これは久々のヒットですね。
むっちゃオモロいんですけど!
チンギス・ハンは「世界で最も世界征服に近づいた男」として有名ですけど、案外よく知らなかったんですよね。高校では世界史を専攻してたくせに。
モンゴル帝国をつくったいかついおじさん、ぐらいのイメージしかありませんでした。
でもこの本を読んでみて、ネットでもいろいろモンゴル帝国について調べてみたら、「チンギス・ハンってすげえ!」となるしかありませんでした。
勇敢だわ、賢いわ、運がいいわ、人徳あるわ、先見性あるわで、ちょっとこんなスゴイ人もう人間の世界には出てこないんじゃないかな、と思いました。
まあ物語だし、歴史的人物なので多分に脚色はされていると思うけど、事実の羅列だけでも、じゅうぶんにチンギス・ハンの「デカさ」が垣間見えます。
そら世界征服しかけるわなあ、って思う。
まだ1巻しか読んでないけど、ぜったい全部読むと思います。
話としても、むちゃくちゃ面白いんだもの。
この本を読んでいて、一貫して感じることがあります。
ワシらは、なにをゴジャゴジャと細かいことヌカしとるねん
っていう。
しょうもないんですわ。ここ最近の、ぼくたちの世界は。
なんか目先のルールを守るだの守らないだの、ひとに迷惑をかけるだのかけないだの、人付き合いがどうのこうの、会社が、仕事が、勉強が、健康が、自己実現が、安全が、病気が、将来が、老後が、お金が、
だあああ、もう、だまれっ!
っていいたくなる。
ほんとにもう、なんか最近みんな小物で、神経質なんだよなあ。
「大義」よりも「小義」ばっかり大事にするようになったんですよね。
この世界をよくしよう、とか、この国をもっと発展させよう、とか、人類を、とか、そういうダイナミックな観点がどこかに霧散してしまって、「わたしが」「家族が」「会社が」「業界が」「学校が」ばっかり言ってる。
なんじゃそれ!
しょうもな! チンコちっせ!
まあ大義ばっかり大事にしたってダメなんだろうけど、大義を失ったらもう人間なんかいらないよね。人間である必要がないもの。
ぼくはずっと、パニック障害と自律神経失調を治すこととか、仕事のことばっかり考えてきました。
ネットでも、健康とか神経とかそんなのばっかり読み漁ってた。
いや、まあ、そういうのも当然必要なんですけど、そればっかりって、なんだかなあ。
男のくせにヨガとかアロマとかしやがって、ちょっと動悸がしたら「もう死ぬかもしんない」とか、なんやねん、それ!
こういう「桁外れにすごいひとの話」を読むと、元気でるよね。
なんかじぶんが常日頃心配していることは、ハナクソ未満のように見えてくる、ような気がする。
たまには、こういう本もいいですね。
ていうか、前から薄々気がついてたんだけど、いわゆる「ノウハウ本」「自己啓発本」「健康に関する本」とかを読むと、どんどんどんどん人間が小さくなっていってしまうんですよね。
あれ、読まないほうがいいな。マジで。
人間が小さくなるだけじゃなくて、結局なんの役にも立たないんだもの。
だいたい、あんな本書くやつにデカい人間はいねえよ。
小物だから、あんな本書くんだ。
人の悩みや心配につけこんで、TIPSを開陳して小銭を稼ごうだなんて、まさにキンタマの小さなやつが考えそうなことじゃないか。
朱に交われば、赤くなる。
でっかくなりたければ、でっかい人の本を読んだほうがいいね。
ぼくはさいきん、ノウハウ本や科学本よりも「文学」にこそ、具体的なパワーがあると思っています。