SDGs

このたびのコロナ禍はひどい災難としか言いようがないんだけれども、「世界のこと」「人類のこと」にすこし意識を向かわせてくれるきっかけにはなりました。

 

ぼくはパニック障害持ちの個人事業主で、普段はじぶんの体調のことと、じぶんの商売のことばかり考えて生きてきました。

しかしこのような世界規模の災厄が起きると、「ぼくの生活」というのは、じつはとてつもなく多くの人々の活動と努力によって支えられていたこと、経済というものがいかに複雑に絡み合って作動しているかということに、強制的に気が付かされます。

もろんそんなことは「理屈では」わかっているつもりだったんだけど、ぼくはすこし想像力が乏しいのか、具体的なイメージをもって理解をしていませんでした。

しかしこのような世界規模の停滞が起きると、まるでドミノ倒しのように隣接する業界への影響があったりして、社会というものの「あやうさ」ということを如実に感じます。

平和という、奇跡のような絶妙バランス。

平和は与えられるものなのではなく、人類が築き上げていくものなのだと思い知ります。

持続可能であること。

これが重要であるということも、もちろん「理屈では」わかったつもりでいました。

でも実際のところは、なにひとつ、わかっちゃいなかった。

 

「SDGs(Sustainable Development Goals)」というコトバを、以前からたまに耳にしていました。

国連が定めたという、17個の持続可能な開発目標。

言っていることじたいはとても正しいことだし、これを間違っているとは思いません。

でも当時は「どうせまた浮世離れした理屈っぽい『意識高い系』がホザいてるタワごとだろ」ぐらいに思っていました。

というのも、このSDGsということを「わが企業の付加価値」として利用しようとする、けちくさい、ケツのアナの狭い、くだらないやつらが多かったからです。

ほんとうにそれに積極参加しているわけでもないのに、ホームページにこのロゴなんかを掲載して、積極参加しているように「見せかけて」社会的信用を強化しようというまるで詐欺師か何かのような会社をよく見かけた。

だから十把一絡げでSDGsということじたいも、怪しく見えてしまっていました。

またそのように感じていたぼく自身が「世界について関心がなかった」ということが、もしかしたら一番の原因かもしれません。

そういうことは、もちろん大事だとは思うけど、でもぼくの生活には関係がないと感じていた。

屁理屈はヒマなやつがやればいいんだ、おれはじぶんの仕事で忙しいんだ、そんなことにかまっていられないんだ、ぐらいに思っていました。

 

とんでもない。

 

ぼくの日々の生活や仕事は「世界人類社会」という基盤の上に成り立っていて、だから世界人類社会が崩壊すれば、必然的にぼくの生活も仕事も崩壊する。

「平和」ということに甘えすぎて、じぶんの利益のことばかり考えていた。

それが「何によって」支えられているのかということは、まったく見ようともしないで。

 

最近、SNS上で右翼的な言説をよく見かけます。

左翼的な言説も見かけます。

いわく、コロナは中国のせいだ、徹底的に究明して弾劾せよ、責任追及せよ。

実際の感染者数を国家が隠蔽している、情報操作をしている、安倍政権を糾弾せよ、など。

ぼくはこれらの主張について、とても違和感を感じていました。

その違和感の原因が、わかったのです。

コイツらは、犯人探しをしてるだけだ

 

犯人を探し、それを糾弾し、罰したところで、いったいなにが変わるというのか。

仮に中国政府をとっちめることに成功をしたとして、このコロナ禍が収まるとでもいうのか。

日本政府の過ちに目くじらをたて、ぎゃんぎゃん騒ぎ立てたところで、コロナは終息するのか。

もう、関係がないのである。

もしこのたびのコロナ禍が、仮に彼らが言うように「だれかのせい」であったり「どこかの国の陰謀」であったとして、いまその犯人探しをしている場合か。

だれかに責任を負わせて解決できるレベルを、とうに超えている。

賠償金を払わせたところで、コロナは終息しないのである。

他国自国の政府にいちいち文句をたれるまえに、することがあるのではないか。

犯人探しなどという、肝っ玉も、きんたまも小さい、まるで雑魚のようなことに時間を費やしていたのでは、この世はまったく立ち行かないのであります。

 

右翼も、左翼も、もういらない。

ケンカしてるばあいじゃない。

そんなことよりも、いまこそ「SDGs」ということに意識を向けるべきだと思いました。

近江商人のような「三方良し」の観点で、国も、社会も、個人も、自然も、いきものも、みんなに「良し」といえる世界の構築のために、できることを考えてみよう。

それはもしかしたら「今しばらくはおとなしくしている」というだけのことなのかもしれないし、あるいは何か具体的な行動を起こすことなのかもしれない。

わからないけど、とにかく犯人探しと文句垂れだけは、やめておこうと思いました。

そんなことをしていたって、ぼくも世界も、どうにもならない。

 

 

  • ぽぽんた より:

    この コメント と
    返信欄の 同意する声 
    いい かんじ と おもいました
    https://news.yahoo.co.jp/profile/comments/15878636934255.f951.25527?no_focus=0

    とりあえずはさ

    おだやかにいよう

    • TERA より:

      ほえ〜〜。
      面白いですねー!
      今回の自粛を、むしろ肯定的に受け入れている人って、じつは案外多いのかもしれないですね。
      ぼくもじつは、快適なんですよ。
      「前のほうが、異常だった」
      これってすごく、ハっとしました。
      確かに今までのほうが、異常なところがあったのかもしれませんね・・・

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