もっとシンプルに。DropboxをやめてMEGAに乗り換える

オンラインストレージは、仕事では長らくDropboxを使ってきました。

よく使うのでDropbox Business (3TB・月額2640円 )という有料プランを利用していました。

 

しかし最近どうもDropboxの挙動がおかしくて、わりとストレスが溜まっていたのです。

 

・保管しているファイル数が30万件を超えると、デスクトップアプリが不安定になる

・共有している相手方の回線速度が遅いと「○○の競合コピー」みたいなファイルが大量生産される

・以前はできていた、シンボリックリンクでの同期ができなくなってしまった

・同期速度は速いが、Macのデスクトップアプリがメモリをめちゃくちゃ食う

・フォルダ名を変更すると、そのフォルダが共有者全員のパソコンから消えてしまう場合がある

 

仕事柄「小さなファイルが大量にできる」というのは致し方がないことで、ファイル数が30万件というのは、わりと簡単に超えてしまいます。

そのせいで2TBもあるのというのに充分にDropboxの恩恵を受けられない。

 

こういった問題が起きたのはDropboxのせいではなくて、ぼくの利用方法にあるのだと気がつきました。

複数の人でプロジェクトを共有していて誰かが修正をするとなった場合、お互いにDropboxでそのプロジェクトフォルダを共有しておけば、だれでも即座に作業ができるので便利です。

その利便性のために大量のプロジェクトをDropboxで共有していました。

これが、よくなかった。

こういった使い方は、Dropboxでは行うべきではなかったのかもしれません。

そもそもの話として、危険でもあります。

だれかがファイルを削除したら、共有している全員のパソコンからそのファイルは削除されてしまいます。

もちろんDropboxには復元機能があるので大事には至りませんが、実際に復元しようとすると思いの外面倒で時間を食う場合があります。

またDropboxにはファイルの履歴機能もあるのですが、誰がいつどこを修正したのかというような詳細な情報までは残りません。

また復元機能と同様、履歴を遡るのもけっこう面倒だったりします。

 

こういう厄介なことになったのは、

・ファイルのバックアップ

・ファイルの共有

・履歴の追跡

という複数の目的を、ぜんぶいっぺんにやろうとしたことが原因だったかもしれません。

そこで、それぞれの目的別に方法を変えることにしました。

 

・ファイルのバックアップは、ローカルサーバーをメインに使用する

・プロジェクトのメタファイルの共有には、GoogleDrive(無料版)を使う

・プロジェクトのメインファイルの共有と履歴の保管には GitHubを使う

 

つまりDropboxをやめてしまったわけで、このような仕組みに変えてみたところ、面倒なところも正直ありますが全般的に良い感じにはなっていきました。

Dropboxのデスクトップアプリがメモリを食いまくったりハングアップすることがなくなりましたし、何よりもファイルの安全性が高まりました。

 

さてこのような仕組みにした場合でも、オンラインストレージは必要です。

ファイルのバックアップは基本的にローカルのファイルサーバーで行っていて、そのサーバーもまた外付けのHDDにバックアップをとっています。

だからまず大丈夫だとは思いますが、たとえばもし、地震や火事などでサーバーもバックアップHDDもぶっ壊れたらどうする?

まあそのときはそのときで諦めようぜ、というのも立派なソリューションですし、個人的には良い方法ではありますが、それではお客さんが可愛そうです。

愛がなさすぎる。

なので、ローカルとはまた違う場所すなわち、外部のオンラインストレージにもバックアップをとっておくというのは大事なことだろうと思います。

 

そこで見つけたのが「MEGA」というオンラインストレージでした。

・2TBで月額1294円

・Dropboxのようなデスクトップアプリもある

 

