カパの増悪を防げ。

結局パニック障害は、アーユルヴェーダでいえば「カパ」の増悪によるものだと思うのです。

カパというのは、元素でいうと水や土に類似するエネルギーのことで、以下のような特性があるそうです。

・重い
・冷たい
・油っこい
・甘い
・安定
・緩慢
・粘着
などなど。

 

パニック障害になりやすい人というのは、若い女性が非常に多いのだそうです。

ここで「若い」と「女性」を、分けて考えてみる。

まず若い人は、体力も代謝も高いので、火や風の属性であるピッタやヴァータが多いということです。

女性ということは、水分が多く、冷たく、重い傾向があり、カパの傾向も強いということです。

聞くところによると、女性らしい女性ほど、パニック障害になりやすいという話もあります。

 

ピッタやヴァータが高いひとが、増悪したカパを持っている。

この場合に、パニックが出るのでは、と思うのです。

体力も代謝も高いと、増悪した余剰エネルギーを燃焼させようという反応も強いのだと思います。

何らかの理由で冷たく、重く、粘性の「カパのエネルギー」が必要以上に増悪してしまった場合、これを排除しよう、燃焼して消してしまおうという反応が強く出るのかもしれません。

カパのエネルギーは、多すぎると「うつ」になるのだそうです。

燃やすエネルギーが少ない、つまりピッタとヴァータのエネルギーが弱いひとのばあい、増悪したカパのエネルギーをモロに受け入れてしまって、ウツになっていくのかもしれません。

いっぽう、ピッタとヴァータのエネルギーが強い体質の人の場合は、これに必死で抵抗しようとする。

抵抗できるエネルギーを持っているから、抵抗しようとするのです。

それが、発作の正体なのではないか。

だからあんなに、暴れそうな、じっとしていられない、燃えるような、怒涛のような、そんな反射が起こるのではないでしょうか。

 

パニック障害を長いこと経験していると、「これはウツの一種だ」ということに気がつくことがあります。

パニックもウツも、おそらく根本原因は同じなのだと思います。

その原因への「反応のちがい」が、ウツになるか、パニック障害になるかの分水嶺かもしれません。

 

カパの増悪。

これが根っこの原因なのではないか、と思うのです。

 

逆にカパを「増悪」させるために必要なのは、以下のようなことなのだそうです。

・運動不足、じっとしていることが多い
・過剰なストレス
・怠惰
・甘い物の過剰摂取
・油っこいものの過剰摂取
・冷たい水分の過剰摂取
・あまりしゃべらない
・変化のない生活、刺激のない生活
・長い間考え事をする、悩む
・恨む
・笑わない

重い、冷たい、油っこい、甘い、安定、緩慢、粘着……そんな性質を持つ行為をしたり、食べたり飲んだりすると、カパが増加していくのだそうです。

増悪したエネルギーを、アーユルヴェーダでは「アーマ」という毒だといいます。

 

生まれ持っての体質的に、ピッタやヴァータが優勢な人というのはいます。

基本的には陽気で、社交性が高く、活動的で、よく動き、しゃべり、頭の回転も、動作も行動も決断も速い。

パニック障害になる人というのは、じつはそういう人が多いそうなのです。

つまり、ピッタやヴァータが、そもそも多いタイプ。

 

生来的にピッタ・ヴァータが多いということは「持って生まれたカパの許容量が少ない」ともいえると思います。

平均よりも、早くカパの容量が満杯になってしまう。

つまりカパに弱い。

だから運動不足をしたり、甘いものを常食したり、冷やしすぎたり、ストレスを長く受けたりすると、ほかの人よりも一気にカパが満杯になってしまい、アーマもたくさん生まれてしまうのかもしれません。

これを解決するには、基本的には2通りしかないと思われます。

A カパをへらす
B カパ・アーマを燃焼させる

Aは、食生活や生活スタイルを見直すことだと思います。これは、一般的によく言われています。

甘いもの、油っこいもの、冷たいものを過剰に常食しない、食べすぎない、同じ場所に長時間じっとしていない、暗い・哀しい物語に過剰に入れ込まない、冷やさない、暗い、狭い場所に長時間居座らない、夜の気を受けすぎない(夜更かしをしない)、ストレスをへらす努力をする、難しいことを考えすぎない、恨まない、よく笑う。などなど。

Bは、おそらくこれこそが「運動」なのだと思います。

それもすこし、強度が高い運動。

このAB両方を攻めていけば、早々にアーマは燃え尽き、解毒されるのではないでしょうか。

 

そこそこ強めの運動をするようになると、パニック障害が劇的に改善した。

これはよく聞く話でもありますし、医学的な裏付けもあり、ぼくじしんも何度か経験しています。

すくなくとも、静的なヨーガや瞑想、呼吸法では、根本的な何かがどうしても解決しないのです。

しかしちょっと汗をかき、すこし息が上がる程度の、ややシンドめの運動をすると、俄然いろいろな不具合が直り、不安や恐怖などが格段に減っていきます。

 

ただ、ピッタ・ヴァータが高いひとは、運動については少し注意が必要かもしれません。

ぼくは何度か経験しましたが、強度の高い運動を数ヶ月も継続してやり続けると —— つまり、やりすぎると —— 、日常的にソワソワや焦燥感、不安感が強くなってしまうのです。

最初の頃は、絶好調なのですが、途中から急に、おかしくなってくる。

場合によっては、パニック発作がぶり返すことがあります。

どうやら、ピッタ・ヴァータが高いひとは運動をあまりやりすぎると、落ち着きを失ってしまうのだそうです。

そして、ピッタ・ヴァータのひとは、基本的に疲れやすい。

だから過剰に運動をすると極度の疲労を覚えやすく、かえって活動量が減ってしまうのですね。

おなかが異様に減って食欲に火が付き、ものすごくたくさん食べたりするようになります。

甘いもの、冷たいものも、たくさん摂取してしまいがち。

そうなると、かえってまたカパが増大し、増悪するきっかけになってしまいます。

なので、運動は「したいと思ったときに、体力の50%まで」が良さそうです。

絶叫怒号の汗まみれ、限界突破の熱血気合などということをしてよいのは、カパの多い人だけなんだそうです。

ふだんは元気なくせに、いがいと体力はない。

それがピッタ・ヴァータの特性なので、ここは注意が必要のようです。

 

パニック障害の人が感じる不安や恐怖というのは、原因不明ではないのかもしれないです。

それは溢れてきたカパエネルギーが腐って悪化した「カパ・アーマ」への、拒絶反応なのかもしれません。

暗く、黒く、重たく、ねばつく、湿気た、動かないエネルギー。

このイメージは「死」。

この毒を恐れ、排除しよう、浄化しようという、活発な心身の反応こそが、じつは発作なのかもしれません。

 

結局の所、アーユルヴェーダも、現代医学も、言っていることはほぼ同じなのですね。

アプローチの仕方が異なっているだけ。

・すこしだけ強めの運動をする習慣をつけましょう。
・ストレスを減らす工夫をしましょう。
・気分転換をしましょう。
・バランスの良い食事を、腹八分目にしましょう。
・夜更かしをせず、規則正しい生活をこころがけましょう。

 

カパを増やさない生活。

カパを燃やし尽くす生活。

これは、神経云々、病気云々だけでなく、心地よい生活にはどうしても必要なことですね。

とくに、ピッタとヴァータが強いひとには。

 

 

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