50年近く生きてきても、知らないことって、けっこうありますねえ。
「舌の正しい位置」っていうのがあるそうです。
舌というのは、だいたい常に上顎にビタァアッとくっついているものなんだそうです。
へー!
そういえば坐禅では、舌先を上の前歯のすこし手前にくっつけろ、といいます。
つまり、正しい舌の位置ですね。
確かに坐禅のときはこれを意識してやっていましたけど、普段は全然していません。
ふだんの僕は完全に、図の左側ですね。
自律神経の調子がわるいときって、いつも舌のまわりにキザギザがいっぱいついているんですよね。
歯型がいっぱいついてる。
東洋医学なんかでは、これは水毒で舌がむくんでいるからだ、と言ったりします。
あるいはTCHといって、Tooth Contacting Habit すなわち、噛み締めて上の歯と下の歯を接触させる癖がある、というふうにも言われます。
ぼくはこのへんの説を信じてきたわけだけど、なんのことはない。
舌が下顎に落ちているから、歯型がついているだけでした。
舌の正しい位置と言われる、上顎にすっぽり舌がおさまるような状態にしていたら、10分もしないうちに歯型がとれてきました。
舌がギザギザだったのは、噛み締めの癖でもなければ水毒でもなく、単純に「舌が落ちていた」だけだったようです。
猫背になって、顔が前に出る姿勢を続けていると、舌が落ちてくるようですね。
アゴを引いて背中をまっすぐにしていると、舌もだいたい正しい位置になる。
一説によると、舌が下顎にくっついてしまっている「低舌位」では、口呼吸になることで自律神経が失調したり、パニック障害になるとかいう話もあるようです。
まあ正確には、「舌を正しい位置にすると鼻呼吸になり、パニック障害の改善につながる」ということらしいですけど。
ほんとかなあ。
ぼくは完全に「鼻呼吸」なんですけどね。ふだんから。
口をぴたっと閉じる癖があるから、口でなんてイキできません。
柔道していたから、舌を噛まないように、口を閉じている癖がついたんです。
だから「口呼吸だとパニック障害になる」っていう説は、僕の場合はあてはまりません。
ぼくの場合は「口をしっかりと閉じているくせに低舌位」っていうのが、舌の歯型の原因になっているようです。
下顎に舌をぐいぐい押し付けてるみたい。
なんだろうね、このクセ。
それにぼくの場合は、正しいと言われる「舌を上顎にぴったりつけた状態」にしていると、どういうわけか、逆に口がポカーンと開いてきちゃうんですよね。
で、つばがいっぱい出てきて、ヨダレがタレそうになるんだよなあ。
いけね、ズズズ、とかいって、ヨダレをすすり上げるはめになる。
じつは坐禅中も、そうなんですよね。
舌を上顎につけていると、なんかヨダレがいっぱい出てくる。
なんだこれ?
「舌が上顎にあると唾液がたくさん出る」っていうのは、確かにそうらしいんですね。
だから口臭や虫歯、ドライマウスの予防にもなる、っていうんですよね。
また唾液がたくさん分泌されるのは消化にもよくて、ひいては胃にもいいそうです。
いいことだらけなんですよね。
でもなあ。
いけね、ズズズ、ってしょっちゅうヨダレをすする50前のオッサンて、どうなんだろう。
ウヒヒヒ、おいしそうなメスじゃあねえか、グヒヒ、みたいに見えないかな。
見えないか。
おれ、なんでこんなにツバいっぱい出るん?
なんなん?
この「ヨダレ防止」のために、舌を下顎にぴったりつけるクセがついたのかもしれないなあ。
このトシになって「わたしはヨダレが多いタイプである」っていうことを知った。
勉強って、マジで一生続くんですね。
なるほどなあ。
なるほどなあ、はいいけど、この「ヨダレおじさん」はどうやったら治るの?
まあ、べつに治さなくてもいいんだけど。