パソコン作業でどこが疲れるかを、よく見てみる。

ずっとパソコン作業をしていると、肩がこります。

背中も痛くなってくる。

腰もつらい。

そしてそれがひどくなってくると、息苦しくなり、息切れまでしてきて、いらいらする、不安になる。

 

なので「姿勢が原因なのだっ! ぜったいの、ぜったいなのだっ!」と、10年間考えてきました。

だからいっしょうけんめい、背中をまっすぐにするように頑張ってきました。

そうしたところ、肩こりや背中のこりが消えたかと言うと、とんでもないです。

むしろヒドくなった。

 

ぼくはこのことについて、すなおで自己懲罰的な典型的日本人なので、

「ぼくの姿勢の正し方がわるいのだ」

と考えていたし、

「鍛え方が足らんのだ」

とも考えていました。

しまいには、

「デスクワークに向いてないのかも」

とさえ考えました。

 

どうやら、そういうことではなかったようなのです。

考えてみれば、あたりまえかもしれないです。

デスクワークでパソコン作業をするときに、

・腰にちからを入れる

・背中にちからを入れる

そういう努力を始終していて、筋力でもって姿勢を垂直たらしめようとすれば、かんたんにいえば「ずっと力んでいる」ことになるのです。

そんなもの、疲れないほうが、おかしいではありませんか。

 

そして、パソコン作業で疲れるのは、肩や背中、腰だと思っていました。

じっさいに、そのへんが疲れますからね。

待て。

そのへんが疲れていたのは、無理に姿勢を垂直にしようとしていたからではないのか?

 

これに気がついて、ほんとうに疲れているのはどこなのか、ということを観察しました。

そうしたら、当たり前だけど、意外なことがわかりました。

腕がいちばん疲れている

 

そりゃあそうだ。

作業中、ずっと腕を前に出して、いわばお岩さんの「う〜ら〜め〜し〜や〜」みたいな格好をしている。

そうすれば、腕の力こぶをつくるところの筋肉と、肩の三角筋が疲労します。当然です。

そしてパソコンは、マウスやキーボードを使います。

「指や、手の甲を上に上げる筋肉」つまり、「前腕の甲側」が疲労するのです。

 

そして、このあたりには、ツボがある。

自律神経と、呼吸に関するツボ、肩こりのツボ。

長時間パソコン作業をすれば、もちろん目の疲労もありますが、それに加えて腕が疲労します。

そしてその腕の疲労する箇所は、偶然呼吸と自律神経、肩こりに関するツボに該当しているのでした。

もしかすると、このせいで息苦しくなり、のぼせ、いらいらや不安が出て、肩が凝っていたのではないか。

 

そう思って、腕をもんだりストレッチをしたりしてみました。

とくに意外だったのが、上腕の内側の、ヒジに近いあたりが、非常に疲れていたことです。

ここには「青霊」というツボがあります。

※ https://www.idononippon.com/blockcalendar/2012/12/22.htmlより拝借

 

ここを押すと、頭痛・脇腹痛・胸部痛・肩、腕、肘の痛み・眼の痛みなどに効くようです。

眼精疲労にも効くそうです。

ぼくは、脇腹痛・胸部痛・肩が痛く、眼精疲労です。

 

このへんをマッサージすると、息苦しいのがかなり取れます。

肩こりも、マシになった気がする。

 

全身の筋肉は、ばらばらなようでいて、じつは全部つながっているんだそうです。

だから一部がひどく疲れると、ほかの場所が連動して疲れることもある。

それがもしかして、腕→肩→首→背中、という流れだった可能性もあります。

 

頭の重さは5kgある。

だから姿勢が悪いと頭の重さが首にかかってよくない、という論法をよく聞きます。

たしかにそうなのですが、だからといって背中をピンとしなくちゃならない、という理屈にはなりません。

重量のかかり具合は、重心線の問題だけだからです。

顔がすこしだけ上を向く感じにして、あたまをちょっと後ろに引けば、アタマはちゃんと重心線には乗るわけで、必ずしも背中をピンとしなければならないわけでもない。

背中が丸くても、負荷は避けることができます。

むしろ、背中をピンとして、アゴを引いた状態で骨盤を前傾させるほうが、クビや背中、腰に多大な負荷がかかっていることがわかります。

それに、よく考えてみれば背骨の椎骨ひとつひとつはすこしづつ曲がっているわけで、この形状そのものが「重力分散」を実現しています。

椎骨がすこし斜めになっているからこそ、うまいこと重力が分散される。

背骨は重力線を蛇行する形で逃げ、上手に分散しているのです。

それなのに、無茶苦茶筋力をつかって必死で垂直を保持し、わざわざ重力をまともに椎骨や腰で受け止めるというのは、あまり合理的とはいえない可能性がありますよね。

 

そんなに頑張らないと、ピンとしないと、意識しないとカラダを壊すというのなら、それはもうりっぱな欠陥品だ。

そんなわけ、ないと思う。

多少丸く見えても、ゆったりちからを抜いているほうが、自然で、結果的にうまいこといくのかもしれませんよね。

 

疲れるのは、姿勢だけが問題じゃない。

同じことを長時間、ずっとしているから疲れる。

最大の原因は、ここにあると思う。

背中がまっすぐだろうが、すこし丸かろうが、結果はおなじ。

 

それに、よくよく周囲を見回してみると、すこし猫背ぐらいな人のほうが、肩の凝っていないひとが多いです。

オードリーの春日さんよりも、所ジョージさんのほうが、リラックスして楽そうに見えます。

ぼくの身の回りでも、ビシっと良い姿勢をしているひとに限って、肩や背中が凝ると嘆いています。男も女も。

なんか、関係ありそうですね。

姿勢がピンとしているということは、ココロがすでに戦闘的なのかもしれません。

勝とう勝とう、目立とう目立とうというエゴの強さが、筋肉にあらわれているのかもしれませんね。

我が強いと、肩や背中が凝りやすくなるんだそうです。

 

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