怒りと筋トレ

いますこし反省をしている。

たまたま庭に出たところ、作業服を着たお兄さんが、声をかけてきた。

「近所で清掃をすることになっておりまして、もしかしたらご迷惑をかけるかもしれませんが・・・」

地域で大きな音を出す作業がある場合などに、業者さんが事前告知をしくれることがある。

なんとも丁寧なことで、こういうふうにちゃんと挨拶に来てくれるのはりっぱだと思う。

今回もそれだと思ってニコヤカに対応た。

「ええ、結構ですよ。ぼくは音は平気なもんで、ご丁寧にありがとうございます」

それで話は終わるはずだった。

しかしお兄さんは、

「ところで・・・」

と話を続けるのだった。

「ところで、お宅の屋根をたまたま拝見したんですけどね、クギが出ちゃってんるんですよ、ホラ」

上のほうを指差すので、そちらを見上げたものの、ぼくの位置からは何も見えない。

「そうなんですかね」

「ええ、これ放置しておくと雨漏りとかになるんで、修理したほうがいいですよ」

 

ピンときた。

以前も似たようなひとがきて、似たようなことを言っていた。

これはいわゆる、訪問営業だ。

全然別件の挨拶に来たと思わせておいて、「たまたま発見したのですが」といって、お宅は壊れているからウチに修理させてください、というストーリーで営業をする。

ぼくには、この世でとくにキライな人種がいる。

ウソをつくヤツと、頭の悪いヤツである。

まず、「近所で清掃がある」というウソをついた。

そして、こんなに手垢にまみれた古臭い営業手法をとるというアホなことをする。

よってぼくは、怒った。

 

怒ったが、ぼくもいちおう、大人なのだ。

営業だということはわかったので、はあ〜、そうですか〜、なるほどね〜、へぇ〜、と、うなぎ的ヌルヌル戦法を用い、「でしたらまたチェックしときますね、ちょっと今立て込んでるもんで」といって曖昧のうちに逃げようとた。

しかし案外、兄ちゃんはしつこかった。

そこから2分間ほど、放置するとどうなるかということと、近所の事例などを、ペラペラペラペラとしゃべりつづけた。

ぼくには、この世でとくにキライな人種がいる。

話が長いヤツである。

よってぼくは、怒った。

 

「営業しに来たんか?」

 

質問すると、その質問に対してお兄さんは「エヘヘ」的なニタリ顔をしただけで明確に答えず、さらに話を続けていった。

ぼくには、この世でとくにキライな人種がいる。

話を聞かないやつと、ニタニタしたヤツである。

よってぼくは、怒った。

 

「答えんか!!!」

 

つい声のボリュームが上がってしまった。

「近所で清掃があるんやろうが! ならいまぐ急いで行け! こんなとろこで無駄話をして、お客さんに迷惑をかけるんか!」

兄ちゃんはそれでも「エヘヘ」とニタるのである。

ぼくには、この世でとくにキライな人種がいる。

それは(以下略)

 

「帰れっ!!!!」

突如「こわいほうの顔」になって、クワッと叫んでしまったのだった。

やっとお兄さんは、逃げるように帰ってくれた。

 

まあ話としては、しつこい営業訪問を追っ払っただけなので、どうでも良い話ではある。

しかしぼくは、反省をした。

「こんなしょうもないことで、怒ってしまった」

じつは、心当たりがあるのである。

ぼくは最近筋トレを続けている。

筋トレをつづけていくと、一時的にこういうふうになることがあるのである。

たぶん男性ホルモンが一時的に急激に増えて、あからさまに気が強くなって攻撃的になるのだと思う。

ある意味生理的なことでもあるから、致し方ないともいえるが、あまり良いことではない。

今回の件はぼくの大得意「うなぎ的ヌルヌル戦法」を、もうすこし根気よく続けていくべきだったと思う。

 

あのお兄さんも、たぶん頭が悪い社長に命令されて、むりやりやらされているのである。

だから訪問先で怒鳴られるのはきっと心外にちがいない。

まあ怒鳴られて凹んだり傷ついたりするようなタマならこんな営業もしないだろうから別に良いのだが、それでもやっぱり怒鳴られて喜ぶようなマゾは少ない。

執拗な牛乳配達を強硬に断ったら、逆恨みされて家に火をつけられたという事件もあった。

断るのは当然の権利だが、威嚇して恨みを買うのは賢い方法ではない。

必要なことは「断る」ことなのであって、決して威嚇ではない。

目的遂行のために、安易に怒りや威嚇を使うのは、ソリューションとして未熟なのである。

 

とくに筋トレを開始して1〜2週間は、ゆっくりペースでやっていかないといけない。

ぼくはこれを反省したのだった。

きゅうにやるから男性ホルモンがどばーっと出て、クワーっとなるのである。

徐々に増えれば、こういうことはない。

わかっていたのに、やっちまったなあ。

気をつけよう。

 

 

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