不安は無知から

母の具合が、かなり悪いんですよね。

ぼくと同じような症状で、あたまがふらつく、息苦しい、というのがあるようです。

それに加えて食欲が無い、眠れない、とても疲れるというのもある。

なんか二人同時に同じような症状になるというのも、親子だなあと思います。

ただ母は年齢も80歳なので、心配です。

 

母はわけあっていま、少し離れたところに住んでいます。

べつに離婚の危機とかそういうのではなく、遺産相続関係でどうしてもそちらにいなければならないということです。

母はいま、マンションで一人暮らしなのです。

最近具合がさらに悪いようで、電話がかかってきました。

電話を受けた父はやや青ざめて、こういうのです。

「いかんな。血圧が180を超えたらしい。だいぶしんどそうだから、今から向こうへ行ってくる!」

急いで家を飛び出していきました。

ぼくもたいへん、不安になりました。

血圧が180を超えるなんて、正常は140ぐらいだったと思うから、ヤバいんじゃないか。

その後病院に行って診察を受けましたが、原因はわからないとのことでした。

点滴を受けて帰宅し、母はずいぶん落ち込んでいました。

電話口で話していると、

「もう、ボロボロやわ……血圧も下がらんし、食欲もないし、もうアカンかもしれん……」

蚊の泣くような声でつぶやくのです。

 

ぼくはフト思い立って、血圧について調べてみたのでした。

すると、ある記事を発見しました。

https://toyokeizai.net/articles/-/165192?page=2

つまり、血圧の「基準値」というのは、かなり変動しているというのですね。

ズバリ、高血圧症の犯人は「基準値」です。高血圧症の判断となる基準値は、2000年までは実質、収縮期(上)が180mmHgでした。つまり170台の人でも「正常」であるとされていたのです。ところが驚くことに、2008年までのわずか8年の間に基準値が50下げられて、130mmHgになったのです(特定健診・特定保健指導)。

 

もし2000年に母が血圧を測っていたら、「ちょっと血圧が高めですね」程度で済んでいたのです。

しかし2019年のいまだと、血圧180というのは「ひどい高血圧」になるわけです。

 

母はいったい、何を基準に落ち込んでいたのだろうか。

さっそく母に連絡して、血圧が180というのは、20年前なら大した問題ではなかったということを伝えました。

すると母は、あの蚊の泣くような声から一点、きゅうに元気なトラみたいな大声に戻って、

「あら、そうなの!? 昔なら高血圧じゃなかったとね! あら!」

ものすごく元気になったのでした。

「オカンはさいきん、フラフラして食欲ないだろう」

「そうよ」

「で、夜もあんまり眠れんやろ」

「そうなんよ」

「歩くのもしんどくて、外に出る気がせんだろう」

「あんた、ようわかるねえ。なんでわかると?」

「それな、血圧のせいやなくて、たぶん『血圧が高いと思ってショックを受けてる』だけやと思うぞ」

「そうなんよ! 血圧計で毎日測っても全然下がらんから、気になって眠れんのよ」

「夜ちゃんと眠れんかったら、40歳のオバサンでもシンドイし、食欲ないし、フラフラするわいな。オカン80のババやろ?」

「ははは! そりゃそうや!」

母は「20年前になら180は正常範囲だった」という情報を聞いただけで、ものすごく元気になったのでした。

 

不安というのは、無知からくるところもあるんですね。

じつはぼくも、自分の血圧を心配していたのです。

158とか、160とか、ボウリングならかなりの上級者の数値を叩き出すものだから、ぼくはけっこう落ち込んでいたのです。

いっしょうけんめい塩分を減らした生活もしていました。

しかし1週間ほどそういう生活をつづけると、異様に元気がなくなっていったのです。

それに「血圧を気にすることがストレスになって、さらに血圧が上がる」というのもわかりました。

ぼくは血圧計をしまいこんで、測るのをやめ、メシも好きなものを食うようにしました。

すると、ふつうに元気になっていきました。

 

