いぬのきもち

我が家には「たろう」という名前の柴犬がいます。

御年15歳、人間ならば90歳ぐらいの御老体なのだそうです。

御老体のくせに、妙に元気ではある。

 

先日散歩中に「びっこ」を引き出して、どうも後ろ左足を痛そうにしている。

どうした、捻挫でもしたかと思って病院に連れていったら先生が

「トシですね」

そうか、そうだなあもう15歳だもんなあ、そりゃあガタも来るわなあ。

先生曰く、もうトシだから治らないと思います。

散歩も無理して行かないほうがいいでしょうね。

そもそも、この夏を乗り越えられるかどうか……ということろだろ思います。

 

マジか!

たろう、おまえ、もう死ぬんか。

もう歩けないんか。

ううっ。

先生にそんなことを言われたらなんだか急にいとおしくなってきて、そうか、たろう、いまからはもっとやさしくかわいがってやるからな、なんて感傷的になった。

 

しかし翌日、散歩に行ってみたところ、なんじゃあお前は。

走り回っとるやないか!

動物病院の先生がきのう言った

「もう治らないと思います」

は、どこいったんじゃお前。

 

そういえば以前たろうは「白内障」という目の病気になって、病院につれていったら同じようなことをいわれた。

「白内障は治りません」

しかしどういうわけか、1ヶ月ほどしたら黒目の真っ白なのが消えてしまった。

「糖化ヘスペリジン」というのが動物の白内障に効くと聞いたので、ためにし犬用の糖化ヘスペリジンのサプリを食わせてみたりはしていたのですが、それが効いたのかどうなのか。

左目が真っ白になっていたんだけど、写真のとおり、べつに見た目はふつうになっています。

どういうことなのか。

 

そろそろ暑くなってきたから犬小屋の横に日除けテントを張って日陰を作ってあげた。

しかしたろうは、ずっとアホみたいな顔してハアハアいいながら炎天下に立っている。

尻尾がデレーンとなってるから、けっこう暑いんだと思う。

まあイヌにもなにか思うところがあってそうしているのだろう、そのうち暑ければ日陰に行くだろうと思っていたら、こともあろうか、炎天下のギラギラのところで昼寝をしはじめる。

ニタニタ笑いながら、かつハアハアいいながら、カンカンに焼けている地面のうえで寝てしまうのであります。

だからぼくは、たろうに言うのであります。

「ほら、あそこに魅力的な日陰があるだろうが。涼しいぞ、あそこで寝ろや」

この日陰にはボク自身も入って温度を確認したことがあって、かなり涼しいです。

風通しもいいので、イヌにとってはかなり良い物件だと思うのですが・・・

しかしたろうはそんなアドヴァイスはガン無視して、はあはあ言いながら炎天下で眠ってしまうのでありました。

 

ネットで調べてみると、コワイ話が満載なのであります。

なにがいちばんコワイかといって、炎天下で犬を飼っているひとによその家のひとが「動物虐待だ!」といってクレームをつけることがあるようなのです。

真夏の炎天下でイヌを外飼いしているだけで、飼い主は責められることがある。

 

だから、たろう!

おまえがそうして炎天下で寝転んでいたら、だれかが文句いうんだって!

おれが怒られるんだって!

だからサ、ほら、ナ、あの「魅力的な日陰」に行けって!

なあ、行けよう〜!

なあ、て!

 

そして夕方になり日が落ちて、かなり涼しくなってきてから、たろうはあの「魅力的な日陰」にノソノソと移動するのであります。

そこでゴロンとなって、眠りだす。

待てコラ!

なんのための日陰じゃ!

もう太陽沈みよるやないか!

なんでじゃ!

どうしてじゃ!

なんのために、ワシが汗をぶるぶるかいてあの日陰を作ったんじゃ!

 

おかまいなしなのであります。

まあイヌだからな、そんなもんでありましょうけども。

でも不可解なんだよなあ。

イヌ、とくに柴犬は暑さに弱いらしく、炎天下ではなく日陰で飼うべきだという話ばかり聞く。

しかしたろうは「真夏でも炎天下で昼寝をする」ことがよくあるのです。

気温40度を超え、人間でもクラーっときて倒れそうになる庭の炎天下でも、たろうはニタニタしながら寝ていたりする。

玄関に入れてあげたのに、わざわざ炎天下に出ていって昼寝してることもある。

そして、むしろ日が落ちてから日陰に移動していくのであります。

なんじゃお前は。

へんないきものだなあ。

 

個体差なのかな。

まあお前がそれでいいなら、おれもべつに、いいんだけれどもサ。

しかし見ているほうが暑いんだよなあ。

だからいまいちばん気になっているのは、ご近所さんにもし動物愛護かぶれしたおせっかいなオバハンとかがいたら、飼い主であるぼくに文句言いにくるんじゃないか、ってことです。

そしたらもう、正直に言うしかないよね。

ほら、あそこに日陰つくってんの!

そこに入れようとしてるし、入れって、なんどもゆってんの!

でもあいつは、わざわざ炎天下に勝手に出ていくのっ!

むりやり日陰に連れて行ったら、怒るのっ!

だからもう、おれ知らねーよ!

文句あんなら、たろうに言ってくれよおー!

 

想像してみてたら、思うよね。

なんじゃこの会話。

けっきょくゴジャゴジャ言ってんの人間だけじゃねーかー。

好きなようにさせてやったら、いいよね。

ばかじゃあるまいし、ほんとにヤバかったら、自分で動くよなあ。

まあ、たろうは昔からちょっとだけ、ばかなんだけれども。

 

  • ぽぽんた より:

    ビタミンD つくってるのかなあ ~ 
    なんて おもって
    【犬 ビタミンD】と…(まんま˘ ˘ゝ

    一番上に こんな 
    https://www.rouken-care.jp/column/20180327/

    まぁまぁ いいんじゃないでしょかね~
    って 読んで いったら

    >真夏の直射日光は危険

    に うぉ˘m˘; と。

    本能的に? かな …
    自分で ベスト を 選んでるかも だけれど
    たろうちゃん。

    御大事に。
    お世話 してあげてくださいね。
    (_ _)*

    • TERA より:

      なるほど、ビタミンD生成と殺菌は、なんか納得いきますね。
      きょうも暑いから玄関に入れてやったのに、わざわざ炎天下に出ていこうとするから戻しましたよ。
      あれはあれで、いいのかもしれませんね・・・

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