快適を恐れよ

そろそろ山登りを始めようかなと思って、そのへんをガシガシ歩き回っております。

近々とりあえず目指す山は六甲山系なので、まあべつにそんなに体力はいりません。

でもぼくのばあい外出恐怖で「引きこもり」の期間が長かったから、ふつうの体力にまでは戻さないといけません。

クツとかトレッキングパンツとかのグッズを引っ張り出す前に、まず山を歩ける体力を復活させねば。

 

そこで「山と渓谷」という雑誌を読んでいて、はっとしました。

山と溪谷2020年3月号「弱点克服! 登れる“カラダ”をつくる」

記事に書かれていました。

体力には、2種類あったんですよね。

「行動体力」と「防衛体力」。

ぼくは「体力」というと筋力とか持久力とか肺活量とか、そっちのほうばっかり考えていました。

そういうのは体力のうち「行動体力」なんですよね。

もちろんそれも大事だけど、「防衛体力」も、とっても大事。

 

防衛体力というのは、暑さ寒さに強いとか、免疫力とか治癒力とかそっちのほうの体力です。

もしかしたら行動体力なんかよりこの防衛体力のほうがむしろ、生きていく上では大事かもしれません。

 

昨年あたりからずっと気管支の調子がおかしくて、しょっちゅう風邪を引いたりしていました。

ちょっと寒くなっただけで節々が痛んだり頭痛がしたりもしていました。

毎日掃除をするようになったらそういうのが少しマシになったので、そうか、ハウスダストとかバイキンが原因だったんだな! と思ったわけです。

まあ、それも間違ってはいないだろう。

でも「根っこの原因」はおそらく防衛体力の低下だったのだと思います。

そのせいで些細なホコリやバイキンなどにやられてしまっていたのかもしれません。

 

もともと筋肉量が多く体温も高めなので、行動体力じたいはわりと短期間で復活します。

だからよけいにおかしいなあ、と思ってしまっていたのです。

家で筋トレやヨガもしていたし掃除も機械を使わずに毎日やっています。

いわゆる「行動体力」はどんどん復活している。

でもまるでそれと反比例するかのように風邪を引きやすくなったり、立ちくらみをしたりする。

なんでじゃ!

どうしてじゃ!

なにがわるいんじゃ!

 

「快適」こそが、よくなかったんですね。

お医者さんからも自律神経が良くないと言われていたから、副交感神経を優位にするようなことばっかり長年してきました。

半身浴とか温めるとか冷やさないとか風に当たらないとか。

確かにそういうことは自律神経を休めるから、良いことではあります。

しかし休めてばかりいたら、どうなるか。

筋肉と同じで、まったく使わないと変化に弱くなってしまうんですね。

外出恐怖であまり外に出なくなったから、よけいに自律神経を使う機会が減ってしまった。

 

行動体力を高めるには筋肉や心肺に負荷をかけねばなりません。

おそらく防衛体力も同じだろうと思います。

自律神経に、負荷をかけなくてはいけない。

ぼくはこれを長年サボってしまったのです。

在宅勤務ゆえよけいに快適な環境を構築しやすく、気温も湿度もできるだけ最適にコントロールするようにしていました。

とくに夏場などは一切外に出ない、ということもありました。

 

「どうして防衛体力が低下したのか?」

この問に対する答えはシンプルです。

「防衛体力が向上するようなことを一切してこなかったから」。

どシンプルであります。

 

わるいバイキンやウイルスとか、ハウスダストとか、激しい温度変化とか、冷えとか、不潔とか。

そういったもの以外にも、恐れるべきものがあったのです。

「快適さ、心地良さ」。

これを、恐れよ!

快適さこそが、防衛体力を低下させていく。

重いこと、しんどいこと、痛いこと、息があがることが行動体力をどんどん強化するように、寒いこと、暑いこと、乾燥していること、じめじめしていること、眠いこと、おなかがすいていること、汚いこと、くさいこと、あぶないことが、防衛力を強化する。

清潔な空間で筋トレやヨガばっかりしてる場合じゃなかった。

そんなことをしたら行動体力は向上するものの防衛体力はどんどん低下していき、結果バランスがおかしくなっていくかもしれません。

かもしれません、じゃなくて、そうなりました。

 

不快なこと、つらいこと、激しい変化こそがひとを強くする。

これをコロっとわすれていました。

いくら行動体力が強くなっても、防衛体力が弱すぎたら「使い物にならん」。

なんの意味もないのですよね。

 

防衛体力を強化するのに、登山はうってつけなのだそうです。

寒暖差あり、汚泥あり、粉塵あり、不潔あり、雨あり、風あり、雪あり、直射日光あり。

これでもか、これでもかと自然が人体を攻撃してきます。

これを何度も何度も経験していくうちに、からだが「はっ!」と目を覚ます。

そうだった、そうだった、この世には、危険がいっぱいだった!

清潔で20度前後の気温・50%前後の湿度なんて、むしろ「特殊環境」だった。

そんな特殊な環境にどっぷり浸かりすぎて適応してしまい、この世のほとんどをしめる「過酷な環境」に、まったく抵抗できなくなってしまっていた。

気がついた身体は「速攻で」本来の体力を復活させるのだそうです。

生命維持に最重要な体力だから、復活も速い。

 

安んじるのもだいじ、でも鍛えるのもだいじ。

鍛えるのは行動体力だけでは、だめだ。

もっともっと下層にあるプリミティブな防衛体力こそが、ほんとうの体力。

これを、鍛えていこうと思います。

 

思うに、心配性や神経質など防衛本能が強すぎるのは防衛体力が弱すぎるからなのかもしれません。

弱すぎる防衛体力を、精神の方面で補おうとしているのではないか。

防衛体力が強くなれば、もう「防御」はそれほど必要ではなくなる。

そうすると、しぜんと心配性や神経質なども消えていくかもしれません。

いらないものをいつまでも持ち続けているほど、人体はヒマではない。

 

 

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