食事は姿勢正しく!

Web制作という職業柄、猫背になることが多かった。

これはいわば職業病のようなことだろうと思っていた。

 

「正しい姿勢」のための本は数多く出版されている。

そのような本もいくつか読んだものだが、どの本も結局は同じようなことを言っている。

いわく、不良姿勢というのは骨盤の歪みや背骨の歪み、誤った重心のとりかたによるのであって、いわゆる「正しい姿勢」のためには矯正とコツが必要なのである。

ぼくはそれを信じた。

しかし10年近くの間そのような説にしたがってさまざまな努力をしてみたが、なんにも効果はなかった。

姿勢はまったく改善しなかった。

しかし、最近は格段に姿勢が良くなった。

これは間違いなく筋トレの成果だと思う。

最近はダンベルを使って負荷トレーニングをしているのである。

 

手のひらにホウキを逆さまにに立ててうまくバランスをとれば力を使わなくてもまっすぐに立つ。

だから姿勢には筋力ではなく重心やバランスが必要なのであり、とくに骨盤に歪みがないことが重要。

筋力などなくても、垂直であれば正しい姿勢は維持できるのである。

—— みたいなのが「姿勢本」の根本教理である。

難しく考えすぎだ。

んなわけあるか。

人間はホウキではない!

姿勢が悪くなるのは、単純に重力に負けてしまっていたからである。

背中の筋肉の弱体化によって姿勢の保持ができなくなっていたのであった。

腹筋と背筋をしっかり鍛えていったら、全然楽勝で姿勢は保持できるようになった。

ヨガにできなかったことは、だいたい筋トレでうまくいく。

 

筋力以外では「習慣」というのは、たしかにあると思う。

とはいうものの、人間といういきものは「習慣」という文字を読むとつい、

「左様でござるか。やはり四六時中不退転の決意をもって姿勢維持に努めねばならぬと。忍耐であるな。辛抱であるな。しかと了承した」

的な、なんというか若干頭のわるい修行僧的発想を持ってしまいがちである。

しかし、これも考えすぎであった。

真面目すぎであった。

習慣というのは、なにも四六時中ずっと意識したり努力したりすることではなかったのである。

習慣化のためには、1日にたった15分の実行でも良いのであった。

 

正しい姿勢を習慣づけるのに、とても良い方法を思いついた。

それは「メシを食う時だけは、ものすごく良い姿勢にする」ということである。

ただし、食事の時間が終われば、とくに姿勢は意識しなくても良い。

 

食事に要する時間は、無駄話をしなければ1回につきおそらく5〜10分間ぐらい、長くても20分ぐらいだろう。

1日に3回メシを食うとして「メシを食う時だけは、ものすごく良い姿勢にする」を実行すれば、1日のうち合計15〜30分間は「正しい姿勢」でいることができる。

姿勢維持を「筋トレ」と考えた場合、この時間はとても適切だといえる。

起きているあいだじゅうずっと意識して、10時間以上も筋肉を酷使したりするのはどだい無理である。

いわゆる通常の筋トレでも15〜30分ぐらいが適正なトレーニング時間だそうである。

それ以上やってしまうと疲労が蓄積し筋肉を痛めてしまったりして、筋肉が思うように強化されない場合も多いからである。

メシを食う間だけは、いかに苦しくともつらくとも、絶対の絶対のゼッタイに、まっすぐな姿勢をとる。

しかし食事時間以外は、自由にしてよし。

そういう生活を送れば、無意識のうちに姿勢保持の筋肉が強化されていって、意識していないのに姿勢がまっすぐになるのであった。

 

例の「姿勢本」の教理に洗脳されると、ヨガや整体などの特殊技法を用いなければ良い姿勢は手に入らないような錯覚をしてしまう。

そんなわけが、ないであろうが。

こちとらは人間なのである。特殊訓練を実行しなければ不良姿勢が治らないなど、そんな奇想天外なことはない。

人間というのはふつうにしていればふつうに姿勢はまっすぐになるような種類の生き物なのである。

人間なのに猫みたいに丸くなってしまうのは、背骨が歪んだとかズレたとか重心を間違えたとか、そんなコワくて不愉快な話ではなくて、単純に筋力の低下だったのである。

単純に筋肉量が落ちたのか、あるいは筋肉量は豊富でも必要な箇所の緊張力が弱ってしまった。

いずれにせよ、必要なのは筋力アップの訓練なのであった。

 

そういえば昔々のオジーチャンオバーチャンは我が子や孫に、

「メシ食うときは、姿勢をちゃんとせいっ!」

といって怒鳴り散らし、張り倒していたものである。

あれは正解だったのである。

むろん、四六時中まっすぐにしているのが理想ではある。

しかしその状態に至るまでには、1日のうち食事に要する時間を「姿勢筋トレ」に使うのがとても合理的なのであった。

 

今の世の中は、屁理屈が多すぎる。

民衆の「ラクをしたい」という要望に応え、正気を疑うほど複雑な教理を用いて民衆にひどい回り道をさせるサブ・メソッドが横行している。

詐欺とはいわないが、あまりにも無駄が多いとは思う。

正しい姿勢になるためには、正しい姿勢をとることである。

これが最短であり、王道である。

べつに24時間、正しい姿勢を取る必要はない。

1日に5分、10分、20分だけでも良い。

それだけのことで、脊柱起立筋は目を覚ます。

 

 

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