ぼくも「無知」によって、不安になっていたのです。

血圧は140を切らないとダメなんだ、それより10も20も高いぼくは重度の高血圧症なんだ、病院に行かなくちゃいけないんだと、かなり落ち込んだのです。

しかし、もし20年前に同じ数値が出ていても、ぼくはまったく気にしなかったと思います。

「ま、こんなもんだな」

で終わっていたのです。

 

この血圧の基準値については、お医者さんの間でも賛否両論があるようです。

あまりにも厳しすぎるのではないか、ということで。

だってこの数値が基準だと、60歳以上の人の80%が「高血圧症」になってしまうからです。

それはいくらなんでも、数値に無理があるのではないか、と。

また、一部では陰謀論さえ囁かれているようです。

このように数値を厳しくすれば病人が増えるわけで、そうすると医療費が増える。

結果、税金として政府にもカネが入ることになる、というような……。

 

陰謀論についてはわかりませんが、ひとつだけ確実に言えることがあります。

「数値を気にしても、血圧は下がらない」

むしろ、気にすれば血圧は上昇する傾向があります。

20年前には正常範囲だったものが、今は異常である。

ぼくは、このことじたいが「異常」だと思います。

人間自体は、とくに何も変わっていないのです。

なのに、数値が変わっただけで異常者が増えるというのは、それこそが甚大なる異常です。

 

ぼくたちが抱えている、不安。

もしかすると、歴史も含めてちゃんと調べていくと、昔は異常でもなんでもなかったということもけっこうあるのかもしれません。

不安は、無知から起こることもある。

 

あと、ひとつ思ったのは、

「先生は何をしているんだろうか」

ということです。

ぼくは、お医者さんというのは「患者を安心させてあげる」のも大事な仕事だと思うのです。

 

とくに、相手は80を越えたババアなのです。

もちろん、あまり油断させてしまうのもどうかとは思うけど、過剰に心配させて、そのストレスで弱らせるということをして、罪悪感はないのだろうか。

「気にするな」ということを口先だけで言うのではなく、「どう言えばこの人は安心するだろうか」ということも、少しは考えてほしいものです。

それは苦手だ、というのなら、厳しい言い方をすると職務怠慢だと思うし医者に向いてないとも思う。

病気の多くは、安心することで改善するといいます。

お医者さんの多くは、毎日たくさんの患者さんを相手にしていて激務だろうし、大変なお仕事だろうから、責めようなんてことは全く思いません。

でもあともう少しだけでも「安心を処方してくれる」お医者さんが増えてくれたらなと、切に願います。

患者によっては、最先端の技術や医薬品よりも「だいじょうぶですよ」の一言のほうが効く場合もあるのですから。

 

 

  • ぽぽんた より:

    http://karadajiku.livedoor.blog/search?q=%E9%AB%98%E8%A1%80%E5%9C%A7
    http://karadajiku.livedoor.blog/archives/16372342.html

    >高齢の方が降圧剤使うと、、脳に血が行かなくなり「痴呆症」になる。

    という 記述 も。
    そして 一昨日ですけど これ 読んで

    http://karadajiku.livedoor.blog/archives/18474434.html
    >一生痛みと付き合わないとだめだ

    ひどいこと 言うよなあ… 医者。 とか
    わたしも おもって いました。˘ ˘ゝ

  • TERA TERA より:

    コメントありがとうございます。

    降圧剤を使うと痴呆症に……怖いですね!

