このマンガ読んだら、すごーく気分が楽になりましたよ。
「今夜もホットフラッシュ 更年期越えたら人生パラダイス」(青沼貴子著)
更年期障害に苛まれる漫画家さんの実体験の話で、めちゃ笑える。
さすが漫画家さんは、見るポイントがちがうなあ。尊敬します。
「更年期障害を治すためのノウハウ本」というのは数あれど、「更年期障害を笑い過ごす本」というのは、案外なかなかないんですね。
とくにネットとかで検索すると神妙でクソ真面目なものばかり出てきて、そんなの読んでると、よけいに具合わるくなります。
呼吸がどうとか、栄養がどうとか、自律神経がどうとか、ストレスがなんだとか、もううるせえっつうの。
真面目すぎて気持ち悪いんだよ。なんなんだお前。
その点、この漫画は癒やされますね。
そんなに堅苦しく考えなくたっていーや。
みんな苦労してんだな、自分だけじゃないんだな。
もっとあかるく、前向きに考えないとソンだな。
そう思わせてくれます。
この本で「なるほどな!」と思ったのは、
自分が年をとることを認めたくない人は更年期障害が重くなることが多い
という話でした。
じぶんの老化を、認めたくない、認められない。
そういうひとは、更年期障害が人よりも重くなる傾向が強いんだそうです。
「老いたくない」という思いが強いからこそ、それに「逆らう」症状も、強く出るのかもしれないですね。
女性の場合は、もともと女性ホルモンが多く「女らしい」ひと、つまりセクシーで魅力的なひとほど、更年期障害がひどくなる傾向もあるそうです。
女性ホルモンが多いということは、生命エネルギーが多いということでもあります。
だから少しホルモンが減っただけでも、かなり弱った気分になってくる。
生まれたときからお金持ちだったひとが、ちょっと貧乏したらすごく苦しく感じるのと、似ているかもしれませんね。
この本には書かれてないけど、男性も男性ホルモンがもともと多いひとが、男性更年期障害になりやすいのかもしれませんなあ。
なんか、わかるような気がする。
身の回りで、ぼくと似たような症状があるひとは、もともとエロくてエネルギッシュなひとが多い。
「老いたくない」という気持ちは、わるいことではないと思うんですね。
いつまでも若くありたい。
そう思うということは、生命力が強いということでもあります。
だから一概に悪いということでもないですね。
でももう一方で、「経年美化」という概念を持つことも良いかもな、と思うんです。
たとえばモノでも、必ずしも新品が良いというわけでもありません。
ジーンズなんかもそうですが、長年履き続けて色落ちし、ヨレてきたところに味があるというのは確かにあります。
木の床だってたくさんの人が歩いて、たくさん日にやけて、深い色ツヤが出てくると、ひじょうに美しく感じます。
古いものには、新品にはない魅力がある。
人間も、同じかもしれませんよね。
いろいろな経験をして、人や社会に揉まれることで、深い味わいと美しさが出てくる。
ヒトの経年美化には、若者の美しさとは比較にならないほどの高級感がある。
更年期障害については、こういうふうに考えると良いそうです。
将来はすてきなおばあさん(おじいさん)になりたいんだけど、今は全部その「なりたい自分に向かっているプロセス」なんだ。
今はそのためにいらないものを削ぎ落として、そうやって「ステキな自分」に近づいていっているんだ。
どんどんダメになってるんじゃない。
逆にどんどん良く、強く、美しくなっていってる。
いまは過渡期だから、いろいろとグラついているだけ。
「更年期の過ごし方」によって、経年美化になるか、経年劣化になるかが分かれるかもしれませんね。
症状のいちいちに反応し、抵抗し、くよくよ、うじうじ悩み考えつづけてしまうと、劣化の一途をたどることになるかもしれません。
老いることは、天地自然の理にかなっているのですものね。
更年期を過ぎたら、パラダイスが待ってる。
そう思ってあかるく経過させてあげることが、現在にとっても、将来にとっても、いちばんいいことかもしれませんね。