最近登山を再開しようと思っていることもあり、映画なんかでそういったテーマのものを観てみようかな、なんて思ったりしています。
いろいろ聞いてみたら「山アニメ」というジャンルがある、というではありませんか!
ホホー、それは格好でありますなあ、ということで、観てみました。
結論から言うと、ぜんぜん面白くなかった。
正直いって、なんじゃこりゃ。
「ヤマノススメ」はかなり人気があって、聖地巡礼と称して山に登るアニメファンも増えたそうです。
うん、いいなあそういうの、楽しみだなあ。
題名からも期待していただけに残念至極でありました。
それ以外にも「ふらいんぐうぃっち」とか「のんのんびより」とかいうのも観てみましたが、なんじゃこりゃ。
で、わかったのです。
「アニメと山は相性がわるい」。
山の魅力が、なにひとつ伝わってこないのですね。
いっぽう山岳映画というのは、これはもうゴリゴリに山の魅力が伝わってきます。
「岳」とか「セブン・イヤーズ・イン・チベット」とか「マークスの山」とか。
新田次郎の小説も、すごくいいです。
実写映画や小説は、山と相性が良い。
ああ、山行きてえなあって思う。
なんだろう。
ひとつには、ぼくがもうオッサンだからでしょうなあ。
「かわいい女の子」ではなくて「うつくしい山」のほうを押し出してきてほしいのであります。
「ヤマノススメ」は登山の面白さ楽しさよりも「女の子の可愛らしさ」のほうに重心の8割を乗っけているように思いました。
ほかのアニメも基本そんな感じでした。
風呂とか水着とかキャッハウフフは、そんなのはもうどうでもええねん。
なんかじぶんの娘を思い出してしまって、だから風呂とか水着とか出てきても「こらっ! そんな格好でうろうろするんじゃありませんっ!」ってなる。
ていうか女子大生の娘がいるオッサンが女子高生の絵にコーフンしだしたら、いろいろとややこしくなってしまうではないか。
そもそもぼくはかなり若いころから「女性は36歳~46歳あたりが最高説」の支持者であり、また「そのへんにいる普通の女性の爪」「街をあるいている女性の足首」などにリビドーを強く感じるほうなので、絵ではもともとエレクトしないの。
お色気的なアレはどうでもいいからさあ、登山靴の履き方とか慣らし方とかやってくれや!
魔法とかも、そんなのもういいから!
もっと登山の「ええところ」「やなところ」を、もっと記述してくれや!
って、心から思う。
だからこれを観て「山行きてえ!」とは一切ならないのでありました。
こいうので登山に興味を持つ人は、若くて想像力が豊かなのかな。
あと、「絵」なんだもの。
きれいな景色が「絵」って、どうなの。
映画「岳」のアルプスの映像とかは、すごくいいんですよね。
正直この映画のおかげで「いつかは日本アルプスに行こう!」って思いました。
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」のヒマラヤも、ものすごくすてき。
やっぱ死ぬまでにはチベットでトレッキングしてえな、って思う。
絵の限界なのかなあ。
まあこれも、ぼくの感性の低下なんでしょうね。
ピンとこないの。
中途半端に山の風景を知ってるだけに、アニメの背景画ではもうコーフンできないのでありました。
アニメじたいはけっこう好きなので、ちょっと残念でしたね。
ただ「ゆるキャン△」は、これは登山ではないけどアウトドア・キャンプの本質的な楽しさのようなところが出ていてよかったです。
ぼくの志向はトレッカーでキャンパーではないんだけど、そうだなキャンプもそのうちやってみようかな、とは思いました。
山とアニメ。
案外難しい領域なのかもしれませんね。
それでもかなり人気が出たということは、やっぱり日本のアニメってすごいのかもしれない。
だからピンとこないのは、ぼくの個人的な性向なのかな。
でもまあ正直いって、あの「水着回」「風呂回」みたいなのはもう、いい加減やめてほしいな。
どのアニメでも。
やめれ! きもちのわるい!
それこそその回だけ実写でやってくれや! じゃあ観るわ。
っていう、オッサンの叫び。
じゃあ観なければいいじゃんって、ええ、まあ、そうですね。