細かいことが、どうも気になってしまう。
気になって、それに囚われてしまう。
神経質なひとに、よくある現象です。
ふと思った。
神経質というのは性格の問題だから、なかなか治すことはできないと聞きます。
確かにそうかもしれない。
けど、じつは案外、しょうもないことが原因でよけいに神経質になっていることはないだろうか。
ぼくには原因不明によくのぼせるという、自律神経失調症の典型のような症状があります。
このことについて「もしかしたら足の血行不良かもしれない」と思いつき、裸足で生活するようにしてみました。
また散歩も「靴下にクツ」などという完全防備ではなく、素足にサンダルやワラーチで行くようにしてみました。
するとどうも、いわゆる「のぼせ」がマシになるようなのです。
底の薄いサンダルで歩きまくると、足全体がワキワキしてきます。
ワキワキ、というのは、どう表現していいのかわからないので適当に言ったのですが、刺激をいっぱい受けたことでコーフンしているというか、血行が旺盛になってジンジンするというか、まあそんな感じです。
そうなると、俄然アタマが涼しくなるのでした。
足と、アタマには、やはり密接な関係がある。
さて、ぼくは普段、家の中でも靴下を履いています。
そしてそのうえに、スリッパまで履いている。
理由は「裸足だとなんとなく足が汚れる気がする」というのと、逆に「足の汗がフローリングについて汚れる気がする」というのとの、両方です。
あと、フローリングは意外とヒヤっとするので、それを防ぎたいというのもありますね。
さて、よく考えれば、上記の理由自体が「神経質」なんですよね。
家の中で裸足で歩いたぐらいで足が汚れるなんて、どんだけ床が汚いんだ!
あと、お前の足の汗、どんだけ汚いんだ!
っていう。
もし本当に床が汚いんやったら、毎日拭き掃除せんかいや。
足の汗で床が汚れるっちゅうんやったら、毎日拭き掃除せんかいや。
アタマのノボセと、足にはきっと、関係がある。
ならば、足の過保護と神経質にも、関係があるのではないか。
そんな気がするんですよね。
人間のカラダは原則として、おそらくハダカの状態で最も充分に機能発揮ができるよう設計されているのだと思うのです。
ただ極寒や酷暑もあり、地面には尖った石もある。
なのでしかたなく、防御のために各種装備品を装着する必要があります。
しかし、家の中で靴下だのスリッパだのは、どうなんだろうか。
ナイフのように尖った石が落ちているわけでもなく、水が凍るほどの寒さがあるわけでもないです。
少なくともこの温暖な春先に、靴下やスリッパが家の中で必要なわけはない。
神経というのは人間のガキと同じで、あまり過保護にすると、バカになっていきます。
柔軟性がなく、トラブルに弱い、頭も気も弱いやつになっていく。
足も、同じなのではないか。
一年中、やわらかい靴下やスリッパ、靴などで、ていねいにくるむ。
なんだ? ワレモノか?
足というのは本来、ガッチガチの岩場だろうが、根っこの飛び出た山道だろうが、どろどろのぬかるみだろうが、どんなところでも進行可能な完全防水型・センサー付き機動装置です。
あまりにもするどい突起物を踏むと怪我する恐れがあるので、足の裏には動物の皮なんかを多少貼り付けて防御する必要はある。
しかし、すくなくとも、フワッフワの布や毛皮、頑強な剛皮で大切に抱擁し防御する必要があるような、そんな高貴で繊細なしろものではありません。
むしろ人体の中で、もっとも強靭かもしれない箇所。
それが足。
それをまるで、バカラのグラスでも扱うかのように、いろんなもので大切にくるむ。
これは、あまりにも天地自然の理に反した行動なのではないでしょうか。
足は、怒っているのかもしれないのですよ。
おれをもっと、使いこなせ!
って。
足がバカになったせいで、アタマもバカになってきているんじゃないか。
足が弱いから、ココロも弱くなってきているのではないか。
足を鬱屈させているから、ココロも鬱屈するのではないか。
そんな気がして、ならないのですよね。
足なんてものは、もしかしたら「日常の酷使で、始終炎症している」ぐらいで、ちょうどいいのかもしれません。
それに耐えうるような循環器の構造も、たぶんしていると思うのです。
足に優先的に血液がまわるように基本設計されていると思う。
だからフトモモの奥の動静脈血管は、ものすごく太い。
しかし足を全く使わなくなってしまったせいで、足先に血を回す必要がなくなって、行き場を失った血が、アタマで停滞しているんじゃないのかな。
まあ、さすがに強引かもしれないですが、多少はそういうのもあるのかな、と思います。
裸足になるには、今はちょうどいい季節ですね。
サンダルに素足で歩くと、えもいえぬ開放感もあります。
家の中でも、靴下やスリッパは脱ぎ捨ててはだしで歩けば、かなり気分は開放的になります。
足を、もっと自由に。
足の皮を、もっと強靭に。