この「MEGA」は、Dropboxより明らかに優れている点があります。

それは「パソコン内の同期領域を自由に設定できる」という点です。

Dropboxの場合は、同期場所は必ず「Dropbox」というフォルダの直下になってしまいます。

これが実は、案外面倒なことになる。

同期したいファイルのうち、ある種類のものはどうしても外付けのHDDでなければならない場合には、Dropboxだともう同期できません。

昔は「シンボリックリンク」というのが使えたのですが、今は使えないので諦めるしかありません。

それか大容量の外付けHDDにDropboxフォルダを置いて、あらゆるフォルダをそこに入れることになります。

そうなると、ファイル管理方法を根本的に変更しなくてはいけなくなります。

とにかく、融通が効かない。

 

その点、MEGAは同期したいフォルダを自由に、それも複数設定できるというメリットがあります。

1つめの同期タスクは外付けHDDで、2つめは「書類」フォルダで・・・というふうに、自由に設定できるのです。

これはかなり、便利です。

そして、Dropboxほどデスクトップアプリのメモリ使用量が高くありません。

むろん、大量のファイルを最初に同期するときはかなりメモリを食いますが、ある程度同期が終わればそれほどメモリを使用しないようでした。

Dropboxはもしかしたら、ファイルの同期を圧倒的に高速化するために大量のメモリを消費しているのかもしれません。

MEGAは若干同期速度が遅いようですが、使用に耐えられないほどではなく、むしろ「そこそこ速い」といって良いと思います。

あくまで「Dropboxと比べたら、同期速度は遅い」というだけの感じです。

ぼくは今回あくまでバックアップ先のひとつとしてMEGAを選んだので、同期速度はそれほど重視していません。

 

Dropboxはとても優秀なオンラインストレージなのですが、じつはその優秀さこそがDropboxの価値を下げている部分もあるんじゃないかな、と思います。

いろいろな人の要望を汲み取ろうとしたり、競合他社との差別化を図ろうとして、使い切れないほどの機能を追加しつづけています。

たとえば、パソコンでExcelなどのファイルを開くと「バッジ」というのが強制的について、誰が編集したかなどが表示される機能があります。

はっきり言ってこの機能はとても邪魔なので、わざわざこの機能をオフにしなければなりません。

また「Dropboxペーパー」という、Evernoteのようなクラウドノートの機能があったりして、これも一回も使ったことがありません。

その他、便利機能が多岐に渡りすぎて、それを学習することじたいに時間が割かれてしまい、不便に感じる。

便利にしようとしてやったことが、かえって「不便感」を助長している感じがしてしまいます。

これはDropboxに限ったことではなく、Evernoteもそうで、なんだかよくわからない機能を追加したせいなのか、起動が遅くなったり、使い勝手が逆に悪くなったりしていました。

こういったクラウドサービスというのは年をとるほどに複雑になっていって、かつてのシンプルさを失っていく傾向があるようです。

 

その点、MEGAはいまのところ、さわやかです。

重要な機能は抑えているけれども、余計な機能はあまりありません。

「わしゃあ、オンラインストレージじゃ。ファイルを保管したり、共有したりするのが仕事なんじゃ。チャラチャラした機能なんか持ってないんじゃ。なにが悪いんじゃ!」

みたいなかっこよさがありますね。

 

で、ふと気がついたのですが・・・

 

 

年を取るほどに複雑になっていって、

かつてのシンプルさを失っていく

 

 

ぎゃあああ!

あ痛あーッ!

痛いようーーッ!

 

それってさあ、よく考えたらさあ、おれのことじゃあねえかーー!

 

人間も、サービスも、若さの秘訣は「シンプルであること」かもしれませんね。

人の顔色ばかり気にしたり、ほかの人に勝とうとしたり、怒られないように予防線を張ったり、儲けることに必死になったりしていると、シンプルさがどんどん失われていく。

 

シンプルさが失われ、複雑になったとき、その存在は「老いた」といわれる。

シンプル・イズ・ベスト。

複雑なことはだいたい役に立たなくて、シンプルなことが結局いちばん、役に立つ。

 

  • ぽぽんた より:

    >愛がなさすぎる。

    これなんだよ。

    この ひとこと。
    こういう こと なんだよ。
    これ が すべて。って

    やさしいね。

    ほんと
    あなたは。

    ユニークで
    おもしろくて。

    すき (o^-‘)

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