ある種の考え方にとらわれてしまうと、外に出て歩き回ることが怖くなるときがあります。
また逆に、むしろいっぱい外で歩きたくなるような考え方もあります。
歩くのが怖くなる考え方の代表に「清潔観念」があります。
外のいろんな細菌やウィルスなどに触れると病気をするかもしれない、という観念です。
無菌状態こそが最善と考えると、この思考にいっぱつで陥落しますね。
お外にはわるい菌がいっぱいで、PM2.5とか、排気ガスとか、「わるいもの」がいっぱい。
紫外線も、お肌にわるい。
そういうことを信じてしまうと、外出がどんどん怖くなっていきます。
どうせなら「外でいっぱい歩きたくなる考え方」を信じたほうが、いいですね。
1)「細菌叢」説
2)太陽光セロトニン説
3)歩くと90%の病気が治る説
4)歩くとアタマが良くなる説
このへんの説を信じることができれば、これはもう、外に出て歩かざるをえません。
1)「細菌叢」説
清潔というのは無菌状態のことを指すのではなく、多種多様な菌を保有していることである、という説。
近年は、医学界でもむしろこちらのほうが正しいとされていきているようです。
つまり、悪い菌を徹底的に排除するよりも、いろんな雑多な菌を共生させて細菌叢を構築するほうが、かえって相克作用で清潔になる、ということです。
だから清潔な家の中で引きこもっていると、細菌叢の多様性が失われて、かえって菌抵抗力が落ちてしまうのですね。
バイキンというのは、殺しまくるものではなくて「飼う」という考え方のほうが良い。
だからできるだけ人が多いところ、きたないところ、不潔なところにもでかけていって、あえていろんな菌を持ち帰ってくる。
そうすると、からだの内外でバランスのとれた細菌叢が構築されて、結果的につよいカラダになれる、という説です。
「キレイキレイ信仰」をするよりは、こっちのほうが、自由に外へ出られます。
2)太陽光セロトニン説
外に出て太陽光を受けながら歩くと、とにかくセロトニンがいっぱい出る。
これは有名かもしれませんね。
セロトニンが出ると若返るし、笑顔がきれいになるし、お肌もきれいになるし、幸福感がますし、いいことだらけです。
これはもう、外に出て歩くしかありませんなあ。
3)歩くと90%の病気が治る説
うつ、パニック、各種神経症などメンタル的な病気はもちろん、内蔵関係の病気、はてはガンまで、歩くことで改善が見込めたり、治ったりしてしまうという説です。
これにはちゃんと医学的なエビデンスもあるようです。
とくにメンタル系は確実で、好転率が非常に高いらしい。
メンタルに問題を抱えているひとは、もう歩くしかないですね。
4)歩くとアタマが良くなる説
これは結構有名ですね。
アップルやフェイスブックなど、IT系の有名企業も「歩く会議」を導入しているそうです。
ずっと座ってグジグジ屁理屈をこねまわすよりも、歩いて考えるほうが、現実的かつ自由な発想が出やすくなるんだそうです。
また脳幹にもよい影響があり、思考力や集中力、記憶力なども高くなっていくそうです。
アルツハイマーの患者も、歩くことで大幅に改善するといいます。
とくに潔癖系の思想に汚染されると、外出が怖くなってくるんですよね。
バイキンガー、バイキンガー、言ってると、外が不潔に感じるようになる。
でもこれは完全なる誤解で、むしろ清潔にしすぎるほうが、なにかの拍子に爆発的に悪玉菌が増えてしまうんだそうです。
清潔にしすぎていると、アレルギー反応が強くなるという話もあります。
そういえばうちのイヌも、風呂なんか一切入れずに庭で放置しっぱなしですが、毛もサラサラで、病気ひとつしません。ニオイもあまりしません。
中途半端に風呂に入れたりするほうが、くさくなったり、皮膚病になったりするんですよね。
どうせ信じるなら、都合のいい説を、信じよう。
外に出る危険と、家の中にいつづける危険をテンビンにかけたら、案外「家の中」のほうが危険かもしれませんからね。
多様性を失った時、いのちはケガれるのです。