「あのカバン」に再会する

コロナ以前から在宅ワーカーだった僕はかなり引きこもりがちなんだけど、最近はよく散歩に行っています。

「ウォーキングは靴さえあれば何もいらない、安価で良い運動だ」というのは確かなんだけど、じつは意外といろんなものがいる。

意外と困るのが、じつは「かばん」なのでした。

 

たかが散歩に何を持っていくんだバッキャロー、男なら手ぶらだろうがバッキャロー、と言われればまあ、たしかにそうなんだけれども。

でも現実問題としては、とくに長時間散歩に行く場合には意外と持っていくものがある。

 

外出に一般的に必要なものとして、まずは財布、ケータイ、家の鍵。

電子マネーだから財布なんていらねえや、スマホかAppleWatchがあればそれでいいぜ!

と、言いたいところなんだけど、じつはスマホのおかげで減る荷物は財布だけであって、全体的には荷物は減らない。

スマホをよく使うひとなら充電器も必要になるだろうから、電子マネーになったところで結局荷物はむしろ重くなるのかもしれない。

そして最近はコロナのせいでマスクも必要だ。

スーパーやコンビニではレジ袋が有料になってしまったので、散歩ついでにちょっと買い物に行ったときのためにエコバッグも持っておきたい。

汗をかくからハンカチもあったほうが良いよね。

歩き始めは涼しくても、そのうち暑くなってくるとシャツを脱いだりすることもあって、そうなるとそのシャツの所在に困ることがある。

春以降は、帽子もあったほうがいいね。

これから暑くなってくると、500mlのペットボトルも持っておいたほうがいいかも。

 

ひとつひとつは大したことがない荷物なんだけど、まとめるとまあまあ多い。

こうなってくると、もはや「ポケットに全部入れて、手ぶらで」というのは、ちょっと無理な話になってきてしまう。

 

そこでカバンを持っていこうと思うんだけど、意外とちょうどいいカバンがないもので。

散歩しはじめのころは、「チャムス」というブランドの小さなカバンを持っていっていた。

 

スマホと財布、ハンカチ、マスク、エコバッグを入れたらちょうどいいサイズ。

そこに500mlのペットボトルも、ぐいぐい無理すれば入ると思う。

ほんとうにスッと出ていってスッと帰ってくる「だけ」なら、充分。

ただし、もしスマホの充電器も入れたいとか、散歩ついでに郵便物も・・・となったら、もうアウト。

これは「ポケットに入れるかわりに持っていくカバン」というのが正しいのかもしれない。

ポケットの総容量と、このカバンの総容量は、ほぼ等しいといえる。

ということはつまり、これは女性用なのかもしれないなあ。

安いし小さくてデザインも可愛いのだけれど、「一切イレギュラーを受け付けない」という点では、使いづらい大きさである。

 

そこでもう少し大きいカバンを、と思っていろいろネットを探してみたら、良さそうなのを見つけた。

「マンハッタンポーテージ」というブランドのカバン。

「タテ21cmxヨコ34cmxマチ15cm」ということだから、まあまあの容量。

A4の紙を折らずに入れるのは無理だけど、ちょっとぐらい荷物が増えても問題なさそう。

メッセンジャーバッグなので、防水もある程度できるようだ。

何よりデザインがシンプルでいいし、軽そう。

もうほとんどポチりかけたとき、いやな説明書きを見つけてしまった。

「マジックテープ」

このカバンのフタになる前垂れ部分が、マジックテープで止めるタイプのものなんだそうです。

じつは僕、この世で一番キライなもののひとつが、マジックテープなのですよね。

うるせえから。

だからアレだ、カバンから何かを取り出そうとしたら、

「ベーリベリベリッ!」

って、いうんだろう?

アカーン! ジャカーシ! チャーッソー!

かばんは、原則、黙ってなさいっ!

 

その後、どうだろう、3週間ぐらいネットを徘徊したと思う。

でも結局、これはいいなあ! というものには巡り会えなかった。

そして先日、とうとう「邂逅」をしたのでありました。

邂逅というか、「再会」といったほうが良いのかもしれない。

 

ハンティング・ワールドのメッセンジャーバッグ。

 

 

2021年現在で50歳前後のひとは、「ハンティング・ワールド」という名を聞くと目頭が熱くなり、思わず落涙するという。

米米クラブとか、プリンセスプリンセスとか、そのへんの音楽が聞こえてきそうだ。

それほどに懐かしいブランドなのであります。

当時学生だったぼくは、バイトをいっしょうけんめいに頑張ってこれを買った記憶があります。

苦心してやっと手に入れたハンティング・ワールドの「エクスプローラー」を肩にかけたとき、なんだか「やっと一人前の大学生になれた」ような気がしたものです。

軽いし丈夫だしデザインも可愛いので、とても大切に使っていました。

 

大切に使っていたくせに、ふと気がつくと、なくしてしまっていた。

おぼろげにある記憶では、社会人になってから確か女友達に貸して、そのままになっていたような・・・「借りパク」をされたのでしょうか?

その人とはもう連絡がとれないし、記憶もかなり曖昧なので、よくわからないのです。

 

そうだ、ハンティング・ワールドという手があった!

サイズがほんとうに、ちょうどいいのです。

大は小を兼ねるというけど、それほど「大」というわけでもなく、とても軽いのです。

13インチのMacBookProも入るし、A4サイズの書類も折らずに入れることができる。

暑くなって脱いだシャツも入れられる。

でも、どういうわけか、そんなに大きく見えないし、かさばらない。

絶妙なサイズ感。

幸い安くなっていたので、思い切って買うことにしました。

経験上、中半端なものを複数買うよりも、高くても気に入ったものを根性出して買うほうが圧倒的に長持ちするし、QOLが爆上がりするんですよね。

 

彼は今日、届きました。

箱を開けて、思わず声に出てしまいましたね。

 

「よう、久ぶり!」

 

なんだか学生時代のあの日々が蘇ってくるような錯覚をおぼえます。

これから10年、またよろしくね。

 

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