パニック障害や自律神経失調症、ウツなどは「肝」の疲労である。
このことについては最近、とても強く実感しています。
「肝」というのは東洋医学の概念で、肝臓そのものも指すし、肝臓が主につかさどている機能も指します。
そこで「肝」の負担を軽減させてあげる努力をすると、確かに症状は日に日に良くなっていきます。
何をすると、肝を疲労させるのか。
・目の酷使
・飲酒
・入浴
・筋肉の酷使
・精神的ストレス、頭脳の酷使
・食べ過ぎ
・カフェイン
・冷え
・強い寒暖差
・寝不足
・不規則な生活
肝というのは「目と皮膚と筋肉」と強い関連性があるそうです。
だから目や皮膚、筋肉を酷使するようなことは、肝を傷める可能性があるということです。
そういう意味で、パソコン作業というのは「たいへん効率の良い肝イジメ」ともいえます。
肩や首や背中が凝り(筋疲労)、目が疲れて(目の疲労)、あたまを使う(精神疲労)。
IT関係者にパニック障害やウツが多いのも、こういうことも関係しているのかもしれません。
入浴は、一般に「良いこと」とされています。
しかしこれは、必ずしもそうとは言えません。
肝が皮膚と強い関連があるとするならば、石鹸の使用は肝に負担をかける可能性があります。
無添加だの天然由来だの、キャッチコピーではあたかも安全そうな雰囲気を醸し出している石鹸ですが、石鹸というのはすべからく劇薬です。
石鹸をつかうと殺菌され、汚れもきれいに落ちるのは「細胞を破壊する」からです。
細菌の細胞を破壊し、汚れのついた皮膚細胞ごと破壊する。だからキレイになる。
石鹸を常用するということは、つねに皮膚に強いストレスを与え続けているのとまったく同義なのです。
そして石鹸は油分も溶解させてしまいますから、皮膚のバリアーである皮脂もこそぎ落としてしまう。
なので入浴後は、皮膚を非常に危険な状態に晒しているわけで、これもまた皮膚にストレスを与えていることになります。
だから肝のことを労るのであれば、入浴では石鹸を使わないことが論理的に正しいことになります。
そして入浴はまた、強い寒暖差をもたらします。
この温度差もまた、肝を疲労させる原因になるそうなのです。
血管が開き血流が旺盛になると、肝気も亢進しやすくなります。
なので「入浴信仰」もたいがいにしておかないと、いたずらに肝を疲労させる原因になりかねません。
ただし不潔というのはあまりよろしくありませんから、肝を労る入浴をする場合は、
・石鹸をできるだけ使わない
・あまり熱い湯には入らない
・入浴時間は最小限にとどめる
ということが良いのだと思います。
半身浴はかなり肝を疲労させるので、肝を労りたい場合は避けるほうが無難かもしれません。
「沐浴」程度が、いちばん良いのだと思います。
考えてみれば、当然かもしれませんね。
たとえば風邪で非常に疲労しているときは、風呂に入るのが億劫と感じるものです。
これはカラダが自然に、風呂を拒否しているんだと思います。
風呂は原則的に疲労するのです。
疲労するから、よく眠れるのですね。
上記のことは、あくまで「肝を労る場合は」です。
肝がとても元気な状態なら、どんなことでもだいたい大丈夫なのです。
上記のことを全部やったって、なんら問題はない。
肝臓というのは、人体の中でも驚異的なパワーと回復力を持っている臓器です。
そうそうへこたれるものではないのです。
しかしそんなタフな肝も、酷使が過ぎると当然疲労してきます。
飲酒が続いたり、過労が続いたり、飽食が続いたりなど。
いわゆる、不摂生ですね。
不摂生の自覚があるならば、肝を労る意味で、定期的に上記のことを数日サボるというのが、良いことなんだろうと思います。
しかし何年も無理をしていた場合は、けっこう長期間養生することが必要かもしれませんね。
人体の中で最もタフな「肝」が疲労しているということは、相当無理をしていたということです。
しかし真面目で勤勉で自罰的なひとは、これを「私のからだが弱いからだ」などと考えてしまう。
ちがう。
弱いのは「私のからだ」ではないのです。
あたまが弱い。
感性が弱いのです。
かわいそうに!
てめえの無駄なくそ真面目と神経質と奉仕精神のせいで、肝が音をあげちゃったんだ。
外ヅラばかり気にして、だいじな家族に迷惑をかけまくっているバカ息子みたいなことをしているのです。
頑張って無理をしてできたことは、できたとは言わないのですよね。
できてない。
じぶんの内臓を大事にできないひとは、家庭や仲間を大事にできない人です。
肝を疲労させるなんて、母親を鞭打つようなもの。
よく反省して、しっかりいたわってあげようと思います。