    でもこの説は賛否両論あるみたいですよ。
    https://www.news-postseven.com/archives/20161216_475187.html

    なんでもやりすぎたらダメだってことなんだと思います。あたりまえですけど。
    親父は降圧剤飲んでますけど、全然痴呆とかにはなってないですね。
    こういう記事もまた「脅し」なので、悪徳な医者と似たり寄ったりかな、と思います。

    プレシャール結節についても、治療法は全くないわけではないみたいです。
    https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3377

    おそらく、この記事を書いた時点では、治療法がなかったのかもしれません。
    それなら、べつにお医者さんはひどくないですね。
    一生痛みと付き合わなくちゃいけないっていうのも(当時は)ウソではないですから、むしろ誠意ある対応かもしれません。

    せっかくご紹介いただいたのに申し訳ないのですが、ウソがつけない性分ゆえ正直に書かせていただきます。

    http://karadajiku.livedoor.blog/ このサイトは、ちょっと思想的に偏った過激な意見が多いですね。

    ソースコードを見ているとかなりアフィリエイトに力点を置いているようなので、ここの記事は「広告である」と思って読んだほうがいいと思います。

    また各記事の結論に明確なエビデンスがなく、確証バイアスだけで情報を蓄積している傾向があります。

    現世否定の傾向も強く、否定を強調するワードが頻出していますから、真剣に読むと「ことばで心をやられる」可能性もありますね。
    影響を受けやすいぼくは、このサイトは読まないようにしておきます。

    (せっかくご紹介いただいたのに、すみません。でもウソついて「いいですね」っていうのは、どうもできない性格ゆえ、ご容赦くださいませ)

    • ぽぽんた より:

      率直に 書いてくださって ありがとう。

      あちらのサイト リンク 貼るに あたって
      どうかなあ 
      つよく 感じられ過ぎる かなあ みたいな
      じつは おもわないこともなかった のですけど。
      さらっと 大事なとこ というか なにか 
      ポイント でも 参考になれば 程度に。
      だいじょぶかな て。˘ ˘ゝ

      【ブシャール結節に対する治療】の記事は
      2015年 もしくは 2016年 のものですね。
      あの 女性が あのように言われた のは
      2年前 乃至 わりと最近 と思われますので。
      やはり。
      その 医者 は そうした 最新の手術法 
      について 不勉強 無知 であった かと。

      ともあれ。
      自分 で 自分を 守る ということの
      重要さ は 変わらない。

      誰 に 何と 言われようと。

      受け止め方 判断 も それぞれ。

      不安に 感じるもの なら
      遠ざける のも 勿論 正しい。

      そして 出来るかぎり
      可能性 を もとめて。
      あきらめずに。
      探す 求める こと も。

      てらちゃんの 選択 も 尤も です。

      正直に。

      伝えて くださった こと。
      ほんとうに ありがたい というか
      うれしい すばらしい こと
      態度 なのだ と おもいます。

      ちょっと … ごめんね。˘ ω ˘*ゝ

      でも だから やっぱり。

      ありがとう。(_ _)*

      • TERA TERA より:

        ぽぽんたさんが心の広いかたでよかったです。
        お気を悪くされたらどうしよう、とか思っていたんですが・・・

        > 自分で自分を守るということの重要さは変わらない。

        ほんとにそのとおりだと思います。
        その意味でも、正しい知識はつけていきたいなあと思います。

        ネットのいいところでもあり、わるいところは、自由なんですよね。
        だから明らかに誤っている情報や古すぎる情報でも、パブリッシュできてしまい、Webサイトという形態をとっていると信憑性まで出てしまうんですね。
        Webサイトを扱う仕事をしているだけに、情報にはちょっと神経質になりすぎているところはあるかもしれません。

        • ぽぽんた より:

          ちょっと 身体に 痛みが 出て。
          足の指 たった一本のこと なのですけど。
          PC 観るのも なにか
          突き刺さる ように 感じられて。
          まるまる 5日 かな。
          自然と
          デジタルデトックス状態 に
          なってしまってました …

          いろいろ。いっぱい。
          かんがえました。

          じぶん の 道 が
          やっぱり
          いちばん
          だいじ だよ。
          てらちゃん。

          おたがいに。

          ゆこうね って。

          てらちゃん は
          まっすぐ で
          りっぱ だから。

          あらためて。
          おれい
          いいたくて。

          ありがとう。

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