在宅勤務だけどスーツを着る

個人事業主の在宅勤務なもので、服装は完全に自由です。

なんなら全裸で仕事したってかまいません。マジで。

しかし、今日からぼくは、スーツを着ることにしたんです。

 

なんかこう、ずっと自律神経の調子がイマイチなんですね。

まあ年齢的に男性更年期障害っぽいし、そもそも自律神経がちょっと不安定な家系です。

だから体質的なところが大きいんだろうとは思うんですけど、一回やってみようと思ったんです。

「じぶんの神経に、オンとオフを『服装で』知らせる」

がっつり仕事してても、休んでても、遊んでても、ずっと家。

だから神経だけでなく本人も、いま仕事してんのか遊んでんのか休んでんのか、ちょっと曖昧でわかりにくくなることも多いんですね。

自律神経失調って、つまり「神経のオンとオフの切り替えがへたくそ」っていうことだと思うんです。

だから、生活じたいのオンとオフをもっと明確にしてみよう、と。

もともとかなり規則正しい生活をしてるから、就寝時間とか食生活とか運動とか、そっち方面が原因じゃないと思うんですよね。

ストレスもそんなにないし。

こうなってくるともう「日常のメリハリのなさ」が原因なんじゃないかな、と思ったわけです。

 

そもそも、自律神経が不調だ、と十把一絡げに言っても、最終的に「問題になる点」は「気分」だったりします。

・動悸がする
・きゅうにアタマが熱くなって手足が冷える、そのくせ汗をかく(ホットフラッシュ)
・息苦しい
・立ちくらみや、めまいがすることがある
・ちょっと動いただけでものすごく疲れる

上記のような「症状」があるわけですが、じつは症状そのものは、それほど大きな問題ではなかったりします。

結局、10分か15分もすれば、だいたい収まってしまうから。

ずっとつづくわけでもないんですね。

 

だから問題は「症状」そのものではなく、「症状があることで、不安や怒り、不愉快な気分を感じて行動に制限がかかる」ということなんです。

不安や怒り、不愉快な気分がもしなければ、自律神経失調症なんて、かわいいもんです。

べつに死ぬ病気でもねーし。うっとおしいだけ。

しかし残念ながら、お釈迦様でもあるまいし、いきなり不安や怒り、恐怖などから完全に解脱するなんて、あまり現実的ではありません。

そこを目指すなら、自律神経失調症よりももっと苦しい修行が必要かもしれません。

まあ、ぼくはそれをしようと長年頑張ってきたんだけど、ある意味悟ったんだ。

不安や恐怖を消し去ることなんて、不可能だ。だって、にんげんだもの。

 

整理すると、生活を送る上での自律神経失調症の問題は、じつは以下の3点だけなのです。

1.症状そのもの。

2.症状によって感じる不安や恐怖などの感情。

3.感情によって、行動が制限されること。

 

1.が消えればドミノ式に最高なんですが、これはもう、一筋縄ではいきません。

たぶん基本的には「治るのを待つ」しかないと思うんですね。

たしかにヨガだの瞑想だの運動だので多少はマシになるけれど、ある日とつぜん完治するメソッドなんて、まだないです。

薬だってあんまり効きません。だからこれはもう、あきらめる。

 

2.恐怖や不安の感情、これが消せれば、もはや「人間を超越した存在」になれます。お釈迦様と肩を並べることができる。

できねえよ!

まあ、自律訓練法とか呼吸法とかで、100のところを70にする、ぐらいならなんとかできるかもしれない。

でも不安や恐怖から完全かつ任意に解脱することができるなんて、ちょっとファンタジーすぎます。

ていうか、あれだけの症状があって、不安や恐怖をまったく感じないほうが、どっちかっていうとヤバいですよ。

いきものとして、あぶないわ。 脳みそ死んでるんじゃないの?

だから2.については「症状があって、不安や恐怖などを感じるほうが、むしろ正常」ということで、ここを攻めるのはやめ。

 

残るは「3」だけなんですね。

症状 → 症状がきっかけで感じる不安や恐怖などの情動 → 情動によって行動に制限がかかる

ぼくが努力して、まともに改善することができるとしたら、この「行動制限の解除」だけかもしれないんですよね。

素人でも安全にできるのは、ここだけかもしんない。

 

ではさて、この行動制限がかかるのは、どういうメカニズムなのか。

これは「ウツ」と同じなんじゃないか、と思ったんです。

「つらい症状」を慢性的に受けて、「不快な感情」をずっと持ち続けている。

こんなもん、ウツっぽくなってもべつに何ら不思議ではないんですね。

抑うつ状態になっているから、行動に制限がかかりはじめていくんじゃないか。

 

