おっさん全開でいこう

更年期障害になりやすい人って、「いつまでも若くありたい」っていう思いが強いひとがなりやすいそうです。

いわば、老いに対して強い拒否感があるひと。

 

ぼくはどうも男性更年期障害の可能性が高いんだけど、どうなんだろうかなあ。

べつに若くありたいなんて、あまり思ってないと思うんだけど。

まあもちろん、若くありたいと全く思ってないわけではないですけどね。

そんなに強い意識のような気はしない。

まあ少なくとも、きれいに年とりたいなとは思ってる。

 

……ってことを書いてしまうことじたいが、「若くありたい」って思ってる証拠かもしれないですね。

じぶんの身の回りの同年代から少し先輩ぐらいの人たちを思い浮かべてみたんだけど、ほとんど全員、

「おっさん全開」

で行ってるんですよね。

じぶんがオッサン化していることについて、なにひとつ恥じ入っていない。

堂々としてる。

わしゃオッサンじゃあ! なにがわるいんじゃあ!

っていうような。

そういうひとはみんな、だいたい元気です。

 

きれいに年とりたいとか、そーゆーこと言ってる時点で「老いを拒否してる」んじゃないの。

この、小心者め。

老いることを拒否するなんて、てんでまったく、だめ人間だよなあ。

あたりまえのことなのに、それを食い止めたいだなんて。

 

全然別の角度から考えてみたんですよね。

ギャップ効果

という視点から。

 

ふつう、若くありたいと思うなら、若い見た目を作ろうと努力すると思います。

トレーニングもしたりして、体力の維持につとめる場合もあるでしょう。

また若い人の話題にもついていけるように情報収集するという努力もあるかもしれません。

それで本人は、少しでも若く見えるのではと期待します。

 

いや、待て待て。

待てってば。

もしそれが、成功したとする。

じゃあ、どうなる?

 

確かに見た目も若いし、体力もあるし、話題も若い。

しかし残念ながら、トシはトシなのです。

だからぜったいに、「老い」は垣間見えるのです。

そのときに、周囲のひとたちは、どう思うか。

若くみえるひとが少しでもオッサン・オバハンくさい言動をすると、ギャップ効果でよけいに老けて見える。

これは「不良が少しでも良いことをしたら、周囲が感動してしまう」のと同じメカニズムです。

ふだんから悪いことばっかりしているのに、ふと気まぐれに老人に席を譲ったりしたら、「あの子、すごいいい子じゃない!」ってなる。

ぎゃくに、普段ものすごく優等生な子が、立ち小便とかしてしまう。

そうすると、「なにあの子! 普段はいい顔してるけど、影ではあんなに悪いことしてるのね! なんて悪い子!」みたいになることもあります。

いや、ふだんの行いも見ろってば。

たまに老人に優しくしたって、ぜんぜん釣り合いとれねえだろうが!

それに優等生の子だって、テンビンにかけたら絶対にいいことをしてるほうが多いんじゃないの。

……っていうのは正論だけど、正論はいつもだいたい、屁理屈になる。

ギャップ効果とは、すさまじい。

 

だから普段から若いフリをしていると、ギャップで「ひどい年寄り」に見える可能性があるんですよね。

さきほどの例でいくと、優等生のパターンですね。

水も漏らさぬように、若さを取り繕っているつもりでも、ほんの一瞬の気の緩みで出た「よっこらしょ」で、周囲はドン引きするかもしれません。

 

いっぽう、ふだんから「おっさん全開」「おばはん全開」だと、どうか。

じっさいにおっさん・おばはんなら、けっしておっさん臭いとか、おばはん臭いとかは言われません。

年相応、そんなもんだと思われます。

しかしフトしたときに、すごく若い歌手とかの名前をポツリと言ったとする。

すると「あれっ。あのひと、若いなあ!」なんて感想を持つかもしれないんですね。

ふだんからバリバリのおっさん全開ゆえに、ふとしたときに、かえって若さを感じる。

ギャップ効果だ。

 

よく考えたら、後者のほうがトクだし、楽じゃん!

「若づくり」を目指したら、98%の「若さのスペック補完努力」が必要です。

しかし残りのたった2%が垣間見えた瞬間に、その人の努力は灰燼に帰す。

「ああ、やっぱトシには勝てねえな」なんて、哀れみの目で見られる可能性さえあります。

いっぽう、おっさん・おばはん全開者は、真逆の2%だけの努力ですむ。

それがチラっと見えたとき、そのひとは「案外若い!」ってなる可能性がけっこうある。

 

若作りをしているのにその化けの皮が剥がれるってのは、とても悲しいです。

周りの人も、言うに言えない、笑うに笑えない。

それになんだかそういう人って、みじめに見えるんですよね。申し訳ないけど。

「無理しちゃってまあ……」

完全に憐れみの対応になってしまいます。

それに、なんかきもちわるい。

 

それよか「わしゃあオッサンじゃあ! わはは!」「わたしはおばさんよ! なにか!?」って堂々としているほうが、よっぽどサワヤカです。

ぜんぜん可愛そうにみえないし、むしろ好意さえ持てる。

 

だからやっぱりアレだ、「小賢しいことは恥ずかしいこと」なんだよなあ。

じぶんの欠点をいっしょうけんめいに隠そうとするやつなんて、結局あんまり信用できない。

欠点をむしろ堂々と前に押し出してくるぐらいの人のほうが、なんだか安心感があります。

 

更年期障害って、案外そんなことだったりするのかもな。

こころのどこかで「努力して若さを保とう」だなんていう、けちくさいことを考えてしまっているのかもしれない。

意味ねえもんな、そんな目標。

そんな夢を追いかけるぐらいなら、いまから大金持ちになる夢を追いかけるほうが、まだ現実味があります。人はかならず、老いるものですからね。

 

おっさん全開でいこう!

そう思うだけでも、なんか気分があかるくなるね。

 

 

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