それは風邪気味なのでは?

ぼくは自分の体調不良を自律神経失調症だと考えてきた。

あるいは男性更年期障害ではないかとも疑ってきた。

長らくパニック障害を患っていたこともあって、自分には神経系統の不具合があるのではないかと考える。

そしてそのような神経系統の不具合を調べたり医者にかかると、必ず到達する語句がある。

「ストレス」

恒常的にストレスに晒されていると自律神経に不調和をきたすことが多いというのである。

しかしここで、ぼくはいつもつまずく。

別にストレスなどとくに感じていないからである。

しかしお医者さんもネットも口を揃えて「おまえはストレスを抱えている」というのである。

ううむ。

どうにも腑に落ちない。

まあ確かに、ぼくには多少真面目なところがある。

そして真面目な人こそストレスを抱えやすいという。

そう言われてしまうと、ううむ、やはり自分が自覚していないだけで、ぼくはほんとうはストレスを抱えているのだろうか、と考えてしまう。

 

しかしやはりどう考えても、普段の生活でそれほど強いストレスは感じていないのである。

だってぼくは個人事業主だから、イヤなやつとはすっぱりと縁を切るし、イヤな仕事はすっぱりと断るからである。

そして仕事自体はほんとうに好きなことをやっていて、仕事がイヤだと感じたこともほとんどない。

昼間っから風呂に入っても、あるいは全裸で仕事をしても、だあれにも怒られない。

時間も勤務スタイルもそこそこ自由なのである。

これでストレスがあるとしたら、もはやこの世のナゾなのではないか。

サラリーマンなら、会社にイヤな上司や同僚がいたとしても、あるいは気の進まない仕事であったとしても、辛抱を余儀なくされることは多々あるだろう。

というか、辛抱するのも仕事のうち、みたいなところもあるはずである。

しかし、ぼくは「いやだな」と思うことはキッパリとやらないことにしている。

だってサラッリーマンならその辛抱の代償として退職金が得られるのかもしれないが、ぼくは個人事業主だからもらえない。

いらぬストレスで体調不良を起こして、それで仕事が止まるほうが大問題である。

だからぼくはカネにならぬ辛抱は一切やらない。そう決めておかないと、個人事業主は割が合わないのである。

 

ハッキリ言ってしまえば、この体調不良こそが我が人生で最大のストレスなのだ。

きゅうに動悸がしたり、のぼせるような感覚があったり、ふらつくような感じがあったり、気管支に違和感を感じたりする。

弱い喘息のような症状があったり、息苦しさを感じたり、立ちくらみを起こすこともある。

ああ、腹が立つ。

ほかにとくに心配事やストレスがないぶん、この体調不良がむちゃくちゃ目立つというのもある。

これさえなければ、もっとこの好きな仕事ができるのに。

 

この世紀の謎を解こうと試みて、長年ヨガや座禅もやっている。

酒もやめ、「自律」を旨とし、規則正しい生活を送るよう心がけた。

そのような生活を4年以上続けたところ、ぼくの生活はもはや修道僧のようになった。

朝の5時には起床し、掃除をし、仕事は基本的に午前中で終わらせ、午後からの時間は読書や瞑想に費やすか、昼寝をしている。

食事はバランスを考慮し少食で菜食主体にし、1日に最低でも6000歩は歩き、ときに筋力トレーニングも行う。

夜は9時に寝て、寝る前にはヨガと呼吸法は欠かさない。

ここまでやっても、全然治らないのである。

4年間、まるで修道僧のような生活を送っても、なんにも変わらないのである。

いや、正確に言えば、体調そのものはすこぶる良くなっている。

あたりまえである。

ここまで自律的で質実剛健な生活を行えば、体調自体は良くなるに決まっている。

しかし、肝心の自律神経系の不具合がなかなか改善しないのである。

ぼくはもともとかなり気の長いところがあるのだが、そんなぼくでもそのうちキレてしまいそうになる。

「もう、どうしたらいいんだっ!」

 

最近、ふと気がついたのである。

ぼくは長年、この体調不良を自律神経失調症だと考えてきたが、それが間違っていたのではないか?

医者にそう言われたからすなおにそう信じたが、じつは違っていたのではないか?

難しく考えすぎていたのではないか?

というのも、たまに行う「昼寝」によって大幅に体調が変わることがあり、そこに法則性があることを発見したからである。

 

基本的に、昼寝をすると俄然体調が良くなることが多い。

頭が冴え、気分が明るくなり、元気になって、体力が向上し、上機嫌になる。

とくに天気が良ければさらにその度合はいや増して、るんるん気分になる。

そのような状態で散歩に行けば、思わず

「るんるんなの〜、ぼく〜、るんるんなの〜、」

と発言してしまいそうになるぐらいである。

むろん、50ヅラを下げたオッサンがほんとうに「るんるん」と言いながら歩いていると通報される危険性があるし、そこまで行かずともすれ違った住民に多少の不安を与える可能性があるので、絶対に言わない。

できる限りふつうの顔をしてスーと歩くようにしている。

 

いっぽう、同じように昼寝をしたのに、体調が悪化することがある。

動悸やのぼせ、息苦しさ、立ちくらみなどが、マシになるどころか多発するのである。

おかしい。

同じような時刻、同じ場所で、同じぐらいの時間だけ昼寝をしたのに、なぜこのような真逆のことになるのだろうか。

 

