無限死角

きのうはキッチン周りをがっつり掃除をして、今日はレンジフードや洗濯機あたりを掃除。

……する、予定でした。

しかし、急遽予定を変更することになりました。

おそるべきものを発見してしまったからです。

今日はまず、洗面台を掃除することにしました。

 

ぼくは自分で神経質すぎるのではないかと思うことがあるのですが、全然そんなことなかったです。

掃除をしっかりするようになったら、自分で自分のことをを神経質だとか思ったり、もっとドンカンになりたいだとか言っていたことが、とても恥ずかしくなってきます。

過去に戻れるのなら、そんなことを言っていた自分をぶん殴りたいです。

なにをえらそうに。

ドンカンもドンカン、こんな程度で神経質だなんて言っていたら、世界中の神経質さんに失礼です。

 

まず雑巾を洗面台で洗っていたら、水道の蛇口まわりに黒カビのようなものがついていることに気がついたんですね。

そのあたりを使い古しの歯ブラシで掃除したりしていくうちに、そういえば鏡をカパっと開けたところはあまり掃除していないな、と思い出したのです。

とはいえ今年の夏には、一回掃除をしていますが。

せっかくなので(なにが「せかっく」なのかわからないけど)、そのあたりもサっと掃除することにしました。

で、あまり使っていないほうの鏡扉を開けましたら、案外ホコリが溜まっていました。

「ほんとに、ホコリってすぐたまるんだからもう……」

などとブツブツ言いながら、中のものを取り出していきました。

そのうちのひとつに、ピンク色のかわいらしい容器がありました。

プラスチック製ですが持ってみると案外重い。

ラベルもとくになく、娘の化粧品かなにかかな、と思ってフタを開けてみました。

するとそこには真っ茶色の液体が入っていて、ものすごい腐ったような悪臭が飛び出してきました。

「うっ」

えづきそうになりながら揺すってみると、その液体の中から、なんと「歯」が浮きてきたのです。

 

ぎゃあああああ

 

思わず絶叫しそうになりましたが、それは母の入れ歯入れでした。

母は今、別の家に住んでいて、それが確か昨年の秋ぐらいからだったと思います。

ということは約1年間、母の入れ歯はこの容器に入れたまま、ここに放置されていたということです。

ぼくは入れ歯をあまり知らないのですが、衛生的に考えて、入れ歯はたぶん水ではなくなんらかの保管用の液体に入れるのでしょう。

その液体ですら、茶色く変色し、腐っていたのです!

お、お、お、おええええ。

 

もちろんさっそく洗い流し、中性洗剤でしっかり洗浄し、ついでにキッチンハイターを希釈してつけ置き殺菌をしておきました。

ぼくが愕然としたのは、腐った水に入れ歯が入っていたことよりも、この存在に全く気がついていなかった自分の鈍感さです。

なーにが「ぼくは神経過敏で・・・」じゃ。

うそつけ、このクソ生意気なやろうめ。

 

そこでほかの扉を開けてしっかり確認していきましたら、あっちこっちに黒カビが生えていたのでした。

父親が使っている歯ブラシ立ての中にも、ぼくと娘が使っている歯ブラシ立ての中にも、使いさしの歯磨きペーストのフタにも、扉の蝶番にも。

ヘアブラシを立てているコップの底には、大量のホコリが溜まっていました。

 

キッチンといい、洗面台といい。

ぼくはこのブログでパニック障害を治す方法として、いろんな健康法を紹介してきました。

健康についてなんやかやとしちめんどうくさいことを言っているやつが、こんなに不潔な場所に保管している歯ブラシや舌磨きを毎日使用していることを、どう考えるべきでしょうか。

カビに対してアレルギーがあるかもしれない、とさんざんここで言ってきたぼくが、カビにまみれた容器に歯ブラシを立てていたことを、どう考えるべきでしょうか。

ニオイにビンカンで悪臭を嗅ぐと気分が悪くなるといいながら、腐った水に浸かっている歯ブラシの容器を1年以上放置していたことを、どう考えるべきでしょうか。

 

一も二もなく、ただ「ドンカン」です。

そうなのです、ぼくは過敏でも繊細でも神経質でもありません。

ただのドンカン野郎でした。

直接口に入るものを保管している場所がこのように大量のカビとホコリにまみれているなんて、じぶんの体調のことを四の五の言う資格はまったくありませんね。

このへんをまずしっかり清潔にしてから、不調について言及すべきです。

 

基本的なことをなんにもできていないくせに、文句ばっかり言うヒトを、なんというか。

愚か者、というのです。

むしろ基本的なことをきちんとできていないヒトこそが、よく文句を言う。

基本的なことをきちんとしているひとは、案外文句は言わないものなのです。

とくに問題があるわけでもないのに、あれが痛い、これが痛い、気分がわるい、息苦しい。

体調不良だって、文句の一種です。

 

基本的なことができていないと、死角が増えるんですよね。

自分ではちゃんと理論的に、冷静に、客観的にじぶんの体調などを把握しているつもりであるし、その原因を考えているつもりでもある。

でも死角が多すぎたら、いくら高等な理屈を積み重ねても、いくら必死の努力をしても、まったくの無意味なんですよね。

基本をおそろかにしていたら、死角が無限に生まれつづける。

 

ちゃんとしよう。

「自律神経失調症はリラックスが大事なので、いい加減になるぐらいで、良いのです」

うるせえ。

いくらいい加減になったって、治らなかったじゃねえか。

そんなわけあるか。

やっぱり、基本的なことは、ちゃんとやらないとだめだ。

毎日掃除をする、ちゃんとメシを食う、しっかり寝る、毎晩風呂入る、ていねいに仕事する。

基本的なことをきちんとしてから、文句言え。

掃除をするたび、ほんとにいろいろ、反省します。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です