「休むのがへたくそ」
日本人の特徴のひとつなんだそうである。
そういえば、休みの日にも予定をビッチリ入れる変態とか、旅行でも予定表を作るような変態とか、通勤電車の中でもなにか勉強をしている変態とか、けっこう多い。
そしてたいがい、そういうひとに限って、大したことのないひとだったりする。
まあ、大したことがないから、そういうことをするのかもしれないが。
ぼくにもそんなところがある。
休みの日なのに、ふと仕事のことが気になってパソコンを立ち上げたら最後、ガッツリ仕事をしてしまうというような変態である。
「日本人はまじめである」とかよくいうけど、そんなことないと思う。
むしろ、どちらかといえばフザけた甘えん坊のほうが圧倒的に多いんだよなあ。
強制力がないと継続できないとか、教えてもらわないと勉強できないとか、ルールを決めないと動けないとか、決めたことでも続けられないとか、まあようするに、だらしないのが多い。
ぼくもそうだけど。
真面目なんじゃなくて、臆病でだらしないだけなんだ。ほんとうはな。
だらしないくせに、休むのがへたくそなの。
もう、どーしよーもねーなー。
で、ふと思ったんだけど、これってやっぱり教育のせいなんじゃないか。
小学生とか、ほんとうは遊び盛りの休みざかりの生き物で、休むことが仕事、休みこそわが人生っていうほどの生き物なのに、毎日毎日決まった時間にへんな場所に集合させられて、きたない、くさい部屋に詰め込まれて、へんな生き物たちの命令に従わされて、いろいろ強制もさせられる。
極めつけは、夏休みの宿題である。
子どもながらに、ツッコんだよね。
休みだ、つってんだろ!
休みなのに、宿題とか与えたら、休みじゃねーじゃねーかー!
……って思ってたひと、多いんじゃないかな。
なのに先生たちは計画性を身につけさせるためだとか、最も学習効率の高い時期だからもったいないとか、ばかみたいな理屈をコネまわしてるけれども、変態なんだろうな。
「休みかた」は、だれが教えてやるんだよう。
こどもの夏休みって、いちばん合理的な「休み方の練習」なんだよなあ。
なにがもったいないって、いっちばん損得なくあそべる時間をヘンなもので埋め尽くすほうが、もったいないんじゃないの。
いまの大人たちをみてみろ。
「休み方がわからない」なんていう、イヌ以下の気色の悪い生き物になり下がってしまったんだぞ。
なんじゃその生き物。
そしてこどもの休みを奪ったバツとして、先生という生き物は「休み返上で」、じぶんが出した宿題の採点をしたりする。
なんじゃこの生き物。
「学校に行かなければちゃんと育たない生き物」なんて、この宇宙にはいないのにね。
ちなみに、外国では夏休みの宿題なんかほんとんどないそうだ。
小学校では宿題で夏休みを殺されて、
中学高校では「夏休みが天王山だ」みたいなこといわれて、また夏休みが殺される。
せいぜい大学生ぐらいかな、夏休みをちゃんと休めるのは。
でも部活をやってたら、そうもいかないことがある。
「夏合宿」とかいう変態的行為で、また「休み」を「なにか」で埋め尽くそうとしはじめる。
幼少のころから「まともに休まないままに」おとなになっていく。
そんなだから、大人になったというのに、素っ頓狂なことを言い出すんだ。
「どうやって休めばいいの」
まあ、しょうがないわな。休んだことないから、知らないんだ。
へんな生き物!
「なんにもしないことが、できません」
小学生の宿題って、絵日記だけでいいんじゃないの。
あれやこれやと縛り付けるから「縛られないと動けません」みたいなへんな生き物が育つんだと思う。
あれやこれやと教えるから「教えてもらわないと動けません」みたいなへんな生き物が育つんだと思う。
勉強しろしろいうから、勉強が嫌いになるんだけど、なんで大人は、それに気がつかないのだろう。
自分も経験してるくせに。
経験を活かせないようじゃあ、学習ができてないわけで。
学習ができないひとが、学習をどう指導するつもりなんだ。