気のせいかなあ。
そうさ、きっと気のせいさ。
そう思っていたんですよね。
「ナボリンSを飲むと、ひどい焦燥感が出る」
まあ「ビタミンB群の爆弾」みたいなものです。
眼精疲労にとても効くっていう、もっぱらのウワサなのです。
なので飲んでみたら、どうも具合がおかしい。
30分ほどすると、異様なソワソワ感や不安感が噴出するのです。
いや、まあ、それは気のせいっていうか、たまたまだろう。
ぼくの体調がわるいのと、たまたま重なったとか。
きっとそうさ。
そう思ってたんだけど、飲むたびに出る。
今日も久々に飲んだんだけど、また同じように、ひどい焦燥感や不安感、イライラが出ました。
パニック発作までには至りませんが、かなりそれに近い感じ。
あれっ?
で、なにげにじぶんの腕とか触ってみたんですよね。
あったかい。
汗かきだし、ふだんはどっちかっていうとヒンヤリしてるタイプなんだけど、腕が暖かいのです。
そう、ナボリンSなどの錠剤は、血行改善の効能があるんですね。
だから肩こりや眼精疲労に効く。
で、ふと思ったんですよ。
パニック発作って、じつは天然の「血行改善努力」なんじゃないか?
パニック発作に至るあのときの感覚と、まったく同じなんですもの。
なんかこう、ワーーーっとなるような感じで、全身が熱くなるような。
でも実際には、発熱はしていないんですよね。
熱感だけがすごい。
そこで、ぼくが「おかしくなる」状況をまとめてみたのです。
以下のようなことをすると、発作が出やすくなる。
・寝る前に念入りにヨガやストレッチをすると、翌日に焦燥感や不安感が出やすくなる。
・寝る前に背中をマッサージすると、翌日に焦燥感や不安感が出やすくなる。
・半身浴などを毎日続けていくと、焦燥感や不安感が出やすくなる。
・ジョギングを毎日続けていくと、焦燥感や不安感が出やすくなる。
・筋トレを毎日続けていくと、焦燥感や不安感が出やすくなる。
・カフェインを飲むと、焦燥感や不安感が出やすくなる。
・春になると、焦燥感や不安感が出やすくなる。
・夏や、暑いところでは、焦燥感や不安感が出やすい。
・朝から午前中にかけて、焦燥感や不安感が出やすくなる。
・濃いビタミン剤(ナボリンSなど)を飲むと、焦燥感や不安感が出やすくなる。
あれっ。
考えてみたら、これ全部「血行が良くなる」ことばかりなんだよなあ。
もしかすると、普段から「血行がわるすぎる」のではないか。
そんな気が、するんですよねえ。
だって仕事柄デスクワークでずっと座りっぱなしだし、アタマと目を酷使することばっかりやってるし。
ずっと肩とか背中が凝ってるし。
血行不良なので、からだ方面が、
「アカーン! 血行わるすぎー! 強制的に、血管開きまーっす!」
っていうことで、強引に血管をおっぴろげ、動悸とかを開始するんじゃないか。
血液をぐるんぐるんに回転させようとしてるんじゃないか。
本人にしてみれば、
「え!? なんでなんで? なんで今、きゅうに動悸やふらつきが? なに? 病気!?」
てなもんです。
だから、パニックになる。
ときどき、思うんですよね。
「パニック発作は、何かを治してるんじゃないか」って。
パニック発作については、お医者さんも本もネットも、みんなみんなよってたかって「病気です」っていうんだ。
でも、どうなんだろう。
このカラダの反応を「まちがえている」と決めつけるのは、早計なんじゃないか。
パニック発作って、若い人とか、もともとかなり健康なひとがなりやすいんですよ。
だから「正常反応」という可能性だって、ありえるんじゃないか。
確かに症状は不快です。
でも不快だからといって、それが異常というのは、ちょっとアホすぎる解釈なのではないか。
なかには、不快だけど治癒反応である、っていうこともあるはずです。
パニック発作は、何かを治してる。
この「何か」が、ずっとわからなかったんです。
きょう、思ったんですよ。
この「何か」こそ「血流」だったんじゃないか、って。
パニック発作は、滞留した血流を改善してるのではないか。
以前から不思議だったんですよ。
パニック発作が出たあとって、たしかにガックリきてダルくなったりはするけれど、案外、全般的には体調が良くなったりするんです。
気分も上機嫌になったりするし、アタマもスッキリして、冴えてくるし、いろんなアイデアも思いつきやすくなるし。
ちょっとした風邪なら、治ってしまうことだってあるんです。
だからこそ「これは必ずしも病気ということでもないんじゃないか」と思うようになったんですよね。
「ナボリンS」を飲んで出た症状と、パニック発作に至る不快感が、まったく同じだった。
このことから、発作は「血行改善作用」なのではないか、と思ったのです。
まあ、わかりませんけどね。
でもひとつだけ、言えることがあります。
パニック障害を病気だと定義しようが、血流改善作用だと定義しようが、治るスピードに関係はありません。
怖がろうが、怖がるまいが、関係ない。
むしろ病気病気言って過剰に怖がるほうが、かえって治りは悪いかもしれません。
「いま、いいことが起きてる」
すこしでもそう思えれば、発作の恐怖もほんのすこしだけど、やわらぐ可能性もありますよね。
発作はきっと、なにかを治してる。
じぶんのからだを「信じてあげる」ことができるのは、じぶんだけです。
お医者さんや科学者さんは、疑うのが仕事だから、信じる方法は知りません。
「怖がることが毒」の病気の場合は、まずは恐怖を取り除かないと。
それができるのは、結局自分自身なんですよね。
とても愛情あふれる、やさしい家族や友人こそ、「心配する」ぐらいしかできません。
やさしいひとは、こわがりだから、恐怖を張り倒してはくれないのです。