カパの国・日本は消えて、今やヴァータの国なのだ。

アーユルヴェーダって、やっぱり面白いです。

 

ぼくはパニック障害で自律神経の調子がわるいです。

これはどうやら母譲りのようで、母も、祖母も、同じように自律神経の調子がわるいです。

体力はそこそこあるし、べつにどこか内臓とかの具合がわるいわけではないのに、とにかく神経だけおかしい。

で、父はまったく神経に問題がありません。

疲労が溜まると肺や呼吸器に不具合があったり、花粉症だったり、糖尿や痛風の気はありますが、神経は至って正常です。

 

さてそこで、両親にも「ドーシャテスト」をしてもらいました。

風(ヴァータ)、火(ピッタ)、水(カパ)のバランスを、自己問診形式で答えていくやつです。

dosha_diagnosis

家族3人を並べてみると、こうなる。

■ ぼく(ピッタ – ヴァータ)

ヴァータ・・・93
ピッタ・・・96
カパ・・・52

■ 母(ピッタ – ヴァータ)

ヴァータ・・・73
ピッタ・・・74
カパ・・・65

■ 父(ピッタ – カパ、バランスよし?)

ヴァータ・・・51
ピッタ・・・61
カパ・・・61

 

最も元気で不調が少ない親父が、やはりバランスがけっこういいです。

そして自律神経失調症で心配性のぼくと母は、数値こそ違うものの、比率が非常によく似ています。

母を「拡張」したのが、ぼく、という感じですね。

自分でもよく感じるんです。

父は顔がうすく、色が黒く、きゃしゃな感じの系統ですが、母は彫りが深くて色白で、骨太です。

ぼくは若い頃は、顔や体型が親父によく似ていました。

しかし年をとるにつれて、どんどん母に似ていくんですね。

むかしは一重まぶただったのに、だんだん目がでかくなり、彫りが深くなって、色が白くなって、いつのまにか二重どころか、三重まぶたになってきています。

この母の系統の特質が表面化すると同時に、神経系まで似てきている。

遺伝子って、年齢とともに発動することもあるんですねえ。こわい。

 

さて、よく聞くのが「日本はカパの国である」ということです。

アーユルヴェーダでいう「カパ」の人が、非常に多いんだそうです。

四面環海で海の水にかこまれていて、雨が多く、水も多い。

そんなところで生活しているので、日本人には水の要素である「カパ」体質が多いのだ、という話です。

確かに、日本人のイメージとしては、

・おとなしい
・攻撃的でなく、調和を好む
・親切、愛情ある
・それほど社交的ではない

そんな特質もあるし、言われてみればそうなのかもしれないですね。

 

でも、どうかなあ。

実際にぼくの身の回りにいる人は、そんな感じのひとって、案外いないんですよね。

・おしゃべり、活発
・攻撃的で、でしゃばりで、空気は読まない
・プライドが高い
・ひじょうに陽気、社交的、大酒飲み
・情にもろい、やさしい

そんな人のほうが多いんだよなあ。

べつに、外人の中で生活しているわけじゃないですよ。

 

日本人と十把一絡げに言っても、じつは案外ややこしくて、弥生系(渡来系)と縄文系(土着系)みたいにいろんな系統があるみたいです。

どうもぼくの身の回りには、縄文系の人が多い気がするんですよね。

耳垢もベッチャベチャだし、西〜南方の出自の人が多い。

で、そういう縄文系の人に、どうも気が強く陽気な人が多い気がするんです。

アーユルヴェーダでいうと、「ピッタ」「カパ」が強い、みたいな。

いっぽう弥生系のひとは渡来人で、お酒が飲めない人も多いです。

繊細で、神経質で、きゃしゃで、なんとなく「ヴァータ」の人が多い気もします。

 

もちろん、この弥生系・縄文系だって、もはやいろいろ混じっていますから、一概にはいえません。

日本はもう「カパの国」とは、言い切れないんじゃないかな。

案外「ああ、この人って、まさにカパだなあ」と思える人って、ものすごく少ないんですよね。

確かにたまにいますけど、そういう人って、かなり貴重な感じがするんです。

「おお、いまだにこういうヒトって、いるんだなあ」

やさしくて、おちついていて、控えめで、おっとりしていて、ふわっとした髪の毛で、忍耐力あって、でもけっこう骨太で体力あって、色白です、みたいな。

いねーよ。

そんな「やまとなでしこ」みたいなの、貴重品だわ。

 

実際には、どっちかっていうと「ヴァータ」的なひとのほうが、圧倒的に多い気がするんですよね。

日本はもう、ヴァータの国だ。

いつも忙しくしてて、冷たくて、神経質で、華奢で、がんばりやさんで、でも案外体力なくて、自罰的。

ハードウェアとしての日本は、確かにカパが強いけど、社会システムというソフトウェアがほぼ、ヴァータなんですよね。

せわしないんですよ、なんか。

テレビつけたらみんな小型犬みたいにちょろちょろちょろちょろ落ち着きなく動き回っているし、ぎゃんぎゃんぎゃんぎゃん喚くし、うるさいし。

政治家も早口で、落ち着きなくて、変化とか革新とかばっかり言ってる。

変化、おもしろいこと、刺激的なことを、必死で求めてる。

仕事でも急げ急げ、はやくはやく、学校でも急げ急げ、はやくはやく、もっともっと。

こんなもん、完全にヴァータですわなあ。

「どっしり落ち着いて、じっくり、ゆっくり取り組む」

そんな「カパ」っぽい人は、のろま、ばか、古臭い、面白くないとか言われたりしますものね。

 

ハードウェアがカパなんだから、そこに住むひとも、カパのほうが合うような気がするんだけどなあ。

なんだかみんな、風の強い、気温差の激しい、一箇所にとどまらない、砂漠のベドウィン族みたいな感じになってきてるんじゃないかな。

故郷とか、家とか大事にしない人も増えてきているし。

 

落ち着きがほしければ、先祖とか、家族とか、その土地とか、そういうのを大切にする必要があるのかもしれませんね。

落ち着きがないのは「落ちて着く場所がない」だけかもしれません。

このままいくと、日本は火と風の大嵐で、いずれ燃え尽きてしまうかもしれませんなあ。

 

……なんつって、ちょっとカパっぽいこと言ってみた。

いいなあ、カパ。

ぼくは、そういうヒトになりたい。

ぼくにいま一番足りないのは、落ち着き、安定、静けさだ。

 

 

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