退屈というストレスには、紙の手帳を。

へんなジンクスがあって、このブログを書くと体調が悪くなるというのがあります。

100%ではありませんが、けっこうな確率でそうなる。

最初は、こう考えていたのです。

ブログを書いたから体調が悪くなるのではなく、そもそも体調がすぐれなくて、気分的にモヤモヤしているからブログを書くのだ、と。

まあこれは、そんなに突飛な考えではないと思います。

 

別件ですが、先日手帳を購入しました。

ジブン手帳2019

紙の手帳なんて、ぼくにはあまり必要ではありません。

在宅のデザイナーなので、アポイントがあるわけではないからです。

ぼくに必要なのは、タスク管理。

どのような業務を、いつまでに行うかということが、最重要なのです。

だから普段はasanaというタスク管理サービスを利用しています。

asanaは非常に優れたサービスで、カレンダー形式でタスク一覧を閲覧できますし、予定変更によるタスクの移動もかんたんです。

タスクリストじたいがToDoリストを兼ねているので、未完了の作業も一目瞭然です。

チームを編成しておけばタスクを登録するだけでチーム全員にスケジュールを共有することができるし、メッセージのやりとりや添付ファイルも利用できますし、プラグインを利用すればガントチャートまで生成できます。

プロジェクト単位でタスクを整理することも可能なので、検索がめんどうくさいメールなんか、ほとんど使わなくなってしまいました。

こんなにも便利なものがあるのだから、業務遂行にあたっては紙の手帳なんて、ほんとうに全く必要がないのです。

 

しかしぼくは、反省をしました。

たしかに、タスクの遂行ということだけでいけば、asanaですべてが事足ります。

ただこの至便さがゆえに、ぼくは暴走的に仕事をしてしまうのです。

asanaでは「◯月◯日に行う業務」は設定できますが、それぞれの業務を何時に行うか、までは設定できません。

このせいで、ぼくは「一切休まずに業務を続行してしまう」という悪癖が助長されてしまうのでした。

たとえば、1日に3件のタスクがあったとすると、朝起きて業務を開始したら、休憩を挟まずにすべての業務を午前中に終わらせてしまう、という暴挙に至ることがあるのです。

早く終るのですから、悪いことではないのです。

しかしこういうことを継続するせいで、非常に疲労が溜まってしまうのでした。

これはぼくの、性格に起因しています。

締切や目標を設定したら、どのようなことがあっても遂行しようという生真面目さや、できるだけ早く完了させようという強欲さがある。

じぶんの性質を変更するのは難しいので、性質の欠点を補完すべく、紙のスケジュールも併用することにしたのです。

その日のタスク自体は、asanaで管理をする。

そして個々のタスクを何時に行うかということは、紙のスケジュールにプロットしていくのです。

そうすれば、

「午前中はタスクAを行う」

「昼食後、午後からの1時間でタスクBを」

「10分休憩後、次の1時間でタスクCを行う」

「メールチェック、返信等の雑用は、次の1時間で行う」

というふうに、1日のタイムラインを設計できるわけです。

計画なくただゴールだけを見据えて、まるで短距離走者のように疾走していく。

そのようなバカっぽい働き方はやめて、マラソンランナーのようにペース配分も考えて、計画的に進んでいこうという意図ですね。

これは功を奏しまして、やはりぼくは「立てた計画は守る」という性質ゆえ、スケジュールに従順に業務をするのでした。

だから休憩もちゃんととりますし、メールに過敏に反応してすぐに返信するのではなく、「雑用タイム」に集中して返信するようになりました。

これはずいぶん、精神的に良いです。

 

さて、この手帳を後から眺めてみて、気が付きました。

体調がわるい日は、ヒマな日である

ということに。

自律神経ガー、パニックガー、のぼせガー、ガーガーガーガー言っている日は、おおむね暇な日なのです。

暇というか、仕事が落ち着いている日、ともいえますが。

退屈人を殺すということわざ(?)のように、退屈というのも、一種のストレスのようなのですね。

ブログを書くと体調が悪くなる—これは、ブログそのものに問題があったわけではなさそうです。

そもそも、ブログを書く時間があるということは、ヒマだということなんですよね。

退屈こそが、ぼくの精神を不安定にしている。

記事を何件も書く日というのは、ブログを書く以外に、することがないという証拠。

要するにヒマを持て余して、気分が悪くなっているのでした。

 

むずかしいところなのです。

暇が問題なのなら、もっと仕事を詰め込めばいいじゃないか。

確かにそうなのだけれど、そうなったらなったで、それもまたストレスになる。

忙しすぎてもストレスだけれど、ヒマすぎるのもストレス。

ほんとに人間(というか、ぼく)は、勝手なことを言うものです。

 

しかし、これには対処法があるのでした。

そのために、手帳がある。

いままでぼくは、とにかく、のべつまくなしに、その日のタスク遂行を急いできました。

そうすると、当然仕事は早く終ります。

すると、突如として「午後から完全にヒマ」という事態が、しょっちゅう出来してしまうのです。

この「午前中完全シフト法」は、あまり賢い方法ではなかったようなのです。

生産性という点では良いのかもしれませんが、人間の性質というか、もっと有機的な気持ちの部分を完全に無視した、机上の空論に過ぎないようなのですね。

 

在宅勤務系個人事業主の、落とし穴。

業務を完全に自分でコントロールできるという最大のメリットこそが、じつは最大のデメリットでもあるのでした。

在宅勤務というのは、会社勤務をするサラリーマンからすれば、とてもうらやましいことだろうと思います。

本人さえその気なら、昼間っから風呂に入ろうが、ビール飲みながら仕事しようが、締切さえ守れば全然問題はないのですから。

しかし実際には、そうでもないのですよね。

業務にはほんとうは「終わり」なんかありませんし、相手がある仕事である限り、自己都合で物事が進むわけでもないのです。

むしろ先々に余裕をもたせることを考慮すれば、空いた時間には仕事を前倒しするクセがついてきて、結局あまり休めなくなってしまいます。

そもそも個人事業主のくせにほんとうに暇だったら、それはそれで大問題です。

圧倒的な自由があるということは、圧倒的に不自由でもあるのですよね。

 

大きなスケジュールを、1週間、1日のスケジュールに、ブレイクダウンしていく。

案外このことをしていませんでした。

ただ、目の前にぶらさがっている締切を反射的にこなしていくだけだった。

だから突如として「どヒマになる」ことが増えて、それが不安を助長していところもあるようです。

 

充実感は計画にこそ、要諦あり。

その日1日を無理のない充実感に仕上げるのもまた、その人の力量のひとつなのでしょう。

それに必要なのは、計画を立てるということ。

そして1日の計画が立てば、妙に安心感もわいてくるものです。

紙の手帳を復活させて、つくづくそう思い知りました。

 

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