姿勢と呼吸と妄想と自律神経

毎晩15分だけ坐禅をするようになってから、かなり自律神経の状態がマシになってきました。

あの例の、パニック発作に至るような、

「おわ、やべ、アカン! これはアカンぞう! なんか、アカンねん!」

っていう、不安と焦燥感が出るアレ。

アレが出たとしても、わりとすなおに収まってくれるようになってきました。

 

で、なにが変わったのかを鏡で観察してみると、明らかなことがありました。

姿勢です。

あの例の「アカン! これはアカン!」ってなって、不安と焦燥感がブワアアと出てきたときに、姿見のほうにすっとんで行って、じぶんの姿勢をチェックしてみる。

すると100%、猫背になっているんですね。

↑ こんなかんじに、背中が丸くなっているのでした。

で、その姿勢をやめて、できるだけまっすぐにするようにすると、けっこう収まってくるのでした。

イキをみぞおちとかムネに入れるように、ゆっくりイキを吸いながら背中を伸ばしていく。

ゆっくりゆっくりやったら、けっこうマシになっていくのです。

「強引にやる」「急いでやる」「きゅうにやる」と、ぎゃくにおかしくなります。

アタマがふらぁあ〜っとなったり、息苦しさが倍増したりして、良いことありません。

あくまでじわじわ、ゆっくりやる。

 

とにかく、仕事とかで背中が丸くなってしまっているんですね。

猫背になることで、腹圧が上がって内蔵が横隔膜を押し上げ、かつ肋骨が前につぶれてしまっていて、胸腔のスペースが狭くなってしまっている。

酸欠みたいになってるんでしょうね。

なおかつわるいことに、仕事とかに集中すると、ぼくはイキを止めてしまうクセがある。

姿勢とクセのせいで、息がくるしくなってしまっていたようなのです。

 

なぜか、きゅうに動悸がするんだよ!

とつぜん息苦しくもなるんです先生!

あたまが、ふらっとするような感じがあるんだ!

立ち上がると、くらっとする!

なぜだ! どうしてなんだ! なんの病気なんだっ!

 

 

あたりまえや

 

 

猫背になって、イキとめて、長時間じっとしてたら、そうなるに決まっとるやろーも。

ずっと「潜水」しとるようなもんですからね。

 

パニック発作は低血糖症とよく似ています。

また、熱中症などでミネラルが極端になくなった症状ともよく似ています。

貧血の症状ともよく似ている。

酸欠の症状とも似ている。

 

おそらく人間というのは、なにかが極端に不足するとパニック状態になりやすいのだと思います。

とくに原因のない焦り、焦燥感、怒り、不安などが出やすくなる。

とくに酸素が足りないと、その状態に頻繁になってしまうんじゃないでしょうか。

 

みぞおちのあたりから、からだが前に折れるような姿勢。

太っているわけでもないのに、みぞおちのあたりに、横一本線のシワが入っている。

そんなひとは、肺を圧迫して酸欠気味の状態が多いかもしれないですね。

昔から姿勢姿勢と厳しくいわれていたのは、この状態を回避させるためだったのかもしれません。

 

胸が開いて、みぞおちがのびて、おなかも伸びている状態。

その状態でしっかり息を吸う、吐くができれば、かなり肺活量が多くなります。

よく猫背のほうが呼吸しやすい、という話がありますけれども、それは横隔膜とか肋間筋とかが硬直していて、動きが小さいからだと思います。

そのあたりが自在に動くのであれば、まっすぐな姿勢でもじゅうぶんに深い呼吸ができますし、むしろそのほうが全体的な換気量は増えるわけで、良いことなんだろうと思います。

 

坐禅では、「前かがみになると妄想が増える」といわれるそうです。

なぜそうなのか、ということはわからないそうですが、経験的に前かがみの猫背の姿勢は妄想を生むとして、ひじょうに厳しく怒られるそうです。

あの「警策」という、お坊さんが肩をパシーン! と叩くやつも、妄想をしている修行者に注意喚起をするためなんだそうです。

後ろから見て前かがみになっていれば、寝ているか、妄想をしているかのどちらかなんだそうです。

前かがみになると妄想が増える、それは長年の経験で、禅のお坊さんたちは知っていたんだと思います。

 

パニック発作だって、いくら四の五の屁理屈をこねまわしたところで、結局これは「妄想」以外のなにものでもないんですよね。

死にもしないのに死ぬかもしれないと思い、病気でもないのに病気だと思い、急がなくてもいいのに焦り、なにもしなくてもいいのに、なにかしないといけないと思う。

これを妄想といわずして、なにを妄想というのか、という感じでもあります。

 

なんか息苦しいな、あたまが重いな、ふらっとするような感じがあるな。

そういうときは、気づいていないだけで、かなりの猫背になっていたようです。

だからこれを修正するようなことをしていけば、調子が落ち着いてくるようです。

自律神経がおかしいのも、単純に呼吸不足でカラダが「やべーよ!」って警報を出してくれていたのかもしれませんね。

 

ストレスが強すぎても呼吸は浅くなるし、逆にだらけすぎていても、呼吸は浅くなる。

リラックスしているけれど、芯に一本、緊張感がある。

そんな状態が、いちばん呼吸が深くなるようです。

坐禅でうつ病やパニック障害が治る人がいるというのは、もしかすると原因が呼吸のわるい癖がある場合なのかもしれないですね。

 

坐禅を毎晩15分でも毎日していると、普段の生活でも確実に姿勢が伸びてくる実感があります。

やっぱり、姿勢はだいじですね。

猫背、亀背、巻き肩は、ひとのこころをだいなしにする。

 

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