「中途半端なのが、いちばんいけない。」
齢50を目前にして、やっとわかりました。
掃除についても、これはまさに、そのとおりだったんですね。
今年の3月ごろからずっと体調がわるく、胸が苦しくなったり、動悸がしたり、あたまが充血したり、パニック発作が連発したりしていました。
男性更年期障害かな、とも思ったんですが、最近しっかりと掃除を終えましたら、さまざまな諸症状がどんどんナリを潜めていっています。
ぼくの場合は、多分にハウスダストアレルギーが引き金になっていたんだと思います。
さて、ではどうして、今年の3月ぐらいから急に調子がおかしくなったのか。
じつはちょうどそのあたりから、「掃除」に目覚めていたのです。
このブログでも、掃除のことにフォーカスしているのが2月ぐらいからでした。
そして、それと時期を同じくして、虫垂炎のような症状が出たり、発熱したり、とにかく体調がひどく悪化していったのでした。
メカニズムは、たぶんこうです。
・急に日常的に掃除を始めたことでホコリが舞い上がる
・それを吸い込んでハウスダストアレルギーが発症する
・さまざまな菌を吸い込んで、炎症を起こす
おそらくふだんからタバコを吸うので、ハナやノドがけっこう鈍感で、くしゃみや咳が出にくかったのかもしれません。
そのかわり、内部の炎症というカタチで出たのかも。
最初のころは掃除機をかける程度でしたが、ある日を堺にホウキで掃除するようになりました。
ネットで、掃除機よりもホウキでそっとやるほうがいい、という記事を読んだからです。
しかし結局、これが「やぶへび」だったようです。
ちょうどその頃から気管支が苦しくなって、強い息苦しさを感じるようになっていました。
ホウキだと、どうしてもホコリが舞い上がります。
ぼくは毎朝、密閉した部屋のなかでごていねいにホコリを舞い上げ、「ぼくの肺」で空気清浄をしていたようなものです。
こんなもん、アレルギー持ちでなくても、苦しくなると思います。
結局のところ、なにが根本的な原因かと言うと「中途半端だった」ということです。
毎日掃除をしよう、それじたいは良いことですが、残念ながら、誤った掃除をしていた。
また死角をきちんと掃除せず、ふだんのライフスペースだけを掃除していました。
そして盛大に換気をしていました。
そんなことをすると、せっかく「ナリを潜めていた」ホコリたちが、いっせいに飛び出してきます。
ぼくはそれをご丁寧に吸い込んでいったのです。
考えてみれば、こんなに毎日シッカリ掃除をする人は、そう多くないと思います。
なかには、もう驚愕するほど汚い部屋でずっと住んでいるひともいます。
掃除は軽く週に1回程度、というひとも少なくないでしょう。ぼくが以前、そうでした。
しかしそのような生活をしている人全員が、体調が悪いわけではないのです。
掃除をそんなにしていなくても、元気なひとはいっぱいいます。
おそらく「やぶへび」をせず、ホコリは溜まっているままで、いちいちそれをつついたりしないから、それほど多くのホコリが飛び交わないのだと思います。
汚いなら、汚いまま、あるがまま、そのままにしておくのも、ひとつの手なのかもしれません。
そうすればその部屋の中でもしかしたらマイクロバイオームが形成されて、けっこう安定した菌叢が出来上がり、意外と清潔になるのかもしれないです。
ぼくのように中途半端に掃除をして、たまに模様替えをするという、この中途半端な行動が、いちばんよくないのかもしれません。
ひとつもホコリがないほど掃除をしているならまだしも、肝心の部屋の隅や家具のウラなどの死角は意外と放置していて、目に見えるところだけキレイにする。
で、きゅうに大規模な模様替えをしたり、換気をしょっちゅうやる。
しまいには、きゅうに除菌スプレーをあちこちに振りかけたりする。
そんなことしたら、もうもうとホコリが舞い上がるうえに、せっかくできかけていたマイクロバイオームを破壊してしまうかもしれません。
除菌というのは、原則あまりやらないほうが良いそうです。
結果「まったく掃除をしない人」よりも、むしろ不潔になっていた可能性があるのかもしれません。
きれいはきたない、きたないはきれい。
なにごともそうですが、中途半端はよくないといいます。
掃除も、そうなのかもしれません。
掃除をするのなら、きちんと手を抜かず、徹底的に合理的にやる。
しないのなら、いっさいやらない。
案外、そのほうが良いのかもしれないです。
ただし、「掃除をしない」というのは、非常に高リスクであることは確かです。
これは科学的に、疫学的にそうなのだそうです。
掃除を長期間怠るとホコリや菌だけでなく、ダニやゴキブリなどの有害な生物が大量発生して重大な病原菌が持ち込まれたり、増殖する可能性があります。
また電源周りにホコリが蓄積し、ショートで火災を発生させる可能性もある。
また突風などランダムな刺激によって部屋中に菌やアレルゲンなどが大量に舞い上がり、突発的に体調をわるくする可能性もあります。
本人は「なにもしていないのに・・・」と思うので、原因の特定に時間がかかってしまう。
また掃除をしていないと、悪臭がたちこめてきます。
くさい部屋にいると、鼻はそのうちなれていきますが、心理的にヘコみはじめるんだそうです。
アロマが神経に良い効果をもたらすのは医学的にもある程度証明されているようですから、いわば汚部屋は「逆アロマ」ともいえるかもしれません。
「掃除を一切しない」という選択肢もアリはアリでしょうが、やはり世の中そんなに甘くないですから、いずれどこかでリスクを全身で受け止める日が来るのだと思います。
ホコリひとつない、とてもキレイな部屋にいると、やはりわけもなく落ち着きます。
なんだか、アタマも冴えるような気がする。
元気も復活してくるような気がする。
しっかり掃除をした部屋で坐禅やヨガを行うと、ものすごく気持ちがいいです。
雑念も減る。
「すがすがしい」とはこのことか、と思う。
深呼吸したくなるような家。
それはやっぱり、心理的にも、医学的にも良いことだろうと思います。
だからぼくは、どっちをとるかと聞かれたら、迷わず「掃除をちゃんとやる!」ほうを選択します。
なお、あまり清潔にしすぎると、かえって菌抵抗力が落ちたり、アレルギーが強くなったり、発がん性が高くなることもあるのだそうです。
だから掃除はきちんとするけれど、化学薬品の除菌スプレーなんかは一切使わないことにします。
部屋はきっちり掃除するけど、除菌は太陽光だけ。
お風呂でも、石鹸でカラダを洗わないし、イソジンとかでうがいもしない。
基本、水のチカラと太陽のチカラで除菌しようと思います。
ただし、衣服も部屋も、できるだけキレイにしておく。
中途半端もよくないけど、「やりすぎ」もまた、中途半端とおなじぐらいか、それ以上わるいそうです。
やりすぎと中途半端は、両端でくっついているのかもしれませんね。
バランスというのは、中途半端を指すのではないのでしょう。
バランスをとるためには、ただしい知識とただしい理解が必要だと、お釈迦様も言っています。