「引きこもり」というのが社会現象と言われるようになって久しいですけれども……。
考えてみれば、ぼくもそうなんだよな。
自宅が事務所で、仕事はしているからニートではないけれども、パニック障害から外出恐怖症になって以来、ほとんど外出していません。
お酒をやめて飲みに行くことすらしなくなりました。
これはもう「引きこもり」といっても、過言ではありませんね。
さて引きこもりについては、テレビや新聞などでは社会参加であるとか、メンタルヘルス的な側面にフォーカスされることが多いです。
あるいは「引きこもりはどうしたら治るのか」といった議論など。
しかしぼくは、みんな見落としているところがあるんじゃないか、と思います。
引きこもりになると、なにがわるいのか。
肺をわるくする可能性がある
というのもあるんですよね。
家に長時間いる生活をつづけていると、肺炎になる確率が上がるんだそうです。
その理由は、カビです。
とくに、あまり掃除をしていない部屋に長期間引きこもっていると、部屋の中にカビがわんさか増殖していきます。
夏や梅雨時にエアコンをかけて引きこもっていたら、もう最悪ですね。
エアコンにビッシリと黒カビが生えて、その胞子を風でご丁寧に部屋中にまきちらす。
冬場も油断できません。
暖房をしていれば、壁や窓が結露して、これまたカビが増殖します。
専業主婦なんかも、肺炎になることが多いのだそうです。
とくに梅雨から夏にかけては「夏型肺炎」「夏型過敏性肺炎」に掛かる人が非常に増えてきて、主婦のひとが通常の2倍から3倍ぐらい多いそうです。
ちなみにこういった肺炎のばあいは、旅行などでしばらく家を離れたりすると症状が消えたりするんだそうです。
旅行とまでいかなくても、長時間屋外に出ていたらマシになる場合もあるそうです。
これはつまり、「部屋のきたない空気」のせいで病気になっている、ということですね。
そもそも、引きこもりの人を治そうという考え方がちょっとアホすぎる気もするんですよね。
ネットを切ったり無理やり引っ張り出したりということをする家族もけっこう多いようなのですが、それはたぶん、逆効果な気がする。
ぼくはべつに社会に対して文句があって引きこもっているわけではなく、単純に広場恐怖で外出が怖いことが多いんですけど、無理したら悪化するんですわ。
また、無理しないで引きこもっていても、悪化します。
つまりこれは「わりとどうしようもない」ところもあるんですよね。
とくに若い人が引きこもってしまったときには、きっとそれ相応の理由があるのだと思います。
そこへ見も知らん勉強ばっかりしてきたようなカウンセラーのオッサンやオバハンがひょっこりやってきて、社会参加の意義を説いたり、悩み相談的な感じで気色の悪いウスラ笑顔と、理解力のある演技のためのうなずきを繰り返しながら質問攻めをしたところで、本人にしてみれば「じゃかましいわ」てなもんだと思います。
人に会いたくないから引きこもっているのに、その「人」、それもよりによって全然知らん人にとつぜん会わせるなどというのは、あまりうまく行く予感がしない。
ぎゃくにこころが「きゅっ」てなってしまうんじゃないか。
それよりも、引きこもっているひとには「掃除をせよ!」と指導するほうがマシなんじゃないかな、と思います。
マジな話、部屋にずっと籠もっていると、肺炎とかになる可能性が高くなるんですよね。
黒カビは肺炎どころかガンや心筋梗塞を引き起こす可能性もあるから、冗談抜きで掃除だけはキチンとしないといけないです。
それに引きこもっていると運動不足になりがちですけど、掃除ってマジでやったら、そのへんのジムでごちょごちょ動くよりもよっぽどいい運動になります。
外出がイヤや、言うてんのに、病気してどないすんねん。
病院行かんとアカンねんぞ。
出てこいとはいわないし、人に会えともいわないから、すくなくとも自力で完璧に清潔にして、菌と運動不足による健康リスクを低減させる指導をする。
へんな本とか手紙とかヒトとかを部屋に差し込むよりも、バケツとゾーキンとホーキを差し入れするほうが、本人にとっても意義があるのではないか。
汚い部屋でヨガや瞑想をすると、ひじょうに気分が陰鬱になってくるんですよね。妄想も増える。
仕事でも、そうです。
しかしチリやホコリひとつない、非常に清潔であかるい部屋で坐禅や仕事をすると、とても神経が落ち着いて、なんだかやる気さえも出てきますし、ハラも座ってきます。
考え方じたいが、前向きになるんですよね。
「ひとさまの、役に立つことをしよう!」と、ふつうに思うようになる。
引きこもりのひとに必要なのは、前向きな志向性も重要なところでしょうから、掃除いいんじゃないかなあ。
ぼくじしんが引きこもりっぽいので、そんなふうに思いました。
清潔なあかるい部屋で、きれいな空気を吸って生活していれば、理由なんか関係なく、そのうちだんだん元気になってくる。
人間なんてしょせん、そんなもんなのかもしれませんね。
ただの、いきものなのだから。