腰にも、常時チカラが入っている状態が続くようになります。
とにかく、まず真っ先に、脚のちからを抜いてみる。
そうすると、意外とのぼせや足先の冷えが改善するんですよね。
足腰や丹田の力を抜くと、どうなるか。
当然、フラッフラになるんですよね。安定性を失って、ヨタヨタする。あぶない。
しかし、このヨタヨタ状態でも安定するように工夫をしてみる。うまくバランスをとってみる。
そうしたら意外とそんなに力を使わなくても、立てるし歩けることがわかります。
しかしいっぽう、
「脚腰、丹田に力を入れて!」
を実行すると、確かに強く安定はします。
しかし安定しているがゆえに、かえってよけいな力みが永久に取れない感じがするのです。
踏ん張らなくてもいいのに、常時、なんかしらんが、踏ん張っている。
結果、脚の血管が収縮していって、足先が冷えているような感じがします。
「継続的に、がんばるぞ! ちゃんとするぞ!」
じつはこの強い意識こそが、脚腰や丹田によけいな力みと緊張を生み、下半身や腹部の血行を阻害し、結果自律神経の不調を招いている気がします。
重いものを、持ち上げる。
何かを、全力でぶん殴る。
本来はそういうとき「だけ」に、脚腰や丹田に、力を入れるものなのかもしれません。
それ以外のときはむしろ逆に、脚や腰、丹田なんかは、フラッフラに脱力しておいたほうが良いような気がしてきました。
とくに、脚。脚はむしろ、いつでもダルンダルンでいいような。
ぼくは、筋トレをはじめました。
なので、気をつけていこうと思うんです。
「ムキムキに、パワフルになるぞ!」
そういう意識は下半身の異常緊張を招く可能性がある。
ぎゃくに自律神経を不調にするかもしれない。
鍛えることは、鍛えるのです。
しかし鍛えることと、いつも緊張していることとは、ちがいますものね。
「鍛えているけど、ゆるんでる。」
これがいちばん、安定した良い状態なのかもしれません。
「鍛えてないのに、ゆるんでる。」
これは……あまりよろしくない気がします。
気が弱くなってしまいそうですからね。