ヨガでは「ネガティブな感情はハムストリングスに蓄積される」と言われることがあります。
ハムストリングスというのは、つまり太腿の裏の筋肉ですね。
ここが固く凝り固まっているというのは、怒りや悲しみ、恐怖などの感情がたくさん蓄積されているということなんだそうです。
なのでここをほぐし、伸ばして柔らかくすれば、ネガティブな感情も開放されるという。
この説は、ぼく自身でも感じるところがあります。
パニック発作が出ているまさにその時、ハムストリングスがガッチガチになっているんですよね。
いわゆる前屈などの運動が、できなくなっている。
普段はオデコがヒザにぺたっとつくぐらいは曲がるのですが、発作時は別です。
↑ こんな感じで、どういうわけか難しくなるんです。
まあ、あれだけの恐怖に苛まれていれば、カラダが固くなるのは当然です。
恐怖は筋肉を萎縮させますからね。
逆に、これをやるとパニック発作がやや早く収まる、というのもあります。
ハムストリングスを伸ばすと、気分が落ち着いてくるのです。
なので発作時に限らず、どうもモヤモヤする、ムカムカする、いらいらする、というときには、これをやると、スーと落ち着いてくるというのは、わりとテッパンです。
その経験があるので、毎晩柔軟体操をしているというのはあります。
ハムストリングスの裏には、大動脈と大静脈が流れています。
なのでここの筋肉がカッチカチになっているということは、下腿への血流がよくないということでもあるんだと思います。
ここがふんわり、ゆったりしていれば、足先への血流も旺盛なはず。
下腿の血流が阻害されれば血圧が上がり、のぼせて、イライラするようになってしまいます。
なので、のぼせやすいぼくは、ハムストリングスのケアを真面目にやっていこうと思っています。
さて、その方法ですが、ヨガももちろんいいですし、いわゆるストレッチでも充分です。
しかしぼくはあえて、カンフーの基本功である「圧腿(Ya Tui)」をオススメしたいのであります。
見てみ!
このオジサマ。
なんと、足の爪先が、アゴについてる!
基本功では、ここまでできないとダメなんですよね。
オデコがヒザにくっついたぐらいで、喜んでいてはいけないのです。
人体の構造的に、これはできて当たり前なんだそうです。そーゆーふーに、できている。
そしてこれがしっかりできるようになれば、こんな感じになれるかもしれませんね。
きれいだなあ……。
この柔軟性、安定感、バランス。
どうせなら、ここまで行きたいものです。ただ柔らかいだけなんて、つまらん。
ハムストリングスがよくゆるんで、強くなれば、きっと心身の健康に良いと思うんですよ。
ちなみに日本人には、このハムストリングスの硬いひとが、とても多いんだそうです。
いっぽうインド人には、ここがむちゃくちゃ柔らかい人が多いらしい。ヨガの先生が言ってた。
ていうか、いわゆる西洋文明圏の先進国では、ここがガッチガチの人が多いんですって。
たぶん便利な生活や、教育なんかの影響らしいんですが、その中でも日本人が突出して硬いのは文化のせいかもしれませんね。
わけのわからん「空気読め」的な無形のストレスも、いまだに横行していますし。
イジメも多いですし。
日本人てマジメで優秀なのかもしれないけど、じつはけっこう、陰湿なところもあるんですよね。
じつは、まじめで誠実な人って、陰湿なひとが多いんです。
これは「和を以て貴しとなす」っていうすばらしい思想や、「我慢」という美徳が、行き過ぎた結果かもしれませんよね。
圧倒的に良いことの裏には、圧倒的に悪いことが潜んでるものです。
伸ばそう、モモ裏。
筋肉は、記憶する。
伸ばしてゆるめれば、記憶は浄化されるんだそうです。
ちなみにカンフーの基本功には、以下のようなものもあるようです。
全部、すごいな……。