「ほんもののちから」を失わないために。

ぼくは模様がえが好きです。

いい運動になるし、掃除ができるし、気分も変わるから。

 

最近ぼくは、筋トレをしています。

もう1週間経ちました。

そこで、ヘンなことに気がついたのです。

逆に弱くなっているところがあるぞ

 

重いテーブルなどを持ち上げるとき、以前よりも重たく感じるようになってしまったのです。

おかしいなあ。

筋肉鍛えてるのに。筋肉痛もとれたのに。

疲れてるのかな?

 

わかったんですよ。

からだの使い方が変わってしまった」。

 

とくに力を入れるときに、脇をぎゅっと閉じて、肩をイカらせて、背中をピーンとさせるようになってしまったんです。

腕立て伏せと、背筋トレーニングのせいなんでしょうか?

じつは重いものを持ち上げるときって、すこし脇を開いて、肩を落として、背中を若干丸くしたほうが軽く上がるんです。

また手のひらを下にして、手の甲で持ち上げるほうが、楽に持ち上がります。

これはやってみたら、てきめんにわかります。

どうしてそうなるのかはわからないのですが、たぶん全身の筋肉を結合させることができるからかな、と思ったりしています。

しょっちゅう模様がえをすることで、自然と覚えた方法なのでした。

 

しかし最近「筋トレだー!! 筋肉を強くするのだー! がんばるのだー!」と、だーだーだーだー言っております。

その意識のせいなのか、「負荷を与える」ということが、クセになりつつあったようなのです。

脇を締めて、背筋を伸ばし、背筋力と上腕二頭筋で持ち上げる。

そういうことをつい、考えてしまうようになったのかもしれません。

そんなふうにすれば当然重く感じるわけで、ある意味あたりまえともいえます。

筋トレにアタマを持っていかれすぎて、「いかに軽く、楽に動かすか」ということを、すこし忘れかけていたんだと思います。

 

これぁ、ちょっと注意しないといかんですね。

ぼくが筋トレを志した理由は、男性ホルモンをしっかり出して、とにかく元気になるためです。

そしてじぶんのからだを、思い通りに動かせるようになるため。

なのに、重いものを持ち上げるときに「わざわざ重くなるような動き」をするクセがついたら、本末転倒ではありませんか。

ようするに、カラダの使い方がバカになっちょる。

ドン臭くなっちょーる。

 

考えてみれば、腹直筋だの大胸筋だの大腿四頭筋だの、そういうふうに「分解して」鍛えることじたいが、すこしバカっぽいともいえます。

人間をキカイみたいに単純化して考え、筋肉のパワーアップさえ行えば重いものでも持ち上げられるようになる。

そんな白痴じみた思想が、ちょろっと垣間見られます。

じっさいのところ、べつに筋トレをしていない人でも、重い家具なんかをスイスイと持ち上げて走り回るひとはたくさんいます。

引っ越し屋さんなんかが、いい例ですよね。

ていうかそもそも、自然界に筋トレしてる動物なんか、いないじゃん。

 

もちろん基本的な筋力は必要だけど、筋肉さえ強くすれば仕事量が増えるかと言うと、全然そんなことはないです。

ぼくの母方の田舎では、70歳ぐらいの細くて小柄なおばあちゃんが、60kgもあるでかい米俵をひょいっと片手で担いで持ち上げて歩いていました。

柔道でゴリゴリに鍛えていたぼくが、まあまあ難渋して持ち上げていたのに。

正直、ちょっと腰にきましたよ。

 

「部品の鍛錬」

これだけでは説明できないことが、たぶんあるんだと思います。

ぼくの筋トレの目的のひとつである「思い通りに自分のからだを動かす」という理念からすると、この分断的鍛錬は、本末転倒になる可能性があるかもしれません。

机さえ重く感じるのなら、じぶんのからだも重く感じてしまうかもしれないんですよ。

 

鍛錬そのものは、分断して行う。

そしてそれを「統合」することも、忘れないようにしないといけないのかもしれませんね。

そうじゃないとデカいだけの、飾りのような筋肉になってしまうかもしれん。

カタチだけで中身のない、中国製品の安物みたいになっちゃう。

 

ぼくはデスクワーカーなので、明らかに基本的な筋力が落ちました。

これは間違いないと思います。

だから、筋トレそのものは変わらず続けていこうと思います。

でも、注意しようと思う。

ぼくはべつに、筋トレやダンベルといった仮想空間だけで有効なパワーがほしいわけじゃない。

ぼくは欲しいのは「ほんもののちから」です。

生活が、楽になるためのパワー。

 

なので思った。

統合するためには、掃除がいちばん。

部品として強化した筋力を、大掃除で統合していくんだ。

そういうことにしよう。

 

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