ふと、思い出しました。
「柔道が強いやつの姿勢」
っていうのを、そういえば昔、発見したんですよね。
ここでいう「強い」は、必ずしも試合で優勝をしたとかいうだけではなくて、以下のような条件を含みます。
・技が切れる(うまい)。
・スピードが早い。
・怪我が少ない。
・立ち技も寝技も、同じぐらいうまい。
・柔道以外の運動もうまい(運動神経が良い)。
・技を覚えるのが非常に早い。
・技のバリエーションが多い。
・体力がある。
上記のような条件に合致する人に共通する姿勢というのを発見したのです。
それは「ゴリラが立ちかけている姿勢」をよくとるということ。
・お尻がすこし後ろに飛び出ている。
・腰や背中が少し反っている。
・腰を落としている。
・肩や腕はダラーンとしている。
こういう姿勢をよくとるひとは、とにかく運動神経が良いのです。
動きが早く、柔軟で、怪我が少なく、なんでもできる。
そして、これはたぶん全くの偶然だと思うんだけど、この「立ちかけゴリラ姿勢」をよく取る人は、なぜかスタイルがよくて色白の人が多いのですね。
太っていても、バランスの良い太り方をしている。
肌に透明感があり、全体的に清潔感が漂うひとが多かったです。
いっぽう、姿勢はいいけどおなかが飛び出るような格好をしているひとは、強いことは強いけど、へたくそなひとが多い。
動きが硬くて、柔軟性がなく、よく怪我をするし、技のバリエーションも少なくて、柔道以外の運動はからっきしできない。
ただ非常にチカラが強い。
だからチカラ技のようなことや、体重や遠心力を使った技が多くなってくる傾向があります。
つまり、きたない柔道。
で、これもたぶん偶然なんだろうけど、こういうひとは体のバランスがいびつで、太っていたり痩せ過ぎていたりして、色黒か、逆になまっちろい青白系の肌色のひとが多かった。
最悪なのは、猫背のひとです。
こういうタイプの姿勢のひとは、動きは遅いわ、チカラは弱いわ、技を覚えるのも遅く、体力がなく、しょっちゅう怪我して、気が弱く、本番にも弱い人が多かったです。
とにかく、いろいろ弱い。
そして、柔道以外の運動も、総じてへたくそです。運動神経が鈍い。
「あたまで考えて動く」という人が非常に多い。
武道やスポーツで、そんな悠長なことしてられるかっつうの。
じつは最初の頃、ぼくがそうだったのです。
どうしても強くなれないから、先輩の動きや、試合で強いひとの動きを研究したんです。
そうしたら、とても強く美しい柔道をする人には、先程の「立ちかけのゴリラ」の姿勢をとる人が非常に多いことを発見したのでした。
そこでぼくも真似をするようになりましたらけっこう強くなってきて、試合にも出させてもらえるようになり、初段と二段を短期間で取得できたのでした。
またもともと運動が苦手なタイプだったのですが、柔道以外の運動もけっこう上達しました。
そこで気がついたのが、結局この「立ちかけゴリラ」の姿勢をとるためには、「広背筋」という筋肉がかなり強くないとダメなんですね。
ここが発達していると、「立ちかけゴリラ」の姿勢をよく取れるようになるのです。
ぎゃくにここが弱いくせに、腹筋ばっかり鍛えていると、猫背になったり、お腹突き出し姿勢になったりして、きたない、ダサい柔道になります。
「腹筋強化型」「腹筋意識型」では、どうも動きがヘタクソになるようなのですね。怪我も増える。
内側に巻き込むような、押さえつけるような、そんな動きしかできなくなってしまうのです。
しかし「広背筋強化型」だと、動きが立体的になって、高速になるようです。
またこの広背筋は、自律神経にも関係しているかもしれません。
ぼくは最近、朝からのぼせるだーの、ソワソワするだーの、動悸がするだーの言っておりますけれども、どうやらこの広背筋が極端に弱くなっているようなのでした。
弱くなっている、というよりも、「スイッチが切れてる」っていうほうが正確かもしれません。
ここの部分で姿勢を保持する「癖」のようなものがなくなってしまって、広背筋が脱力しきってしまうことが多くなってしまっています。
そこで、この部分を収縮させるように、つまり「立ちかけゴリラ」の筋肉の使い方で姿勢を維持していくと、神経の調子が良くなったります。
このことは以前も気がついたことがあり、ヨガの先生に聞いたところ、
「うーん、どうだかなあ」
という返答。よくわかんない、っていうことでした。
しかし別件でこの話をしてみたところ「私もそうです!」というひとは、何人かいました。
「姿勢を正す」というと、どうしても背中が板のようにまっすぐになることのように思ってしまいます。
だから緊縮しなくても良い僧帽筋とかにもチカラが入ってしまう。
でもこの「立ちかけゴリラ」をイメージすると、必要な箇所だけが緊張するので、疲労感も少ない。
まあ、広背筋はしばらく筋肉痛になりますけども。
しばらく「ゴリラ姿勢」を思い出して生活してみようと思います。