ぼくはさいきん、確信しつつあるのでございます。
ぼくが抱えていたさまざまな不調、パニック発作や自律神経失調症など、それらは「アレルギー反応」だったのではないか、と。
とうとう、やったのであります。
苦節180日、約半年の時間をかけて、家全体の掃除をほぼ終えました。
毎日毎日、掃除した。
唯一できていなかったのが、両親の寝室です。
ぼくの持ち物ではないから勝手に動かしたり捨てたりするのは気が引けていて、床をサササと掃除する程度にとどめていました。
しかしこのたび、両親もとうとう「本気」を出してくれて、不要なものをガサーっと捨てて、「完全無欠の大掃除大会」を敢行したのでありました。
それはもう、ひどい有様だったのでございます。
フローリングの上にタタミを引いていたのですが、それを引っ剥がすと大量のほこりやカビが生えていて、タンスの裏、押し入れの中、部屋の隅など、恐怖を感じるほどのホコリがありました。
そして壁にはところどころ、見たことがない種類のカビのようなものも生えていて、いやなニオイを発している。
黒カビや白カビではなく、やや黄色っぽい、ほんとに「よくわからないなにか」でした。
すべての家具を動かし、壁や床、窓、窓のサン、天井、デンキの傘まで外して徹底的に掃除をしました。
押入れ整理用の樹脂ボックスも中身を全部出して、筆まで使ってホコリをすべて取り除いていきました。
かれこれ20年以上使っていたタタミも、このさい全部取り除いて、新しいものに変えました。
フトンを2つ引いたら足の踏み場もない状態だった部屋もかなり「余白」が生まれ、広々とした空間になりました。
両親もずいぶん喜んでくれました。
よかったのですが、翌日案の定「異変」が起きた。
ぼくと母親が、腹痛になったのです。
そしてあたまが熱っぽくなり、節々が痛み、とくに腰から下に力が入りにくくなって、すべての関節が痛む。すこし微熱も出ました。
こうした大掛かりな掃除を行うと、かならず翌日になんらかの異変が起きます。
おそらくは大量のホコリを吸ったりしたのと、ふだん使わない筋肉や脳の部位を酷使したことで、疲れがどっと出るのだと思います。
また不思議なのは、掃除をする部屋によって異変が起こるからだの部位に違いがあるということです。
今回は「腹」にきた。
ぼくだけではなく、母もまったく同じ症状です。
この腹痛は下痢や便秘というものではなく、おへそ~下腹部あたりのどちらかというと表面に近い部分が痛むのです。
もしかしたら「腹膜」あたりがやられたのかもしれません。
じつはこの腹痛、去年の3月にもやりました。
ちょうど本格的に掃除をするようになり始めた時期で、キッチンを徹底的に掃除をした翌日でした。
まさに「七転八倒」ともいえる痛みで、何度か吐きましたし、高熱が出て、おなかの激痛で起き上がることさえできなくなってしまいました。
約1週間、ほとんどメシも食えず完全に寝込んでしまいました。
当時は外出恐怖症で病院にも行けず、これは大げさではなく少しだけ「死」を覚悟したほどです。
パニック発作も1日になんども起こして、ほんとうに生きた心地がしませんでした。
そのような地獄の1週間を経て、ぼくは大好きだったお酒を完全にやめてしまいました。
やめようと思ったわけでも、なにかきっかけがあったわけでもありません。
「べつにいらないな」
と思い、そのまま飲まなくなってしまった。
しかし、そのかわりに、パニック発作がしょっちゅう出るようになりました。
これは11月ごろまで続きました。
ちゃんと考え、勉強し、「ほんとうの掃除」をするようになり、また同時に座禅もするようになってから徐々に発作が出る回数が減っていき、今年に入って3月下旬ごろからはほとんど出なくなるぐらい改善しました。
外出恐怖についても、おなじように改善してきています。
ぼくはずっと悩んできました。
