のぼせる。
息苦しい。
動悸がする。
手足が冷える。
胃の不調。
不安を感じる。
このへんを「筋肉」から考えてみた。
どういう状態だと、上記のような症状がよく出て、どういう状態だと、あまり出ないか。
これはわりと、簡単かもしれません。
ぼくはこのへんが、ぼこーっと盛り上がっています。
いいふうにいえば、このへんの筋肉が、強くて大きい。
ですがそのせいで、慢性的な動悸や息苦しさ、不安、胃の不調を感じているみたいなのです。
このへんには迷走神経というのが通っていて、内臓や自律神経と深く関係しているそうです。
実際に、このへんのちからが抜けるように工夫してみると、すこしいろんな症状がマシになるのでした。
具合が悪い時に横になると大概良くなるのは、この部分の過緊張のせいかもしれないですね。
さて、ではどうしてここが緊張するのか。
それはまちがいなく、デスクワークです。
背中をのばそうとする意識のあまり、ここが緊張してしまうのでした。
では、いっそ背中を伸ばさなくてもよいのでは?
とも考えられますが、それはそれで、こんどは息が苦しくなります。
で、ものすごく腰が痛くなります。
クビも痛くなります。
だから「曲げとけばいーじゃん」では、ないのです。
では、なぜこの部分を使って、背中を伸ばそうとしてしまうのか?
それは、以下のグッズを買ってみて、すっかりわかりました。
Honel 腰用サポーター 人間工学 骨盤から猫背解消 腰椎固定 猫背矯正 腰痛緩和 安定 補正 腸腰筋ストレッチベルト
※ 写真は、上記の商品のものではありません。Amazonの写真がわかりにくかったので、似た商品でわかりやすいものを貼っています。機能そのものは、全く同じです
先に言っておきます。
リンク先の商品は買わないほうがいいです。1300円ぐらいでやすいのですが、左右のベルトの長さが違う、届くのに1ヶ月以上かかる、ちょっと短い、すぐに壊れそうになる。
モノはあまり良いものではありません。
ただ、原因がよくわかりました。
このベルトをして座ると、確実にわかるのです。
おわー! 背中楽!
腰が楽なんじゃないです。
背中が楽になるんです。
この、ベルトの線を見て下さい。
これは、ある筋肉の補佐をしているのです。
ある筋肉、それがまさに
大腰筋
なのですね!
腰がくんにゃりと、うしろに曲がってしまう。
骨盤がうまく立たないんです。
腰が抜けてしまうから、背中が丸くなる。
そうすると、仕事できません。
しかたがないので、さきの図の、広背筋とか僧帽筋をつかって、強引に上半身を持ち上げているのです。
これは、骨盤の後傾の矯正をして治ることではありません。
断言します。
なぜならば、ぼくは骨盤がむしろすこし前傾しているぐらいで、整体院でもヨガ教室でもレントゲンでも「骨盤の位置はとても正しい」と、太鼓判をもらっています。
よい骨盤をしている。
骨盤矯正をしたって姿勢は治らないということの証明でございます。
姿勢は、骨盤側のミスではないのです。かわいそうに。
大腰筋がバカになってる。
おそらくここが、ミソなんであります。
例の器具でとても背中が楽になるということは、大腰筋が骨盤を保持できなくなっている、ということなんですね。
だからこそ、この器具を使うことは、マジでおすすめできません。
これに「頼って」しまうから、根本的な改善になりません。だめ。
なので、方法はひとつ。
大腰筋の強化。
これしかないのですよね。
ただ、注意しないといけないと思うのです。
たぶんたしかに、大腰筋が弱ってはいます。
しかしこれは、負荷を与えていないから弱くなったわけでもない、ということです。
長年・長時間のデスクワークのせいで、疲労して伸び切っている可能性があるからです。
座るというのは、大腰筋を酷使する姿勢なのです。
もともと、骨盤は立っていたのです。しっかりと。
しかしあまりにも長時間のデスクワークの結果、大腰筋が気絶している可能性があります。
ちなみに座禅で行う「結跏趺坐」あれは、大腰筋を最も効率よく利用する姿勢です。
まず両方の足の甲でフトモモをロックし、動かないようにする。
そこで大腰筋を強く収縮させて、骨盤を前に引っ張るのです。
そうすることで、ほかの筋肉をほとんど使わずに、姿勢をしゃんとすることができます。
骨に「乗る」ことができるようになる。
座禅では「腰を入れろ!」ととても厳しく指導されますが、これを曲解して、大腰筋をつかわず広背筋や脊柱起立筋、腹筋などを使って無理に姿勢維持をしようとすると、ものの10分も保ちません。
それでも無理して長時間やると、背中の筋肉がとても疲労して硬化し、交感神経が常に興奮状態になり、最悪の場合「偏差」という病気になる。
本来は、わりと疲労に強いインナーマッスルである大腰筋を使って座るようにしないといけないのですね。
そうすれば、胴体はノビノビゆったりしたままで、呼吸も楽なまま、まっすぐな姿勢を保持できます。
広背筋や脊柱起立筋、腹筋、腹斜筋、大殿筋などはあくまで「補佐」なのであって、すこし傾いたときに、調整用にピクピクっと使う程度。
アウターマッスルである広背筋がガッチガチになっているということは、大腰筋を使っていない証拠なのですよね。
カタチばかりにこだわるからこそ、おかしなことになる。
ただ、インナーマッスルは疲労しない、それはウソです。
疲労しにくいだけであって、まったく疲労しないわけではありません。
あたりまえだ。
動物なので、やりすぎたらインナーだろうがアウターだろうが、疲れます。
だから、「鍛えるぞー!!!」一辺倒では、あまりよろしくない気もします。
まずは、休める。
そして、軽いストレッチ。
そのへんから始めて、徐々に鍛錬をしていこうと思います。
大腰筋を鍛えると言うよりは、活性化させるというほうがいいかもしれませんね。
それには「脚をあげる」ということが良さそうです。
寝転んで足上げ腹筋。
あるいは、立って足を蹴り上げる。
そのへんの動きになるんだろうと思います。
カムバック、大腰筋。
ここがしっかり目を覚ませば、背中の「異様な盛り上がり」が取れるだろう。
それにともなって、不具合もナリをひそめていくだろう。
いまのところ、そう確信しております。