寒暖差に弱い、ということは・・・

まず整理をしてみたのですが、自律神経の失調とパニック障害は「分けて考えたほうがよい」ということです。

自律神経失調症のひとはたくさんいますが、その全員がパニック障害ではないです。

しかしパニック障害のひとには、自律神経失調症のひとはたしかに多い。

ベン図にすれば、パニック障害者と自律神経失調症者は重なっている部分があるが、はみ出している部分もけっこうある。

ということは、あまりまえなのですけれども、自律神経失調症=パニック障害、という定義は成り立たないということになります。

 

ぼくはまず、ここを間違えたのだと思います。

確かに自律神経の不調による様々な肉体的な不快感がパニック発作を引き起こしてしまう、というのはあります。トリガーになる。

そこでぼくは、自律神経失調症を治せばパニック障害は治るのでは、と仮説したのです。

しかしどうもやはり、そういうことではないようでした。

パニック発作というのは「刺激に対するこころの反射様式」のひとつであるのかもしれません。

その反射を引き起こすトリガーのひとつが自律神経失調症による各種症状だったというだけのはなしで、そもそもの反射様式を改善しなければ、もしべつのトリガーがあったらば、また発作は起こる。

 

これがわかったのは、たいへん「焦る」ものごとがあったからです。

坐禅をするようになってここ最近はずいぶん神経のソワソワが減ってきています。

つまり、調子が良い。

その日は非常にこころも神経も落ち着いていたのですが、突発的にあるトラブルがありました。

そのときにぼくは非常に焦り、鼓動が高鳴り、顔面蒼白になりました。

すると「きちんと」パニック発作が出たのです。

そうか。

神経の異常というよりも、鼓動や焦り、のぼせなど、ある種の肉体反応に対する「こころの反射パターン」だったんだ、と気がついたのです。

ということは、神経の異常を治せばパニック障害が「治る」のではなく、「出ない」だけなのかもしれないのです。

いわゆる対処療法に過ぎない可能性がある。

それはそれで大切だけど、鼓動の高鳴りや血圧上昇などを一生避けて通ることなど不可能です。

またどのようなトラブルがあろうとも泰然自若としていられるようになるというのも、なかかなにハードルの高い目標です。

だからこの「こころの反射様式」については、それはそれで改善していこう、と思いました。

そのひとつの方法が、ヨガや坐禅であったり、各種の運動なのかもしれません。

 

さていっぽうで、自律神経の失調について。

整理をする意味で、こちらをまず改善していこうと考えています。

こちらのほうが、手っ取り早いような気もするのです。

どうもこの症状、とても簡潔に言うと「風邪」のようなのです。

どのようなときに調子がおかしくなるか、ということを毎日手帳に記載していってみたところ、「気温の急激な変化」「散髪をしたとき」などと強い関係性が見えたのです。

ということはすなわち、風邪なのではないか。

 

気温変化に、極端に弱くなっているのかもしれないのです。

ぼくはずっと自宅でのデスクワークなのですが、これが問題だと仮説したときにまず「運動不足」ということを考えました。

しかし世の中には、毎日ジョギングなどしていなくても自律神経失調症ではない人も多いです。

それにぼくは、なんだかんだいってよく動いているのです。

イヌと散歩したり、毎朝掃除をしたり、その他家事をしたり、仕事の合間に歩きにいったり、月に1回ほどは大規模な模様替えをするなど、ずっと坐っているわけはありません。

毎夜、ヨガもしています。

だから「運動不足」というのは、あまりビンゴではないような気もします。

 

それよりも、デスクワークというか室内作業のばあい「寒暖差疲労」のほうが、強い影響があるのではないのでしょうか。

デスクワークという角度からではなく、「自宅という室内での作業」という角度から考えてみる。

夏は暑いとエアコンをかけ、冬は寒いと暖房をかけるのです。

在宅ワークということは、そんな「快適な」環境にずっといます。

そこで、きゅうに外へ出たり、寒い、あるいは暑い部屋に移動したとき、体温調節をする神経が酷使されているのかもしれません。

 

ぼくの母親は自律神経の調子がわるく、冬などすぐに暖房をかけ、ふとんも分厚いものを使用し、ふとんの中には湯たんぽさえ仕込んでいて、長風呂です。

いっぽう父親は自律神経の調子が非常に安定しています。

父は布団も敷布団と掛け布団だけで、毛布などめったに使用しません。

暖房も冷房もあまり使わず、風呂はカラスの行水です。

寒くてしょうがないときは暖房をかけるのではなく、上着を着る、という生活です。

だから父親のいる部屋に行くと、この時期など「寒っ!」と感じます。

外の気温と、あんまり変わらないのです。

しかし母親の部屋は、あったか、ぬくぬくです。

ぼくの仕事部屋も、あったか、ぬくぬく。

 

「自律神経の調子が良いから寒さに強い」といもいえますが、逆に「ぬくぬくした生活を送っているから自律神経が弱った」っていうことも、あるような気がします。

快適な空間に慣れすぎて、寒さや暑さから逃げまくった結果、神経も柔軟性を失ってしまったのではないのでしょうか。

人間には「慣れる」という、おそらくは最重要の機能が備わっています。

これを行使しないことで、錆びついてしまっているのではないか。

 

我が家のイヌはずっと外飼で、夏も冬もほとんど外にいます。

しかし病気らしい病気などほとんどしません。強いのです。

まあイヌと人間はすこし違うので一概にはいえませんが、同じ哺乳類で恒温動物ではあります。

ぼくの「神経」がおかしいのではなく、ぼくの「生活」がおかしいのではないか。

 

寒ければ、家の中でダウンジャケットを着ればよいのではないかと思ったのです。

暑ければ、裸になる。

エアコンというものは、よっぽどえげつない日以外は使わなようにする、というような。

寒くてもじつは手足さえ温めてやれば案外大丈夫だったりもします。

 

じつは最近やってみているのですが、風邪ひきます。

でもこの種類の風邪は、1〜2日で治りますね。

で治ったら、もう寒さを感じなくなる。

「慣れて」いくようなのです。

 

長い期間「あったか空間」「すずしい空間」へ逃げ込みすぎたのかもしれません。

心がけ次第で、どこでも道場になる。

多少の暑さや寒さに負けないココロとカラダになるためには、我慢するというよりも「慣れる」ことが必要なのかもしれないです。

部屋の中が外とたいして温度差がなく、それに対応ができていたら「この地域すべてが、ぼくの部屋」にもなるのですよね。

せまくるしい部屋の中だけが快適だなんて、しょうもない人生です。

環境を変えるより、自分が変わらねば。

 

 

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