もう正直にいってしまいますけど、ぼくはなんていうか、汚いやつだなあ。
自分ではけっこう清潔好きだと思っていたし、ヒトからもきとんとしている、というふうに見られることが多いです。
ですけど、毎日掃除をするようになって、自分には「おそるべきクセ」があることに気が付きました。
ハナクソを床に捨てるという暴挙。
なんじゃそれ!
なんでやねんっ!
いやもう、だれが清潔好きで、だれがちゃんとしとるねん、っていう。
まあ確かに、たとえば書き損じたメモなんかを丸めて床にポイ、なんてことはしません。
鼻を噛んだティッシュをそのへんにポイ、もぜったにやらない。
バナナ食った皮を床にポイ、もしません。
洗い物を放置したままにする、なんてこともしません。
だから全体的には、きちんとしているとは思うんです。
でも、ぼくはほんとうに自分で自分のことがよくわからないのだけれども、「ハナクソ例外」があるのです。
ハナクソだけに限っては、ゴミ箱に捨てるとかティッシュにくるむとか、そういう文化がない。
ハナクソをほじったら、まるめてそのへんの床にポイ、なのです。
消しゴムのカスは絶対に床に落とさないのに、ハナクソは捨てる。
なんでやねんっ!
いやもう、ようわからんわ。
おれは、おれのことが、よくわからない。
最近は真剣に掃除をするようになって、それ以来さすがにこのクセは治りました。
ハナクソは、絶対にゴミ箱へ。
そういう習慣がついてきました。
また部屋がきれいになってくると、そんなにハナクソも出なくなった、というのもあります。
きっちりと床を水拭きをしたら、とっても気分がいいんですよね。
「ああ、いい気持ちだ」
ゆったりと椅子に腰掛けて、ぼくはおもむろに、ハナクソをほじりだす。
で、そのハナクソを、床にピっ!
あっ
このときに、やっとこのクセに気がついたんです。
せっかく一生懸命きれいに拭いた床に、「いい感じだ」とかいいながら、ハナクソをピっ。
あかーん!
あほなこと、すなー!
生まれてはじめて、床に這いつくばって目を皿にして自分のハナクソを探す、という経験をしました。
そしておそるべきことで、そのハナをほじくった指で、キーボードを叩くんですよね。
キーボードもやべえよ!
それにそもそも、キーボードってトイレの便座よりも汚い、っていう話もあるんですよね。
そのキーボードを触りまくった指で、おもむろに鼻をほじる。
きったね!
あっぶね!
なーにが「最近呼吸器の調子がわるいんだよなあ」じゃあ。
そりゃあ、そのうち、そうなるんじゃないの?
「とても礼儀正しく清潔そうな、不潔な紳士」
が、ここにいました。
あとじつは「乾燥信仰」もあります。
雨の日にうっかり窓を開けっ放しにしていて、部屋の中に大量の雨が振り込んでいることがありますよね。
ふつうはそういうとき、タオルなり雑巾なりでそれを拭くと思います。
しかしぼくは、ほったらかしにします。
「乾くだろ」
乾かねえよ!
びっちょびちょになってるんだぞ!
今雨降ってんだぞ!
乾くわけねーだろ!
「コップ例外」もあります。
コップなどでお茶や水を飲んだ後、ふつうは洗うと思います。
事務所で使っているものでも、すくなくとも1日に1回は洗うんじゃないかなあ。
ぼくは食事で使った皿をそのまま放置するなんて絶対にしませんが、コップだけは別。
お茶なんかを飲んだコップは、へたすると1週間ぐらい洗わないこともあります。
ぜったいにホコリとか溜まってるはずなんですけど、ぼくはそこにお茶や水をいれて、そのままごっくんと飲み干します。
まさに、ミソクソですね。
あんなに丁寧にお皿は洗うくせに、コップだけは特別扱いしている。
いやほんとに、わけわかんねんだよなあ。
掃除を毎日するようになって、この自分の妙な「差別主義」に気が付きましたよ。
わりと神経質に掃除や洗い物をするくせに、ハナクソは床に捨てるわ、床が濡れても放置したままだわ、コップは洗わずにそのまま飲むわ。
そういうのを、10年以上続けてきているんですよね。
思うに、床の水拭き掃除をすると異様にスッキリするっていうのは、ハナクソとか湿気で不潔になっていた床がきれいになるから、だったりして。
床の水拭きをすると、ものすごく自律神経の調子がよくなって、気分も落ち着いて、壮快になるんですよね。
それって、それだけ床が汚かったってことなんじゃないの?
ほんとにもう、ぼくは今後金輪際、じぶんのことを繊細だとか神経質だとか言いません。
むしろボンクラの、ドンカンやろうですわ。
ハナクソほじって、そのへんにピっ!
あははははは!
そのへんにピっ!
なにやってるんだようー!
なーにが「ぼくってば、繊細なのかも」じゃあ、このいい加減やろうが。
張り倒すぞ。