NHKの「筋肉体操」をはじめて、もう3週間が経ちました。
最初はヘロッヘロだったけど、もう腕立て伏せ以外はほぼ楽勝でできるようになりました。
腕立て伏せがなあ〜。
なかなかなあ〜。
途中でヘコたれちゃうんだよなあ〜。
でも少しづつできるようになっているので、まだまだ続けようと思います。
さて、こうやって筋トレをしていると「筋肉とはなにか」ということに興味がわいてきます。
ぼくが最近いちばん関心があるのは、なぜその筋肉は大きいのかということです。
ネットで調べただけですけど、ヒトの主要な筋肉の体積別ランキングというのがあります。
大腿四頭筋(ふとももの前の筋肉):1900cm³
下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉):900cm³
大臀筋(お尻の筋肉):860cm³
三角筋(腕を持ち上げる肩の筋肉):792cm³
ハムストリングス(ふとももの裏の筋肉):770cm³
大胸筋(胸の筋肉):680cm³
上腕三頭筋(腕を伸ばす筋肉):620cm³
広背筋(背中の筋肉):550cm³
僧帽筋(首を支える肩の筋肉):460cm³
上腕二頭筋(腕を曲げる筋肉):370cm³
腸腰筋(脚を持ち上げる筋肉):200cm³ ※ 推定
腹直筋(腹筋):170cm³
※…論文等の記述をなんとなく平均
これは年齢もわからなければ、男性か女性かさえわからないし、平均値なのか中央値なのかもわからないので、体積そのものにはあまり意味はないです。
それよりもぼくが興味を持ったのは、その比率です。
ようするに、下半身の筋肉が、むちゃくちゃデカいのです。
比べて上半身の筋肉は、そうでもない。
大きな筋肉は、なぜ大きいのか。
この疑問に対する答えは、ネットでは見つかりませんでした。
せいぜい「大きな筋肉を鍛えたらダイエットになる」とか、「筋トレは大きな筋肉からやるほうが効果がある」程度です。
おそらく、大きな筋肉は、大きくないといけないから、大きいのだと思うのです。
人体の構造上、あるいはその動きの特性からして、よく使う部分が大きくなるよう、あらかじめ遺伝子的にプログラミングされているのだと思うのですよ。
自動車でも、よく使う部分は頑丈に設計しますものね。
だからここから逆算して「最も天地自然に合致した生活」ということも推定できるのではないか、と思いました。
つまり大きな筋肉をちゃんと使う生活こそが、もっとも天地自然と合致した生活なのではないか。
菜食とかマクロビとかそういう「アタマのリクツ」じゃなくて、構造に適した生活を送る、ということが。
ふともも、おしり、ふくらはぎ。
下腿の筋肉群は、突出して巨大な筋肉が揃っています。
これは神様が、このへんをたくさん使えと言っているのではないか。つまり、
歩け、走れ、登れ、跳ねろ。
それに耐えうるように作ってあるし、また、そこをちゃんと使うのが、ヒトの自然な生き方であるぞよ。
みたいな。
意外だったのが「三角筋」という、腕を持ち上げる筋肉が、非常に大きいということです。
肩のところの筋肉ですね。
デスクワークで凝る「肩」は、僧帽筋とか広背筋で、このへんはじつはそんなに大きな筋肉ではないです。
そっちじゃなくて、腕を上に上げる筋肉。これが異様に大きい。
なぜだろう。
下腿の筋肉群が大きいのは、すっかり理解できるのです。
なにせ体重を支えないといけませんからね。ヒトは立って歩くので。
しかし三角筋は、体重を支えるためのものではないですから、そんなに大きくなくたって良いような気もします。
もしかすると、たとえば「木になっている実とかを取る」ため?
ううん、それでもそんなに、大きくなくていいなあ。
腕だけを持ち上げる目的なら、それほど大きくなくてもいい気がする。
……そこで、フト思い出したのです。
モノを持ち上げるときに、どこの筋肉を使うかという話。
経験上、たとえば机を持ち上げるとき、手の「甲」を机の下にあてて脇を開き背中を丸めて、その状態でガッと持ち上げるほうが、圧倒的にラクなんですよね。
脇を締めて天板を持って持ちあげようとしたら、腰をイワすこともあります。
酒屋さんもビール瓶の入ったケースを持ち上げるときには、手を内側にひっくり返して、ケースの内側から取っ手を掴んで持ち上げます。
ともに、三角筋をうまく使う動きなんですよね。
腕を曲げる筋肉(つまり上腕二頭筋、力こぶの筋肉)なんかを使って持ち上げようとしても、たいして重いものは持ち上がらないし、ヘタしたら怪我します。
三角筋が非常に大きいのは、モノを持ち上げるためなのではないか。
ぼくたちは便利になってからちょっとバカになってしまったので、このへんをうまく使わずにモノを持ちあげている可能性がありますね。
40歳を越えたあたりから、四十肩・五十肩といって、腕が痛くて上がらなくなることがあります。
この場合は、痛い方の腕で「窓拭き」を長時間やれば案外治ります。家じゅうの窓を拭きまくる。
痛いからと言って使わないでいると、全然治らないのですよね。病院に行ったって治りません。
この四十肩・五十肩も、三角筋の不具合です。
運動不足や、便利な生活を送りすぎたことが原因で、三角筋が弱まりすぎて起こる不具合なのかもしれません。
だから、動かしまくると治るのかもしれませんよね。
足が冷えるというのも「脚を使っていない」からかもしれませんね。
ふともも・おしり・ふくらはぎは、びっくりするぐらいデカい筋肉です。
自動車だのバイクだのエレベーターだの、そんな楽ちんな道具に頼ることで、このデカい筋肉たちをあまり使わなくなってしまった。
そこで筋力が低下して、血行もリンパの流れも悪くなって、おかしくなっている。
もともと酷使するように設計されていたのに、それを使わないものだから、いろいろ問題が起こるのかもしれません。
大きな筋肉を、ちゃんとつかう生活。
これが天地自然に合致した生活なのかもしれません。
酷使すべきところはほとんど使わないくせに、酷使すべきではないところを、むちゃくちゃ酷使している。
自律神経失調症だって、案外こんなつまらない理由かもしれませんよね。
現代人には肩こりが多いけど、僧帽筋だの広背筋だの、そのへんはもともと、そんなに酷使するようには設計されていない。
それを無茶づかいするもんだから、神経まで故障してしまうのかも。
設計思想に合致していない生活を送ったせいで、いろんなところのバランスが崩れてしまったのかもしれませんよね。