ぼくは毎朝6時ぐらいに起きる。
在宅ワーカーなので、起きて着替えて顔を洗ったら、すぐにデスクにつくことが多い。
1時間ほど仕事して軽く朝食、というパターン。
で、最近気がついたんだけれども、この「朝起きてすぐデスクワーク」をすると、体調がおかしくなることがわかったのだ。
どうおかしくなるかというと、「起立性調節障害」みたいになることが多い。
立ち上がったときにあたまがフラ〜〜となったり、動悸がしたり、息苦しくなったりするというアレ。
「効率」は、とくには変わらない。
ネットなんかでは、朝起きてすぐは頭がまわらなくて集中力が続かないから、すこし運動したりしてからのほうが良いというような、甘っちょろいことをヌカす奴がおるけれども、ナメんな。
こちとら在宅ワーク歴10年、朝起きるときは床を蹴って起き上がるほどであって、ほぼ完全に目は覚めておるというのである。
顔を洗ったらもはやほぼ「完全体」であって、まったくの通常モードで仕事ができるのである。
「朝は頭がまわらないよう〜」とか、なにをぬかっしょんじゃ。
まあ、ぼくはちょっと血圧が高めというのもあるんだろうけども。
……このパータンが、イカンかったように思うんだなあ。
とくに「すぐにデスクにつく」が。
よくよく考えてみたんだ。
朝起きてすぐデスクワークをするということが、いったいどういうことなのか、と。
ぼくは毎日、夜10時ぐらいには寝る。
で朝6時に起きたら、睡眠時間は8時間、ということになる。
ぼくは夢遊病者ではないから、眠っているあいだは基本的にじっとしている。
せいぜい寝返りぐらいである。
と、いうことは、だな。
「8時間じっとして、そのあと1時間ほど、またじっと座っている」
通算すると、つまり9時間じっとしている、っていうのと同じだ。
アカンがな!
そりゃあ、具合わるくなるわなあ。
「エコノミー症候群」まっしぐらではないか!
いっぽう、朝起きてすぐに散歩に行く日なんかは、わりと体調は良い。
いったん、8時間の「じっと時間」が、散歩によって中断・リセットされるわけである。
だから、あの立ちくらみとか動悸とかが少なくなるのかもしれないなあ。
ちなみに、朝起きてすぐに仕事をするようになったのは、小説家の村上春樹さんがそうしているというのを聞いてからである。
つまり人に影響されたやったわけで、経験上、そーゆーのはだいたい、ダメなんだなあ。
あと最近気がついたのは、小説家とか有名実業家なんかのインタビュー記事は、たぶんウソついてるんだろうなあと思う。
根拠は「カン」である。
ああいう人たちは、「見せる」ことをちゃんと意識しているから、意外だったりなるほどねと思わせるような演技してると思うんだな。
あと小説家なんて全員うそつきなんだから、バカ正直に話を聞いてやんなくてもいいと思う。
「いえね、朝起きたらまず、鼻くそをほじってですね。その鼻くそを、床にピッ、ですわなあ。そんで起き上がって、飼い猫を蹴飛ばしてですね。ベッドに座って靴下を片方履いたところできゅうに飽きちゃって、そのまま小便にいって。もちろん手なんか洗わずにトイレから出てきますわなあ。歯も磨かない、顔も洗わない日もけっこうあるかな。テレビつけて、通販のCMに文句ブツブツいったり、ズラっぽいアナウンサーに「ハゲーー!」って大声で罵声を浴びせて、そんなことしながら朝飯食ってですね。
嫁はんが更年期障害でグズグズいうからムカツイて、文句ブツブツいいながら仕事場に行くですよ。
あいつ、うるせんだよなあ。
仕事場にいっても、全然仕事なんかしたくねえです。
すぐにソフアに横になって、『アーーーーー!!!!』とか大声あげますね。意味ないけど。30分ぐらいアーアー叫んで、なんとか起き上がって椅子にすわって、仕事をとりあえずはじめますけど、腹立つわなあ。
ほんとに。なんかもう、ハラタツんですわ。おれも、更年期障害かなあ。
とにかく怒りながら、叫びながら、文句いいながら、シブシブ仕事してますわね。
小説家なんてみんなほんとは、そんなもんですわ。
アーーーーー!
アーーーーーーーー!!」
みたいなことを正直に言ってしまったら、ファンの人がガッカリしちゃうではないか。
だから有名人は「しっかりした朝」「かっこいい朝」を迎えている、という演出をしてると思う。
それなのに「朝活」とかいう流行りのワードにクラクラしてしまって、「ルーティーン」っていう言葉にもクラっときて、有名人や成功者はみいんな「ちゃんとした朝」を迎えていると信じ、「ちゃんとした朝」を送ればじぶんも成功者や有名人になれるんじゃないか、みたいな生存者バイアス全開のくそばか妄想をバクハツさせて、ばかみたいな朝を送るのである。
で、けっきょく、いつのまにか、またダラダラの朝を迎えるようになっていくんだなあ。
人まね、やめよう。
この朝は、ワシの朝じゃ。
ワシの好きなようにやるんじゃ。