痛いのは腰っていうより、仙骨だった

2日前から原因不明の腰痛に苛まれております。

ほんとにもう、なんなんだ!

のぼせとかイライラとか発汗とか発熱とか、そへんも原因不明。

それらがちょっとマシになってきたら、こんどは原因不明の腰痛。

ぬあああああ! なんじゃワレ!

はったおすぞ!

と、やさしいボクちゃんも思わずキレそうになります。

 

腰って、ポイントじゃなくてエリアだから、勘違いしてたんですよね。

コシ、コシ言ってたけど、じつは腰の背骨周りが痛いのではありませんでした。

もっとずっと下の方の、いわゆる「仙骨」っていうところの、両端が痛い。

つまり「仙腸関節」ってことになるのかな?

 

ビシーっと姿勢を正していたら、そんなに痛くないんです。

でも腰が丸くなるような姿勢になると、

はうっ!

と叫ぶほどいたい。

前にかがむこともできないんですね。

神棚にアタマを下げるのもできないし、わが愛犬のアタマをナデナデすることもできない。

飼い犬のアタマをヨシヨシしようとして少しかがんだ瞬間、

アオウッ!!

と絶叫してしまい、イヌもその声にビックリして「キャッ!」といって飛び上がりました。

そりゃあ頭のウエでいきなり「アオウッ!!」などと大声を出されたら、ビックリするわなあ。

目をまんまるにして、

「なんなん? どうしたん?」

みたいな顔してました。

 

まあそんなだけど、歩くことは一応できるんです。

まるで能楽師みたいな歩き方ですけどね。

まったく重心をブラさず、腰を少し落として、上下運動なく捻りもなく、まるでパントマイムの「動く歩道」みたいなかんじで、スーーーと歩く。

気持ち悪いけどね。

なんなん、あの人。ってなるよなあ。

「いやあ、ちょっと腰をやってしまいましてね。 あはは! こうしないと歩けないんですわ!」

なんて大声で説明しながら歩くと、もっと気持ち悪いぞ。

なんなん、あいつ。ってなる。

だから、黙って歩きます。

 

で、仙骨って、なんなん?

調べてみたら英語で「Sacred Bone」つまり「聖なる骨」っていうらしいですね。

ラテン語やフランス語でも、同じように「聖なる骨」っていうらしい。

そういえば仙骨の「仙」って仙人の字だから、ちょっと神聖っぽい感じがあるね。

昔は「薦骨」って書いてたらしいけど、中国で「薦」は「神に供える」的な意味もあったようです。

なんか妙に、宗教的なカオリのする骨なのです。

 

一説によると、ギリシャ語でもともと「大きな(μέγας)椎骨」という名称だったのが、いつしか「神聖な(ἱερόν)椎骨」になった、っていうのもあるようです。

μέγας(メガス:大きい)とἱερόν(イエロン:神聖)は、いわば同義語のようなことだったようです。双方ともに「偉大な」っていう意味合いがあるんでしょう。

まあ、そんなところでしょうね。

仙骨を調べると、ネットではスピリチュアル系の話がワンサカ花盛りだけど、部位の名称なんて遡ればだいたいそんなもんだ。

もともと「でかい骨」だったのが、「でかい」と「神聖」が同義語だったので、「神聖」が使われるようになっただけ。

それを翻訳して「仙骨は神聖なのだ!」とか言って、宗教的な意味が追加されたのかも。

ぼくは断然、この説に投票しますね。

だから仙骨にあまり神秘的な意味合いをもたせるのは、ちょっと違うと思うんだな。

 

ただ仙骨が非常に重要な骨であることは間違いないですね。

「腰の根っこ」「胴体の基底部」ですからね。

これが痛いと、日常生活に差し障りがありまくりです。

骨盤と仙骨のつなぎ目、つまり仙腸関節がめっちゃ痛い。

何かのひょうしに、ここをグキってやってしまったのかなあ。

 

ちょっと心あたりがあるのが、さいきんお酒をやめて、かなり痩せたんですよね。

いままでは脂肪で胴体を支えていたのに、それを筋肉やホネで代行するようになったのかも。

ていうのも、ぼくの太り方は完全に内蔵型脂肪なんですよね。

おなかの中面にいっぱい脂肪がつくんです。

ていうことはおなかが「パンパン」なので、この「おおきなおなか」で姿勢を支えていたところがあるんです。おなかが大きいと、腹圧が高くなって背骨も曲がりにくいですからね。

でもこの脂肪が消えてしまったんだ。魔法みたいに。

そうなると、もう「腹圧で姿勢維持」ができないんですよ。

筋力とかホネとかで維持しないといけません。

最近頻繁にイスの上であぐらをかいていたのは、そういうことだったかもしれないです。

重力に負けて腰が丸くなってしまうから、つい安定しようとしてアグラかいてしまうんだよなあ。

 

で、この仙骨とか仙腸関節って「脊柱起立筋」の終点でもあるんですよね。

もともとおなかが脂肪で大きかったということは、脂肪に頼っていたということ。

だから姿勢維持の筋肉が弱くなっていたのかもしれませんね。

今まで内蔵脂肪のおかげであんまり使っていなかった脊柱起立筋をよく使うようになって、筋肉痛を起こしてるのかもしれません。

だからたぶん、痛いからといってゴロゴロしていたんじゃあ、逆効果かもしれません。

なので、可能な範囲で動くようにはしていこうと思います。

無理なんかどうせできませんからね。痛すぎて。

 

ちなみに、脊柱起立筋をよく使うと幸福ホルモンともいわれる「セロトニン」がよく出るようになるっていう話もあります。

ぎゃくにセロトニンが枯渇すると、脊柱起立筋が弱ってくるっていう話も。

姿勢維持の筋肉とセロトニンには、なにかノッピキならない依存関係があるのかもしれません。

さいきん腰が痛いわりにはなんか機嫌が良くて元気なのは、脂肪が消えたおかげで脊柱起立筋をよく使うようになったから、というのもあるのかもしれませんねえ。

 

ということでさて、いまから例の「能楽師歩き」でもしてくるかな。

もしかしたら最近ぼくは「町に一人はいる変わったおじさん」になりつつあるのかもしれない。

ま、いっか。

べつに悪いことはなにひとつしてないからな。

スーーーと歩いてるだけだからな。

 

 

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