インフルエンザウィルスというのは湿度50%〜60%ぐらいで不活性化するという話はよく聞きます。
だから乾燥する冬場は猛威を振るうし、家では加湿器を使ったほうがいい、という話もある。
へえ、そういうものなのか、と思っていました。
しかし・・・。
よくよく考えたら「どうしてインフルエンザウィルスは湿度に弱いのか」
ということをよく知らない。
ウィルスじゃなくて菌のばあいは、むしろ乾燥に弱いとも聞きます。
とくにカビなんかは、乾燥しているほうが生えにくいです。
むむっ。
これはどういうことなのか。
そういえば最近猛威を奮っているコロナウィルスも「ウィルス」だから、湿度に弱いということはあるのだろうか。
まあ違うウィルスだからそうだとは言えないかもだけど、そもそもインフルエンザウィルスが湿度に弱いということが個人的によく理解できてないから、どっちみちよくわかんないなあ。
・・・というふうな疑問にまっすぐに答えてくれたサイトを見つけました。
ひさびさに「なるほどっ!」とヒザを打ちましたよね。
http://sawagikyou.holy.jp/nature/kiken/yobou/v_06_shitsudo/v_shitsudo.html
やっぱりそうか。
ウィルスって「いきもの」ではないのですよね。それは知ってた。
だから「加湿器をつけるとインフルエンザウィルスが死ぬ」というのは、そもそも言い方がおかしい。
そして「湿度が低いとインフルエンザウィルスが増殖する」というのも、またおかしい。
宿主がいないのにかってに増殖するとか、もしそうだったらそれはウィルスではなく「菌」ということになる。
結局のところ、湿度が有効なのは「水滴に邪魔されてウィルスが飛散しにくくなる」ということなのだそうです。
インフルエンザウィルスは外に出ると15分ぐらいで「壊れて」しまうんだそうです。
湿度がないと宿主まで風にのって一直線に移動ができるけど、湿度が高いと水滴にいちいちぶつかってしまい、時間がかかる。
そのうちタイムオーバーになって壊れてしまう、ということなんだそうです。
なるほど。
そしてもうひとつの疑問。
確かにインフルエンザは冬場によく流行しますが、夏にまったく発生しないわけではありません。
また熱帯地方でも発生するし、流行もする。
おかしい。
湿度が高いほうが良いのなら、どーして夏の、それも梅雨時にさえインフルが流行することがあるのか?
どして?
ねえ、どーして?
「紫外線」なのだそうです。
インフルエンザウィルスは、紫外線で崩壊する。
だから紫外線の強い夏場はあまり活性化されないけど、梅雨時など雨が多いと紫外線の効力が弱まって、条件が重なると大流行することもある。
熱帯=紫外線が強いというのは勘違いで、雨季などでは紫外線の量は減少します。
だから熱帯地方でもインフルエンザが大流行することがあるんですね。
なるほどなあ。
だから結局、強い弱いでいえばインフルエンザウィルスは「湿度に弱い」のではない。
弱いのは「紫外線」と「時間」なのでありました。
このたびのコロナウィルスはどうなのかはわかりません。
ただしおなじ「ウィルス」という種類の構造体ならば、似たような特性を持っているかもしれない。
すなわち、
・空気中の水滴(湿度)によって拡散防止が可能
・紫外線で崩壊する
っていうような特性が。
インフルエンザが春になるときゅうにおとなしくなるのも、紫外線量が急激に増えるからだそうです。
だからもしかすると、まあこれは楽観的すぎるのかもしれませんが、春になればコロナウィルスもおとなしくなってくる、可能性はあるかも。
いくら新種といえども、変異種といえども、「紫外線でも壊れない」なんてのは、まあ、あまり考えられないし考えたくない。こわい。
と、ここまで考えて、思った。
紫外線って、すげえな。
美白だかなんだか知らないが、最近は紫外線をワルモノ呼ばわりすることが流行っています。
でもじつはこの紫外線こそが、ウィルスをぶっ壊してくれていたのですね。
紫外線はたしかに人体にも刺激が強いけど、その強い刺激のおかげでウィルスも壊れていっていた。
よくできている。
だからやっぱり適度に紫外線に当たることはとっても大切なことなんだろうな、と思いました。
カビなどの有害な菌も、紫外線で殺菌されます。
紫外線にあたると人間のからだには「ビタミンD」が生成されて、ホネや皮膚がすげー強くなっていく。
たいようのちから。
紫外線のちから。
やっぱり、外に出よう。
たいようと、なかよくしよう。
家の中に引きこもり、布で手足や顔を隠してねんじゅう紫外線から逃げまくっていたら、その人の皮膚は「ものすごくきたない」ものになるのかもしれませんね。
人間もやはり、自然の一部。
あまり「へんなこと」は、やっぱりしないほうが良いのかもしれませんね。