パニック障害や自律神経失調症についてはその原因がよくわかっていないことが多く、諸説が乱立しているのが現状です。
困るんだよなあ。
もっと「これだっ!」ていう原因がほしい。
しかしぐいぐい症状に目を近づけるだけでなく、一歩二歩三歩引いて眺めてみると見えるものがある。
パニック障害っていうのを常識的に論理的に「アタマ」で考えるのではなく、アホみたいな顔して見れば「たったひとこと」で形容できる。
「狂っている」
狂っているのであります。
狂っているというとなんだか差別用語のような気がして、あるいはもうどうしようもない最悪の感じもして無礼なイメージもあるけれど、そんなことない。
・ほんとうは絶対に死なないのに、死ぬような気がする
・危険はまったくないのに、ものすごく怖い
・空気はたくさんあるのに、空気が少ないと思う
・些細な可能性に拘泥してしまう
つまり認識を間違えている。
これをやさしい顔して擁護する必要なんてない、要するに「狂っている」。
そう、ぼくは端的に狂っていたのであります。
なぜ、狂うのか。
おそらく「狂うようなことをしている」のだと思うのであります。
しかし残念ながらその肝心の行動が何なのかわからないし、見えもしない。
あたりまえである。
狂った目と狂った頭で考えたら、なんでも狂って受け止める。
あたりまえである。
狂ったこころで、狂った感情を、コントロールする?
んなもん、できるわけないやろうが。
あたりまえである。
だからこういうときは、狂ったあたまで狂った原因を探すよりも、もっとすなおに「狂うことと、逆のこと」をするほうが手っ取り早いのだと思います。
狂う、の対義語。
ぼくはたぶんこれは「ととのう」だと思うのであります。
ととのえる。
掃除を毎日するようになって、5ヶ月たちました。
すると徐々に徐々に、こころが「ととのって」きているように感じます。
最初の頃はこの原因がハウスダストが減ったからではないか、バイキンが消えたからではないか、脳疲労が取れたからではないか、結果炎症が消えたのではと、いろいろ憶測をしました。
まあそれもそうなのかもしれないが、最近は思うのです。
そんなしちめんどうくさい理屈なんかどうでもよく、じつはもっと単純なことなんじゃないのか。
掃除というのは、つまるところ「ととのえる」ことなのです。
「ととのえること」を毎日やってきたからそのまますなおに「ととのってきた」だけなんじゃないのか。
掃除と同時並行で座禅もしています。
だから最初の頃は座禅のおかげで脳神経が落ち着いてきたのかも、と考えたこともあります。
それも、そうなのかもしれないです。
でも最近は、こう思う。
「ととのってきた」だけなのではないか。
座禅もまた、「ととのえる」行為だからです。
呼吸をととのえ、姿勢をととのえ、こころをととのえる。
すみかをととのえる。
身だしなみをととのえる。
呼吸をととのえる。
姿勢をととのえる。
環境をととのえる。
「ととのえる」と「狂い」がすこし、マシになるのではないか?
狂っている。
このことをぼくはずっと否定してきたのです。
確かに神経的には異状があるかもしれないが、ココロそのものには異状はない、認知も異状ではない。
つまり病気ではあるが狂ってはいない、と信じていました。
でも座禅をずっと続けていくうちに、とうとう見えてしまったのです。
ああ。
おれは、狂っているぞ。
腹の立つことがあって腹を立てるのは、ちっとも狂人ではありません。
しかしとくに腹の立つこともないのに腹を立てるのは、狂人です。
ここに弁解の余地はないです。
原因不明のイライラ、不安、そわそわ。
これすべて「狂っている」のでありますね。
差別だとか失礼だとか言葉が悪いとかそんな「偽善者ヅラ」は張り倒して、アホみたいな顔してちゃんと見れば、そう、狂ってる。
狂っているのなら、ととのえなくてはいけません。
掃除、整理、整頓、清潔、座禅。
ととのえて、ととのえて、おちついて、おちつける。
それを習慣にしていけば、もしかするとそのうちこころも神経も「ととのって」くるのかもしれません。
怒ったっていいし、悲しんだっていいし、落ち込んだっていいし、興奮したっていい。
なにも四六時中石の仏像みたいに感情をブッ殺してアパシーを決めこむ必要なんかない。
アパシーもまた、狂ってる。
おかしいだろ。
怒ることがあれば、怒る。
悲しいことがあれば、悲しむ。
落ち込むことがあれば、落ち込む。
興奮することがあれば、興奮する。
そしてしばらくたったら、もとにもどる。
それができるのもじつはこころが「ととのっている」からなんですよね。
わけもないのに怒るのは狂っているから。
また怒ることがあるのに怒らないのも、狂ってる。
いつまでもクヨクヨしつづけるのも、しつこすぎるのも、狂ってる。
狂いは治すより、ととのえるほうが、いいね。
「ちょっとおかしい」ぐらいで、全然OK。
ていうか「完全な正常」はもう「完全な狂気」ですからね。
まんなかぐらい、「ちょっとおかしい」ぐらいで、ちょうどいいのかも。