単純だった。

ソファに寝転んで昼寝をするときに、毛布などをかぶっていたか、いなかったか、の違いだったのである。

僕は基本的に、あまり寒さを感じにくい体質である。

よく冷え性などのひとは夜布団に入っても寒くて眠れないというが、その逆である。

冬に手足が冷えていたとしても、布団に入って横になれば5分以内に手足が暖かくなってくるし、時には足が熱くて布団の外に出してしまうぐらいである。

そんなだから、ソファで横になるときにも、毛布などをかぶらないことが多い。

Netflixなどを観ながらウトウトしはじめたとき、多少の冷えを感じることがある。

そんなとき、

「あー。毛布かぶったほうが、いーんだろーなー。あー。」

とは、たしかに思う。

思うが、べつに寒いということでもないから「めんどくせえな」が勝ってしまって、結局ま、いっか、となる。

で、そのまま「ンガー!」と寝てしまうのである。

たまにそのまま1時間以上眠ってしまうこともある。

 

考えてみれば、この真冬に、いくら暖房をしているといっても毛布もかぶらずソファでごろ寝すれば、だれでも風邪を引くものなのではないのだろうか。

真夏であっても、場合によっては風邪を引くのではないか。

しかしぼくは、しょっちゅうそういうことをしてしまうのである。

着の身着のままで、革の冷たいソファの上でスピースピーと眠ってしまう。

発見したのは、「毛布をかぶらずに昼寝をしたときに、自律神経の調子がおかしくなる」ということだったのである。

 

風呂上がりの行動にも似たところがある。

風呂上がりのあとヨガなどをしてから、寝る前に長時間パソコンを触っていても同じようなことになる。

とくにネットで買い物をしたり、ネットサーフィンなどをしていたら、翌朝起きてから無性に自律神経の具合が悪くなるのである。

寝る前にパソコンやスマホを触ると神経が興奮して自律神経に良くない、という話はよく聞く。

しかしぼくの場合は神経の興奮の問題ではなく、単純に「湯冷め」が問題だったようである。

その証拠に、布団に入って横になりながらパソコンで映画などを観ていても、とくに問題はないからである。

椅子に座ってパソコン作業のようなことをしていたときに限って、おかしくなるようである。

考えてみれば、いくら厚着をしていたとしても風呂上がりにうすら寒い寝室でじっと座ってパソコンをコチコチやっていたら、風邪を引くのではないか。

とくに風呂上がりにヨガなんかすれば血行はさらに良くなって、毛細血管が必要以上に開く。

毛細血管が開いて血行が旺盛になるということは、体熱も失いやすくなるということである。

そんな状態で真冬の寝室で1時間以上ネットサーフィンをするなど、「風邪を引くための努力をしている」といっても過言ではあるまい。

これは真夏であっても、同じことがいえるのだろう。

 

「自律神経が……」じゃ、ねえよ!

 

「風邪ぎみ」だったのかもしれないのである。

くしゃみ、鼻水、咳、発熱などの症状は確かに出ない。

そのかわりに、動悸やふらつきなどの症状が出る。

考えてみれば風邪の引きかけのときは、だれでもそのような症状が出るものである。

とくに動悸は体熱を上昇させて免疫力を高めるための防衛反応であるという。

通常はそのような動悸などの経過を経て、それでも雑菌を退治することができなかった場合に、本格的な風邪の症状(排泄反応)が出るのである。

しかし、風邪気味の初期症状だけでコトが済んでしまったら、明確な風邪の症状は出ずに終わってしまう。

 

長年ヨガや規則正しい生活をしてきたことが仇になっているところもあるのかもしれない。

とにかく、ぼくは普段から風邪らしい風邪を引かないのである。

一瞬おかしいな、と思っても、1時間もすれば治ってしまう。

そのかわり、ある意味しょっちゅう風邪を引いているともいえるのである。

ごくごく短い時間の風邪を、頻繁に繰り返している。

この状態をして「自律神経失調症」と考えていたのかもしれない。

一般的によく言われる「風邪を引かない行動」をしていれば(昼寝をするときや風呂上がりには布団をかぶるなど)、とくにそのような症状が出ないのである。

つまり、風邪を引かない行動をしていれば、風邪気味になることもない。

へんに長年「からだにいいことを」をしてきたせいで、動悸などの初期防衛反応だけで風邪が終わってしまうのかもしれない。

そんなだから、よけいに風邪を引くような行動に無防備になっている。

 

そんなところで昼寝してたら、風邪引くわよっ!

 

あのオカーチャンの小言は、やっぱり正しかったのだ。

やはりこの世の真理とは眼横鼻直、至極当然のことが多いのかもしれないなあ。

 

うたた寝と、風呂上がりには、注意しないといけない。

その状態は血管が開いて体熱が奪われやすくなっていて、だれでも風邪を引きやすくなる。

体調が悪いひとは、その状態で冷えると本格的な風邪を引く。

しかしそこそこ体力があるひとは、いわゆる風邪こそ引かないものの、風邪気味になって防衛反応としての自律神経系反応を頻繁に感じるようになる。

のかもしれない。

 

まあそんな屁理屈は横においといて、強く反省したのである。

ええトシこいて、風邪引くようなことしてんじゃねえぞ。

この、ばかちんが!

 

 

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