ヨガをしても整体にいっても骨盤矯正をしても首の調整をしても食べるものを変えても運動をしても何をしてもパニック障害はまったくいっこうに改善することがなく、良くなったと思ったら悪くなりを繰り返し、発作も「まったく不規則に」出ていました。
もう無理なんじゃないか。一生治らないんじゃないか。
そこまで思いつめたものですが、掃除をするようになって、はっきりと見えてきた。
ぼくの発作は「炎症」がトリガーだった。
とくにハウスダストによるアレルギー反応によって神経が炎症することで、さまざまな不具合が出ていたようなのです。
ハウスダストということに思いが至らなかったために、発作が出るタイミングは「不規則である」と認知していたのです。
そうではなかった。
風が強い日、エアコンを使っている日、模様替えをしたあとの数日、いいかげんな掃除をしたあと。
そういうときに発作がよく出ていて、これはつまり「ハウスダストの舞い上がり」が原因だったのかもしれません。
毎日毎日、これでもかと掃除を続けていくうちに、あまり発作が出なくなってきた。
気がつかされた。
掃除というのは「一日でまとめてやればよい」というものではなかった。
毎日続けていくことでしか、掃除の効力は発揮されない。
壁や天井まで、すべてを徹底的に毎日やったとしても、ほんとうに家が浄化されるまでには半年かかる。
掃除というものは、そういうものであった。
続けることで「しか」、効力は得られなかった。
掃除とは、行為ではない。
習慣であり、生き方である。
今回はやはり「大玉」だったのです。
ハラにきた。去年の3月のときのアレと、種類がまったく同じです。
掃除をやっていたぼくとぼくの母親に、まったく同様の異変が現れたということは、やはり「気のせい」などではないと思う。
もっと物理的で機械的ななにかが関与しているはずだ。
ちなみに母親と父親は、きょうのほんの一時期、なぜかひじょうに機嫌がわるくなって、ケンカをはじめた。
じつはこれも、よく起こるのです。
掃除をしっかりやって、気分的にも機嫌的にも良いに決まっていて、それにとくになんの原因もないというのに、なぜか「昔のこと」を思い出し、ほじくり出してきて、ケンカになることがある。
これもおそらくはある特定の刺激によって、マイナスの記憶が惹起されるのだと思います。
幸いなことに、この種の感情的な反応は、数時間でおさまる。
ぼくは何度も経験してきたから、もう驚かないです。
掃除をして「古い汚れ」をほじくりだすと、「古い記憶」も呼び起こされることがある。
それはえてして、良い記憶ではなく、わるい記憶のほうである。
「なんの理由もないのに」っていうことは、絶対にありえない。
理由は必ずある、それに気が付けないだけのことだ。
おそらくハウスダストというか、家のケガレにも「種類」があるのだと思います。
呼吸器系にくるケガレ、精神にくるケガレ、記憶にくるケガレ、感情にくるケガレ、粘膜にくるケガレ、内臓にくるケガレ、関節や筋肉、骨などにくるケガレ。
おそらくはカビや微生物の死骸、動物の毛、アカや毛髪、その他の科学物質など、そういったさまざま物資に対する自分自身の「反応パターン」が違うのだと思います。
だから、掃除する部屋によって出てくる異変の種類が変わるのだと思う。
そしてどこかで大規模な掃除をしたあとは、またふたたび家全体がかすかに「ケガレル」。
部屋から飛び出してきた物質が、飛散霧散し、拡散していくのだと思います。
換気をしたって、だめである。
どこかの掃除をしたあとは、また数日のあいだ、家中の掃除を続けなくてはならない。
掃除とは、そういうものである。
今回の症状は、かなり「マシ」です。
おそらく、ケガレの深さもマシだったんだと思う。幸いである。
そしてこの不具合はまた、数日~1周間程度、つづく。
これを過ぎた時、はじめて「変化」が訪れる。