抑うつ状態の基本的な治療法は「ストレッサーの排除」です。

ストレスになっている物事から、距離を置いたり、あるいは解決する。これがいちばん。

しかし自律神経失調症や更年期障害のばあい、ストレッサーは「症状」なんですよね。

排除できないんですよ。距離もおけない、解決もできない。

だからこの場合は「行動療法」になっていくと思います。

 

ウツがどうすれば治るか、という視点より、「どうやったらウツが悪化するか」を考えたほうがわかりやすいです。

・朝起きても着替えない、歯を磨かない
・身だしなみをととのえない
・お風呂に入らない、不潔にする
・掃除や整理整頓をしない

こういうことを続けていると、悪化する傾向があるようです。

まあウツなので、「できない」というのはあります。

でもそこを、ちょっとだけでも改善していくと、治るスピードが格段に上がっていくらしいです。

とくに、身だしなみを整える、掃除をするというのは、医学的にもかなり効果があると言われているようです。

 

べつにウツでは、ないんですけどね。

でも「軽い抑うつ状態」であることは、確かです。

いやほんとにもう、すげえストレスなんですよ。

原因がハッキリしてれば、まだマシなんです。原因がないのにとつぜん動悸とか、むっちゃ腹たってくるんですよね。

こんなストレスを毎日受けてたら、そりゃウツっぽくなるわ!

 

だから、抑うつ状態を改善する行動をやってみよう、というわけです。

掃除や整理整頓はもともと「趣味」みたいなところがあるので、やっていなかった「身だしなみ」を変えてみようと思ったのです。

在宅ワークであることも大きな原因なのですが、自律神経がおかしくなってからヒゲは伸ばしっぱなし、服装はずっとジャージ、風呂もたまに入らなかったりと、かなりテキトーになってしまっていたんですね。

で、「いまから仕事!」のときは、スーツを着ることにしてみたのでした。

もちろん歯も磨いてヒゲも剃って、寝癖も治して。

 

今日からはじめたなかりなので、効果というほどのものはまだあまり明確に感じません。

ただやっぱりスーツを着ると「気合が入る」というのはあります。

ネクタイなんてちゃんと締めたのは、もう4年ぶりとかじゃないか。ちょっと結び方忘れてましたよ。

鏡をみてたら、笑えてきますよね。

「あっ! パチくさいビジネスマンがいる!」

コーディングの時にはサングラスをかけているので、よけいにパチくさい。

家族にも大ウケです。爆笑です。すべらないです。

 

ナポレオンも言ってますけど「人間はその制服どおりの人間になる」のとおり、やっぱり服装で気分はかなり変わりますね。

すくなくとも、ジャージ姿で仕事をはじめるのとは、だいぶ気分が違います。

よし、やるか! そんな感じになります。

いままでの「あ〜、仕事だな〜、めんどくせーけど……やるか〜、締切あるし、それにそもそも、他にやることないし」っていう、「ギリギリやってる感」「しょうがない感」とはかなり違いますね。

症状は、べつに良くならないですよ。

やっぱりたまに、あたまはふらつくし、のぼせます。

でも、もういいんだ。 勝手にのぼせてろ。

おれはいま、スーツ着て仕事してるの。あとで遊んであげるからね。

 

別件ですけど、スーツを着ると、姿勢が良くなりますね。

ポイントは「ネクタイ」ですね。

ネクタイをしていると、背中や腰が丸くなってくると、「ウエッ」と首が締まるんですよ。くるしい。

しょうがないので、背中を伸ばして仕事するようになります。

……もしかすると、スーツのいちばんの利点は、ここかもしれないですね。

布の組み合わせによって、からだが丸くなると首がしまるようにできてる。

だからつねに、ある程度まっすぐな姿勢にしとかないといけないんです。

ネクタイをゆるめたり、ズボンからワイシャツを出したりしたら、ダメですよ。そうしたら、ちゃんと首が締まらないから。

ビシっとワイシャツとネクタイを「決めて」いたら、猫背になると、首がしまる。

あるいみ、よくできてるかもしれないなあ。

 

ちなみにスーツ着て仕事したら、なんかすげー早く終わってしまいました。

まあ今日はもともと楽な日だったんだけど、朝の8時に仕事終わっちゃんたんですよね。

午前中いっぱいはかかるかな……と思ってたんだけど。

気合が入っていると、やっぱり仕事が早く終るのかなあ。

なのでもう、ジーパンに着替えることにしました。

「お父様」から「お父ちゃん」にクラスチェンジします。

 

……あっ!

しまった! きょう暇だ!

 

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