運動をすると、なぜ調子が良くなるのか。
血行促進、筋力アップ、各種ホルモンの正常化、ストレス解消、自信の回復、いろいろあると思います。
中でも重要なのが「呼吸力アップ」かもしれないですね。
体調を崩して2週間ほど寝込んでしまったあと、へんなことになりました。
「声がかすれる」
べつにノドの調子が悪いとかではないのです。
なのに少しかすれて、小さく、弱々しい声になってしまうのですね。
そしてこのようなカサカサの声をしているときは、不安感や焦燥感も多くて、パニック発作がよく出ます。
その後筋トレをするようになったら、声は元通りはっきり出るようになりました。
大声が戻った。
それと同時に、元気も出てきて、全体的に調子が良くなってきます。
自律神経の調子が不安定で、妙な不安や恐怖感、イライラ感がある。
また人に会ったり外出したりすることを、とても億劫に感じる。
そんなとき、ぼくにはある「サイン」があります。
お腹が妙に出ている。
太って脂肪でおなかが出ている、というのとは少し違うのです。
腹筋が弱くなって、コーモンさんもふにゃっとゆるんで、内臓が全体的に下に「ズルッ」と落ちてしまうのですね。
結果、まるで妊婦さんのように、おなかがポーンと出てくるのです。
またそのせいで、姿勢が前傾して、背中が丸くなってきます。
ションベンの勢いも弱くなります。
こうなると、とにかく調子が悪いのです。
些細なことに気を取られたり、神経質になったり、物音やニオイに敏感で、自分の体調にも過敏で、落ち着きがなく、イライラして、動悸がしたり、怖くなったり。
まるでネズミのような繊細さを醸し出してしまいます。
内臓が落ちて、前に出てくるということは、横隔膜が下がっているということです。
横隔膜が下がるということは「息を吸っている」のと、同じことになります。
息を吸うというのは、自律神経でいくと「交感神経」の分野だそうです。つまり「警戒系」の神経。
腹筋が弱って「イキを吐くちから」が低下すると、立ったり座ったりしている場合、重力と横隔膜の関係上「イキを吸う」ことがデフォルトになってしまうのですね。
そうなると交感神経がコーフン気味になり、そわそわ、いらいら、ふらふら、どきどき、もやもや、そういうのがいっぱい出てくる。
「警戒せよ!」
そういうモードになってしまうのですね。
ジョギングがすごく効くのは、この「内蔵下垂による呼吸力低下」を治してくれるところもあるんだと思います。
走っている間は、常に内蔵が上下します。
そして苦しいので、イキをいっぱいします。
内蔵を上下に揺さぶりながら、激しい呼吸をする。
結果、腹膜や腹筋が強くなって、内臓が正常な位置に戻り「吐くちから」が戻ってくる。
よって神経のバランスも整うようになる。
そんなストーリーなのかもしれません。
ジョギング以外に、筋トレの腹筋でも、この効果が期待できると思います。
また単純に呼吸法でも、これはある程度可能かもしれません。
「腹筋に渾身の力をこめ、コーモンさんも引き締めて、吐く! 吐く! 吐く! もっと吐く!」
で、すーっとゆるめる。これを繰り返す。
腹筋やコーモン様にちゃんと力が入らず、だるんだるんのまま呼吸法のマネごとをすると、過呼吸発作を起こすこともあります。
一応ぶうぶうイキはしているけれども、じつはあまり吐けていなくて、実情としては(肺の状態は)「吸う」ほうが主体になってしまっているんですよね。
結果交感神経のほうがコーフンしてしまい、不安感や焦燥感がアゲアゲになって、神経が「あかーん! 酸素が足らーん!」と勘違いして、苦しくなる。
そんな感じかもしれません。
腹筋を鍛える。
コーモン様を鍛える。
「しっかり吐く」ちからを手に入れる。
全然別件ですけど、「ちからを抜く」ときの吐き方って「フー」ではなく「ハー」のほうが、いいそうです。
息を吐くときに、口をすぼめて「フー、フー、フーーーーーッ」などとついやってしまいがちですけど、これは「ちからを集中させる呼吸」なんだそうです。
唇で空気抵抗をつくり、腹圧と胸郭圧と血圧を高めて、爆発力を貯め込む用。
筋トレ用とか、ケンカ用。
だからウェイトリフティングなんかで、この息の吐き方をよく使うのかもしれませんね。
リラックスしたいときは、
「ハー」
のほうがいいそうです。
映画に出てくる武道や気功の達人がやるほうの「ハァーッ」ではなく、ため息のほうの「ハー…」ですね。
やってみたらわかりますけど、「ハー」にすると、肺の上の方からよけいな空気が出ていくんですよね。
結果腹圧や胸郭圧が下がって、脱力がしやすくなる。
ヨガでも「So-Ham」の呼吸というのがあって、「So(ソー)」で吸い、「Ham(ハーム)」で吐く。
これもリラックス用の呼吸法ですから「ハ」には「なんかある」のかもしれませんね。