ぼくはいま、モーレツに感動をしております。
通販でズボンを買ったのですが、モーレツに履きやすい!
エドウィンの「ハタラクロ」というズボンです。
伸びる!
正座もあぐらも、ヨガでもできる!
ズレない!
膝が出ない!
ホコリがつきにくい!
乾きやすい!
頑丈!
座っててラク!
軽い!
だらしなくない!
高くない!
ぼくは年季の入った在宅デスクワーカーで、普段はいつもジーパンを履いています。
それも綿100%のモノホンのヤツが好きで、リジッドといわれる真っ青の新品から履き慣らしていくことに強く執心しています。
もともと柔道をしていたせいで、柔道着と同じ材質である木綿に愛着があるのかもしれません。木綿愛。
ですが残念なことで、ジーパンはデスクワークには向いてないのです。
硬いし、伸びないから。
履けば履くほどアジが出るし、からだにも馴染んできて、丈夫で汚れも気にしなくていいから、良いズボンであるとは思います。
しかし硬いことで、座っていると下半身の血流を阻害する。
スキニージーンズを履いて引っ越し作業をしていた女性が、動脈瘤ができて緊急入院したという話も聞いたことがあります。
モノとしては大好きだし、愛してもいるのですが、いかんせんカラダには良くなかった。
まあ考えてみれば当然で、ジーンズはもともと肉体労働者用のズボンで、かなり大きなものを普段のズボンの上に防護服として履くものだったそうです。
防護服だから、丈夫で硬い。
そんなものを、ジャストサイズもしくはサイズダウンして履くとかいうのは、まあ言ってみればそのう、「アホ」がすることだったのかもしれません。
ジーンズで長時間椅子に座っていると、股関節あたりで血が止まる。
理屈だけでいえば、在宅ワークならダルンダルンのスェットでも良いわけです。
しかし、こういうことを言ったり考えたりしているひとは、たぶん年季が足りない。
そうではないのです。
自宅=仕事場でルームウェアのようなものを着て仕事をしていると、だんだん精神を病みはじめるんですね。
最初は良いのです、なんでも。
しかし1年、2年、5年、10年とそのようなことを続けていくと、確実に病む。
メリハリがないから仕事に集中できないとか、そんなこというのはドシロートです。
年季の入った鉄骨在宅ワーカーは、メリハリとかケジメみたいな精神論で仕事が滞るなど笑止千万。
寝間着だろうがスーツだろうが剣道着だろうがセクシーランジェリーだろうが、どのような格好をしていても同一の集中と効率を実現できてこそ、モノホンの在宅ワーカーであります。
集中と効率は、慣れによって維持はできるのです。
しかし問題は自己肯定感の維持とでもいうべきなのかもしれませんが、「だらしのない格好がおよぼす自身への影響」を回避することができないのです。
だらしない格好で日々仕事とプライベート、緊張と弛緩の混濁生活をつづけていくと、どんどんウツっぽくなっていってしまう。
べつにスーツを着てフォーマルにする必要まではないけど、「すこしシャレたカフェには行ける」ぐらいの格好はしておかないといけません。
ラフでもカジュアルでも別にかまわないが、ジャージやスェット、寝間着などのオフタイムの格好をしつづけていると、こころがオフタイムから出られなくなってしまう。
「ジャージやスポーツウェアのような自在性と、ある程度のフォーマル感」
ずっと探してきました。
スウェット地でできたスーツとか、登山用パンツとか、ストレッチパンツとか。
ユニクロでも何着かストレッチパンツを買いました。
でもただの1回たりとも「これだ!」というのに出会ったことがありませんでした。
結局、中途半端になってしまうんですね。
フォーマル要素を優先すると、どうやってもジャージほどにはラクにならない。
ストレッチって書いてあるくせに、そんなに伸びない。
いや、そんなのなら、もうジーパンでいいわ。一緒だわ。
いっぽう楽さを優先すると腰回りがヒモとかゴムになったりして、ジャージ感がひどくなる。
いや、それをやっちまうんだったら、もうほんとうにジャージでいいわ。
もう……なんなん?
あと、黒や濃紺などのストレッチパンツを買うと、最初こそキレイなのですが、とにかくホコリがビッシリつくのです。
ストレッチ素材の宿命なのでしょうか、静電気が起きやすいようで、ひどい汚れ方をします。
毎回着るたびに「コロコロ」でホコリをとらないといけない。
こういうのが面倒だから、ついジーンズを履いてしまうというのもあります。
やっと見つけたので、うれしくなってこの記事を書きました。
見た目はチノパンっぽいですが、びっくりするぐらい生地が伸びて、スエットよりも楽かもしれない。
じっさい、スエットのパンツと履き比べてみましたが、この「ハタラクロ」のほうが関節がよく動きますね。
これはもうスポーツウェアといっても良いのではないでしょうか。
そして、どういうわけか、あまりホコリがつかないのです。
真っ黒だからヤバいんじゃないかと思うんですが、意外とつかない。
どういう技術なんだろう。
一点だけ残念というか、惜しいのは「生地が薄い」ということぐらいですね。
全然ペラペラとかではなく、そこそこしっかりしているんですが、ジーンズでいえば10オンスぐらいのライトオンスな感じです。
なので真冬はキツイと思う。
まあその代わりによく伸びるので、下にタイツなどを楽に履けるから、これはこれで良いのかもしれませんが。
というか、もともと立ち仕事とか動き回る仕事のひとのために設計されたものだから、分厚いと真夏に地獄になるし、通気性も悪化しますから、これはこういうものなのだと思います。
ほんとうは「袴」を履きたいんですけどね。
フトモモやコカンが「完全フリー」なので。通気性の権化であります。
あれでデスクワークしたら、快適なんだよなー。
でも最近の日本では日本人が日本の袴を日常的に履くことを許さぬ謎の雰囲気があります。
袴を履いて近所のスーパーとかに行ったら、
「なんなん? アイツ」
っていう、好奇の目で見られますからね。
どういうことやねん。
なんで日本人が日本の伝統衣装を着て、変人扱いをされんとあかんねん。
……なんていう文句は、この「ハタラクロ」のおかげで、当分封印できそうです。